汚職・疑惑で“防戦国会”政府与党の計算と戦略は?[2020/01/20 17:38]

 3人疑惑の残る議員などを抱えて、「延長なし」という限られた時間のなかで、政府・与党は法案を順調に審議して通すことができるのでしょうか。

 (政治部・山本志門記者報告)
 自民党幹部が「厳しい船出だ」と強調するように、国会は冒頭から防戦一方の展開となりそうです。ある政府高官は「丁寧に進めるに尽きる」と語っていますが、“丁寧な説明”が行われるかは全くの別問題となっています。IR(統合型リゾート)を巡る汚職事件に加えて河井夫妻や菅原前大臣の一連の疑惑についても「議員個人の問題」などとして、突き放す考えです。
 また、「桜を見る会」の問題では、「データは削除したため、説明しようがない」という方針を貫く考えです。強気の背景には「世論調査で内閣支持率は下がっていない」と、ある自民党幹部が分析するように、このまま乗り切れるという計算をしているためです。そのうえで、安倍総理大臣がオリンピック後の景気の落ち込みを念頭に「予算の早期成立こそが最大の景気対策」と強調するなど、審議拒否をちらつかせる野党側を早速、牽制(けんせい)してもいます。政府・与党内には、オリンピックのお祭りムードで「政権への逆風は打ち消せる」という見方もあり、「延長しない国会」を何とか逃げ切りたい考えです。

こちらも読まれています