“世界最強パスポート”を支える「日本人の信頼」[2018/12/29 09:10]

 この年末年始、過去最多の約73万人が海外旅行に行くとみられています。そんななか、日本のパスポートがビザなしで渡航できる地域の数でシンガポールを抜き、世界最多となったことが分かりました。

 日本の赤と青の一般的なパスポート。このパスポートが世界最強になったといいます。イギリスのコンサルタント会社がビザなしで渡航できる国・地域の数をもとに“最も渡航しやすいパスポート”をランキング化。いわば、各国のパスポートを世界各地でビザなしでも通用する“強さ順”に並べたものです。日本はここ10年、いい時でも3位止まりで首位には届きませんでした。2013年以来、ドイツが首位でしたが、今年1月にはウズベキスタンへのビザなし渡航が認められ、日本がシンガポールと並んで189カ所の首位タイに。ウズベキスタンは「青の都」とたたえられる古都・サマルカンドなどが見どころです。
 そして、10月にはミャンマーへのビザなし渡航が可能になり、シンガポールを抜いてついに日本のパスポートが初の単独首位になりました。世界遺産にも登録されているミャンマー最大の聖地で黄金の仏塔「シェエダゴンパゴダ」。この光景もビザなしで見られるようになりました。
 ちなみにお隣の韓国はビザなし渡航先が188、アメリカは186と、いずれも日本をやや下回っています。なぜ、日本のパスポートは“世界最強”になったのでしょうか。河野外務大臣によりますと、日本のパスポートの強さを支えているのが外国人から見た日本人の「信頼」だと言います。つまり“パスポートの強さ”とはその国の国民の「経済力」と「信頼性」など、“どれだけ多くの国に観光客として来てもらうことを歓迎され、期待されているか”を示しているというわけです。
 実は、外務大臣ら閣僚は一般のパスポートとは別に特別な旅券を持っています。外交旅券は皇族や三権の長、閣僚らが持っているパスポートのこと。外交旅券を持っていても基本的にビザを必要とすることが多く、ビザなしで入れるケースは限られるといいます。海外旅行の際に何げなくやっている「ビザなしで入れる」ということは、実はかなり特別なことなのです。その「ビザなしで入れる国と地域」が今回、190となって“世界最強”となった日本のパスポート。公務員が取得しなければいけない公用旅券と外交旅券では、アメリカや中国、ロシアといった国でもビザが必要だといいます。一般旅券の方がビザが必要ない国が多いのです。ちなみに、天皇皇后両陛下は国家元首という扱いのため、パスポートは持っていないとのこと。
 この年末年始、海外旅行客は過去最多の73万4000人に上るとみられます。「たびレジ」は、外務省の海外安全ホームページなどから旅行先などを入力すると滞在期間中にテロや災害などの安全情報をメールなどで受け取れるシステム。この正月、世界最強のパスポートを持って海外に出掛けてみてはいかがでしょうか。

こちらも読まれています