中東情勢が緊張するなか、安倍総理大臣はサウジアラビアを訪問しています。12日夜にサルマン国王らと会談し、中東の緊張緩和に向けて対話の重要性を訴える方針です。
(政治部・前田洋平記者報告)
訪問先にサウジアラビアを選んだ理由の一つがバランスです。安倍総理はイランとの関係強化に力を注いできたからこそ、イランと対峙(たいじ)するサウジアラビアへの訪問が欠かせないのです。安倍総理は昨年6月、日本の総理大臣として41年ぶりにイランを訪問し、最高指導者のハメネイ師とも会談しています。さらに、12月にはロウハニ大統領が来日するなど、太いパイプを築いています。この状況はイランと対峙するサウジアラビアにとって面白くはなく、特に34歳と若く実質的な指導者であるムハンマド皇太子が「疑心暗鬼」になっていると外務省幹部はみています。安倍総理としてはアメリカとイランのどちらにもくみせず、双方に自制を促す日本の立場を直接、説明して国王や皇太子の信頼を強固なものとしたい考えです。サウジアラビアは日本にとって原油の最大の輸入相手国です。その観点からも関係強化が求められます。
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