13都県の「まん延防止」3週間延長へ“手詰まり”政府の打開策は…スタジオ解説[2022/02/08 23:30]

新型コロナの感染ピークが見えないなか、政府は、東京など13都県で、まん延防止等重点措置を3週間を軸に延長する方向で検討しています。

これらの地域は、先月21日から措置を適用していています。ただ、東京では、措置適用が始まってからも、何度も過去最多を更新していて、8日も1万7113人と火曜日としては最多となりました。

まん延防止等重点措置の延長で、感染拡大に歯止めをかけることはできるのでしょうか。政治部の原慎太郎記者に聞きます。

(Q.政府はこれまでの措置について、効果はあったと評価していますか)

原慎太郎記者:「政府は一定の効果は出ているとみています。オミクロン株の特性もあって、新規感染者数の増加が収まったとは言えない状況です。ただ一方で、政府は、一日の新規感染者より、前週からの増減を重視しています。前週比では、徐々に感染レベルが下がってきているので、このままピークアウトすることを目指して、重点措置を継続する方針です」

政府分科会の尾身会長は、8日の国会で、今後の感染状況について「可能性としては、徐々に下がるか、高止まりになる。最悪の場合には『BA.2』という亜種もあり、さらに上がることも考えられる」と発言しています。

(Q.まん延防止等重点措置を延長するなかで、政府は追加の対策は考えていますか)

原慎太郎記者:「重点措置の効果について、行動抑制の対象を飲食店に絞っている点については、政府も問題意識を持っています。つまり、オミクロン株の特性を踏まえれば、単純な行動抑制だけでは意味がないと考えているんです。ひいては『このままじゃ何も変わらない』という批判が出てくることも想定しています。そこで、重点措置とは別に、専門家の提言を踏まえて、感染が増えている高齢者施設や保育所に関して対策を強化する方針です。厚労省は8日、保育所が休園になった子どもを公民館などで預かる代替保育を促進するため、自治体への財政支援を行うことなどを打ち出しています」

(Q.3回目ワクチンは全人口の約6.5%しか接種していません。ワクチンが遅れをとっているように感じますが、政府はどうみていますか)

原慎太郎記者:「モデルナ製のワクチンの副反応を警戒して、1〜2回目と比べて、接種に消極的な人が増えているという現状もあると思います。政府としては、SNSやテレビCMなど、広報に力を入れて促進していきたい考えです。岸田総理自身も、3月上旬に自らモデルナ製ワクチンを接種してPRする予定です。ただ、即効性のある打開策はなかなかないというのが現状です。しいて一つ挙げるとすれば『国産の飲み薬』は新たな武器になるかもしれません。岸田総理も、7日の国会で、早期実用化に向けて審査のスピードを上げる方針を示しています。総理周辺は、この国産の飲み薬が行き渡って、世の中に体感として、新型コロナが実質的にインフルエンザなどと同じような位置付けになってくれば、雰囲気も変わってくるだろうと期待を寄せています」

(Q.実際にこれだけ広がってしまったという現実を見据えた対策に、軸足を持っていかざるを得ないということですね)

原慎太郎記者:「ご指摘の通りです。現実的な実効性のある対策を今後も打ち出していく方針です」

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