菅総理 施政方針演説でコロナ対策を強調[2021/01/14 21:44]

 18日に召集される通常国会で、菅総理大臣は就任後、初めての施政方針演説を行います。感染拡大が続く新型コロナウイルス対策に万全を期す姿勢を強調します。

 施政方針演説では、新型コロナウイルスについて「一日も早く収束させ、私自身も闘いの最前線に立ち、都道府県知事とも連携しながら難局を乗り越える決意だ」と訴えます。

 11都府県に緊急事態宣言が発令されたことを受けて、最も深刻な感染レベルの「ステージ4」を早急に脱却する考えも示します。

 さらに、特別措置法を改正し罰則などにより強制力を付与することで飲食店の時間短縮の実効性を高めるとしています。

 一方、外交政策では、日米関係をさらに強固にするためバイデン次期大統領と早い時期に会い、新型コロナや気候変動など共通課題での緊密に連携すると強調します。

 また、「自由で開かれたインド太平洋」については引き続き実現を訴えます。安全保障分野ではミサイルの脅威に対する抑止力の強化について引き続き検討する方針を示すほか防衛施設や国境離島を含め国土の不適切な所有や利用を防ぐための新法を制定する方針を表明します。

 今年の夏に予定される東京オリンピック・パラリンピックについては、人類がコロナに打ち勝った証として実現する決意で、感染対策を万全にして準備を進めることを改めて強調します。

 菅総理肝煎り(きもいり)の政策では「グリーン」と「デジタル」を次の成長の原動力と位置づけます。

 環境への投資として2兆円の基金を創設し、過去最高水準の最大10%の税額控除を行うことを表明します。洋上風力や水素など再生可能エネルギーを拡充し、2030年代半ばまでに新車販売で電動車100%の実現を訴えます。

 脱炭素社会の実現に向けてCO2の排出量に応じて価格を付け、民間企業にある240兆円の預貯金や海外の約3000兆円の環境投資を呼び込むための金融市場の枠組みも作ると訴えます。

 今年の秋に始動するデジタル庁については、強力な権能と予算を持つ司令塔としての位置づけを強調します。

 さらに、イノベーションを推進するため今後5年間の目標として政府の研究開発予算を30兆円、官民の研究開発費の総額を120兆円とする方針を表明します。

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