衆院憲法審査会「国の権限」など…各党で温度差も[2020/05/28 16:39]

 今の国会で初めてとなる衆議院の憲法審査会が開かれました。新型コロナウイルスの感染拡大などを踏まえ、緊急事態における「国の権限」などを巡って議論が交わされましたが、各党で温度差が浮き彫りとなっています。

 自民党は緊急事態における国会の在り方について、本会議の議決に必要な議員数や衆議院議員の任期を定めた憲法の規定について議論するよう提案しています。
 自民党・石破茂元幹事長:「今、色んなことが問題になっている。このなかにおいて、じゃあ緊急事態条項を設けるべきか、私は武力攻撃事態のように憲法秩序そのものが破壊される時に限って、そういうような条項が必要だと個人的には思っています」
 また、日本維新の会からも「国民の関心は高まっている」などとして、「緊急事態条項を設けるべきだ」と訴えられました。他の野党からは反対の意見が相次ぎました。
 立憲民主党・辻元清美前国対委員長:「(緊急事態条項について)法律での対応をまずしっかりしていくことこそ、私たち国会議員の責務であると」
 社民党・照屋寛徳国対委員長:「新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言も悪用して、憲法改悪をもくろむ安倍改憲、平和と立憲主義、民主主義と国民生活を破壊するもの」
 自民党としては緊急事態における国会の機能の確保を「呼び水」にして憲法の議論を加速させたい考えです。しかし、野党側には「非常時の政治利用だ」との警戒感が根強く、安倍総理大臣が目指す憲法改正に向けた動きが進む見通しは立っていません。

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