LGBT法案 今国会の提出を自民党が断念[2021/05/28 23:35]

 「差別は許されない」と明記されたLGBT法案について反対意見が噴出し、自民党は今の国会への提出を断念しました。

 自民党・佐藤総務会長:「なかなか全会一致という方向が見いだせなかった」

 LGBTなど性的少数者への理解を促進する法案を巡り、自民党は連日、激論を続けてきました。

 焦点となっていたのは野党との修正協議で加えられた「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されない」との文言です。

 この表現を巡り、「差別を理由にした訴訟や政治運動が多発する」などの批判が出ていました。

 自民党として最終的に法案の了承を行う28日の総務会にも反対派が詰め掛け、「場外」から意見を表明しました。

 自民党・西田昌司参院議員:「差別ということを全面的に出してやっちゃうと、LGBT以外の方の理解や内心の自由まで我々が制限をするのかと」

 さらに、別の議員からは「憲法上、結婚は両性の合意だが、この法案によって同性婚につながる」などの懸念の声も出たということです。

 自民党・稲田元防衛大臣:「私は諦めていません」

 この法案の責任者である稲田元防衛大臣は「与野党合意は意義がある」として、今の国会での成立を改めて求めました。

 ただ、来月16日の会期末が迫るなか、審議時間の確保は難しく、この法案の取り扱いは二階幹事長ら幹部に一任されました。

 そのうえで、佐藤会長は「国会への提出はなかなか難しい」と事実上の断念を表明しました。

 閣僚の1人は「こうした二分する議論は選挙前にやるべきでない」と釘を刺しています。

 賛成していた自民党幹部からは「自民党が遅れた政党だと思われる」とあきれた声も出ています。

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