世界遺産委員会は「実務上コンセンサスが基本」[2022/01/27 00:44]

 「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産への推薦を巡り、外務省は、登録の手続きは「全会一致が基本だ」として、反発する韓国側との事前対話が必要だとの認識を示しました。

 外務省・小野外務報道官:「(世界遺産委員会では)2021年の7月に、推薦書の提出の前の段階での当事者間の対話を促す作業指針が採択をされている」

 世界遺産委員会は21カ国の委員国で構成されていて、3分の2以上の賛同が得られれば登録される仕組みですが、実際には、コンセンサス(全会一致)を基本として運営されています。

 2015年に中国が「南京大虐殺」の資料を「世界の記憶」として遺産登録したことなどを受けて、日本が主導する形で関係国が異議申し立てを可能とする制度を導入しました。

 小野外務報道官は、世界遺産委員会でも関係国との事前の対話が必要になるという認識を示していて、「佐渡島(さど)の金山」を登録するには、「旧朝鮮半島出身者の強制労働があった」と反発をする韓国などと事前に話し合うプロセスが必要となる見通しです。

 政府は反論できる資料など揃えてから世界遺産委員会に推薦すべきだとして、見送る方向で調整していますが、安倍元総理や高市政調会長をはじめ自民党の保守派は「2021年度に推薦すべきだ」と主張を強めています。

 外務省幹部は「最後は総理の腹一つだ」として、来月1日に申請期限が迫るなか、岸田総理大臣の判断が注目されます。

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