米“外交的ボイコット”に岸田総理「自ら判断」[2021/12/07 17:35]

 アメリカは中国の新疆ウイグル自治区での人権弾圧を理由として、北京オリンピックに政府関係者を派遣しない外交的ボイコットで対応すると発表し、バイデン大統領は外交的ボイコットについてそれぞれの国の判断に委ねるとしました。同盟国である日本政府は、どう反応するのでしょうか。国会記者会館から報告です。

 (政治部・山本志門記者報告)
 岸田総理大臣が言っていた「自ら判断していきたい」という言葉に、その胸の内が強くにじみ出ていると思います。

 総理周辺が「アメリカはアメリカだ。日米そろってというものではない」と話すように、外交的ボイコットに完全に同調することには、現時点では相当、慎重になっています。

 背景には岸田政権が今後、中国とどう向き合うのか、この判断が大きく影響しているためです。

 さらに来年、日本と中国は国交正常化50周年の節目を迎えます。

 政府内には日中関係が修正局面に入っていくための「きっかけ」にしたいという思惑もあり、この機運を決定的に壊したくないという考えもあります。

 ただ、今週末にはイギリスでG7の外相会議が対面で開催されます。

 米国だけでなく、ヨーロッパでも「外交的ボイコット」を検討する国が相次いでいるなかで、日本が人権問題に後ろ向きとみられかねないという点には警戒感も出ています。

 官邸内からは「今の段階で日本が何かを言う必要がない。各国がどう対応するか様子を見るべきだ」として、判断のタイミングをギリギリまで延ばそうという向きもあり、今後は慎重に対応を検討していく考えです。

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