香港「一国二制度」に危機 日本政府「遺憾」の背景[2020/06/30 17:36]

 中国の国会にあたる「全人代(全国人民代表大会)」は香港での反政府的な動きを取り締まる法案を全会一致で可決しました。香港の人々の自由や権利を認めてきた「一国二制度」が危機を迎えていて、日本も「遺憾」という強めの表現で中国を批判しました。国会記者会館から報告です。

 (政治部・大石真依子記者報告)
 (Q.背景には何がある?)
 「中国側に釘を刺す」という狙いがあります。香港には2万6000人の日本人が暮らしていて、1400社の日本企業が進出していますが、その影響を懸念してのことです。ある外務省幹部は、国家安全法について「いかようにも運用が可能だ」として警戒を強めています。今回の遺憾の意の表明には「今後、日本企業に手を出すようなことがあれば、より日中関係が深刻になる。物事には限度があるぞ」というメッセージが込められています。そして、新型コロナウイルスです。各国が対応する隙をつくように尖閣周辺に中国船が毎日、立て続けに入ってきたり、南シナ海でベトナム漁船に体当たりするといった中国の挑発的な行動が続いています。世界全体で「ちょっとおかしいよね」というムードがあるなか、「日本だけが抑制された表現を使うことはできない」とある幹部は話します。

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