“GoTo見直し”は想定外か 徹夜で「制度設計」[2020/11/22 22:30]

新型コロナ感染の急拡大を受け、「経済重視」から一転“GoTo見直し”へー
具体的なスケジュールは?なぜ連休中に発表したのか?『疑問だらけ』な一連の動きについて、専門家に聞きました。

▽「データサイエンス」が専門・宮田裕章教授(慶応大医学部)
宮田「感染者数は厳しい状態だと思います。1週間前と比べて1.5倍に増加、陽性率も上がり重症者数もじわじわ増えている、全国的に予断を許さない状況であることは間違いないと思います。」

▽テレビ朝日・藤川みな代経済部長
Q:菅総理の“心変わり”、背中を押したのは何でしょうか。
藤川「ここ数日間の感染者の急増ですね。政府として何かメッセージを出さなくてはいけない、という危機感の表れだと言えますね。」
Q:GoToトラベル、イート、それぞれ見直し案に「いつから」などは示されていない…これは想定していなかったということでしょうか。
藤川「急な見直しの表明に、制度設計が全く追い付いていない状況です。GoToトラベルを所管する観光庁幹部によると、官邸の雰囲気が急変し、徹夜で制度設計の作業を進めているということです。」「制度設計上は“全面中止”の方が簡単ですが、政府は経済ダメージを減らすため「面」でなく「点」で抑えたい考えで、北海道では『札幌市』を除外する方向で制度設計が進められており、数日かかるのではないかと見られています。」
Q:全国の制度設計にはさらに時間がかかるということでしょうか。
藤川「そうですね。今後、政府と知事が連携しながら決めていくということになるので、現場は混乱を極めている状況ですね。

▽エコノミスト・崔真淑氏
Q:経済界はどのように受け止めているのでしょうか。
崔「宿泊、飲食が回復しだした時期は明確にGoToがスタートした時です。見直しとなれば「マイナス影響は出る」との声が経済学者の間でも多く出ています。経営者たちに取材したところ、居酒屋や小売りメーカーからは『直接の影響もそうだが、“自粛ムード”の広がりが怖い』や『業績予想への影響は否めない』といった声がありました。

Q:利用者としても「キャンセル料の支払い」や「貯めたポイントはどうなる」など気になります。
崔「キャンセル料は最初から議論されるべきでした。経済政策で重要なのは先行きの不安を取り除く、そのためにもしっかりと議論、モラルハザードを起こさないためにも明確な基準が必要だと思っています。」「ポイントの有効期限も延長が必要ではないかと思います。『政府の政策はすぐとん挫する』と国民に思われてしまうと、GoToが復活した時にうまく回らないと思うのです。」

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