特集 自民党は変わったのか? 実力者たちの12日間[2021/10/31 20:58]

自民党は変わったのでしょうか。大物たちの12日間の選挙戦を追いました。

歴代最長の在任期間を誇った二階幹事長。今も変わらず道路建設の夢を語り続けています。自民党候補の中では最高齢の82歳になりました。しかし、岸田政権が発足すると、幹事長の座を追われました。二階幹事長は19日、こう述べました。
二階幹事長:「(Q.自民党は変わる必要があると思うか)正しい方向で進んでおれば、変わらなくたって良い。『変わらなきゃいけない』と言葉に酔っている」

退陣を余儀なくされた菅前総理は19日、支持者を前に、悔しさからでしょうか、自らの実績を繰り返します。
菅前総理:「デジタル庁を1年で作った。携帯電話値下げが始まった。間違いなくワクチンは効く」

菅氏を追い出す形で、政権の座に就いた岸田総理。後ろ盾となっているのは、安倍元総理と甘利幹事長、そして麻生副総裁で、頭文字から『3A』とも呼ばれています。

選挙戦序盤、安倍氏の姿は長崎市にありました。応援するのは、自身に17年仕えた元秘書の初村滝一郎氏です。安倍氏の自信に満ちた姿は、総理時代を彷彿とさせます。

そしてもう一人の重鎮、麻生副総裁は25日、北海道で、こう述べました。
麻生副総裁:「温暖化したって、悪い話ばっかりしか書いてないけど、温暖化したおかげで北海道のコメは美味くなった。北海道のコメは昔は“厄介道米”と言われていたじゃないの。忘れてんすか」
この発言のあと、岸田総理が「適切ではなかった」と陳謝する羽目になりました。

総裁選で“負け組”に転じた小泉前環境大臣は23日、こう話しました。
小泉前環境大臣:「なんとか自民党、日本を変えたいと思って、この前の総裁選、河野太郎さんの応援をした。皆さんがご存じの通り、負けた。だけど、自民党が、このままでいいと思っている人はほとんどいないはず」

2週間の選挙戦で問われた自民党のあり方。折り返しとなる24日の参議院静岡選挙区の補欠選挙では、総理や幹事長まで現地入りし、応援に当たりました。しかし、野党系候補の前にあえなく敗れました。

静岡での敗戦翌日の25日に、選挙の責任者、甘利幹事長が取材に応じました。
甘利幹事長:「(Q.自民党への不満や不信が消え去っていないという印象は)そう思う。将来見通しがまだ開けていないという思い、焦燥感を政権党にぶつけているというのは、当然のことだと思う」

それでも強調するのは重鎮の存在意義です。
甘利幹事長:「政治家ってある面、ずけずけ、図々しく入っていかなければいけない点が必要だけど、彼(岸田総理)にはそれがない。下手すれば、つぶれちゃいますから。それを支えてあげたいという思いだけ。そういうなかで、私は、麻生さんとも安倍さんとも気脈を通じているから」

その甘利氏自身の選挙戦。当初、地元に入るのは“2時間だけ”と余裕を見せ、応援演説で全国を飛び回るはずでした。しかし、野党候補の追い上げが伝えられると、最後の3日間は、地元に張り付き、自分への投票を訴えました。
甘利幹事長:「全体の指揮を執る甘利明がいなかったら、日本の未来はどうなりますか。私は何としても当選しなければならない。死ぬ気で頑張りますから、どうぞ、どうぞ、よろしくお願い申し上げます」

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