かつての盟友 福山哲郎氏と前原誠司氏が…大越キャスター 激動の京都選挙区をゆく[2022/07/10 23:57]

大越健介キャスター
「激戦の京都選挙区、福山前幹事長の応援のためにこうして立憲民主党、創設時からの顔ともいえる存在が勢ぞろいしています」

立憲民主党 福山哲郎候補
「どうか皆さん、福山哲郎を助けてください。
 この選挙勝たせてください」

立憲民主党の前幹事長・福山哲郎氏は、かつてない苦戦を強いられています。
これまで京都は、改選の2議席を「自民」と「旧民主系」、「共産」のいずれかで分け合ってきました。
しかし、今回はそこへ「維新」が参戦。さらに…

国民民主党 前原誠司代表代行
「今回われわれ『国民民主党』、『日本維新の会』楠井裕子さんの応援をさせて頂いております。」

かつて福山氏とともに民主党政権を支えた前原氏が袂を分かち、「維新」の大阪ガス社員・楠井氏を応援しているのです。

2016年の参院選では福山氏を応援していた前原氏。

前原誠司氏
「京都の代表としてこれほど素晴らしい人は他にいない」


かつての盟友も今は敵。
今回、福山氏は維新を意識した選挙戦を展開しました。

立憲民主党 福山哲郎候補
「悪いですけど、大阪の人に、京都に来て『大阪の改革を京都に』などと言われる筋合いは全くありません」

前原氏が維新の候補を応援することについて福山氏は―

立憲民主党 福山哲郎候補
「残念には思いますがそれはそれぞれの政治家の判断の事なので。
 私がコメントする事では無いと思います」
Q.
「前原氏に話聞いたときに、立憲民主党とは、、、」、
立憲民主党 福山哲郎候補
「私は候補者同士で戦っているので、前原さんと戦っていないので。
 それ以上でもそれ以下でもありません!」

一体なぜ、前原氏は「維新」と手を組んだのでしょうか?

大越キャスター
「かつて政権交代を成し遂げた仲間たちと、今回の選挙については京都選挙区で袂を分かち、まあ日本維新の会の候補をおす。
 その決断の理由から、教えていただけますか?」
国民民主党 前原誠司 代表代行
「もう一度政権交代したい。
 そのためには旧民主だけで固まっていても政権は取れない。
 ですから維新の会の皆さまとも協力して、そしてもう一度強い野党をつくる。
 そのための、まあひとつのきっかけが京都選挙区だと思っていまして。
 共産党と協力を強めていった立憲はやはりがっかりしましたし、そういったところとは一緒にやりたくない」

非自民・非共産の勢力で手を組み、もう一度、政権交代を果たしたいといいます。

前原氏と福山氏の2人を、若いころから支えてきたという人物をたずねました。

民主党京都府連 田渕五十生初代幹事長(79)
「考えられないことだよね。考えられない事ですよ。
(前原氏は)なぜか知らないけど立憲民主党を敵のように扱っている。

こう話すのは、「民主党京都」を前原氏や福山氏とともに立ち上げ、30年近く、2人の相談役を務めてきた元京都府議の田渕五十生さん(79)。

田渕さんは“ある人物との出会い”が「前原氏を変えてしまった」と話します。それが…

民主党京都府連 田渕五十生初代幹事長(79)
「橋下(徹)さんが登場してからですね。
 橋下さんと交流されているというのはですね、知っていましたし。
 私は言いました。『これは注意して行動したほうがいいと』。
 だけどそのころから、橋下さんと親密性が増していったようで」

田渕さんはいま、関西を中心に躍進する「維新」に危機感を強めています。

民主党京都府連 田渕五十生初代幹事長(79)
「テレビを通じて私たちが見てるのは吉村さんや松井さんの顔とか。
 コロナでなんか色々言っているけど、この関西というか近畿は大阪だけでは無くて、影響確実に受けるなと。

田渕さんの思いとは裏腹に、前原氏は「維新」との協力関係をさらに深めていきたいと話します。

国民民主党 前原誠司代表代行
「維新というと橋下さんに代表されるように、かなり、まあ言葉を選ばなかったが『飛び跳ねた』感じ。
 大阪の成功例を(他にも)ということでしたけれども、野党第一党を目指して政権交代を果たすんだということをおっしゃっている。
 その方向性は同じですのでしっかりと信頼関係を積み重ねていきたい」

野党が割れ、候補者乱立で、自民党有利のように見えますが…

自民党新人 吉井章氏(55)
「私自身、非常に厳しい戦い、情勢は緊迫しております」

新人の吉井彰氏の元には大物が次々と。

大越キャスター
「どうですか手応え?」
菅前総理
「これからだと思います」

「同じ保守票を食い合う」として、自民党も「維新」を警戒しているのです。

自民党京都府連 西田昌司 会長
「はっきり言って敵は『維新』」

自民党 伊吹文明 元衆院議長
「今回は維新を封じ込めてしまわないとダメ」

京都出身で、大臣や衆院議長、党の要職などを務め、去年政界を去った伊吹文明氏。

大越健介キャスター
「なぜこの京都で維新がこれだけ注目を浴び、各候補者、各政党幹部がですね、維新を意識した発言をしているのかというところを、どんな風にご覧になりますか?」
自民党 伊吹文明 元衆院議長
「あの、まあ関西は大阪で維新というものは勢力があるから、大阪の通勤圏に次は勢力を伸ばしていこうっていうことなんじゃないですか。
 他の政党よりは維新と自民党は共通するところは多いと思います。
 だけどどうしてもやはりそのなんていうのかなトランプ的な感じがするね。
 ポピュリズム的に票を取ってもね、やっぱりマズイと思うんだけどね」

街の人
「きゃー写真撮ってください」

「維新」の松井代表、吉村副代表は、
毎日のように京都入り。

大越キャスター
「吉村さん人気すごいですよ。
 もう人がどんどん集まってねきますからね。
 大阪府知事の吉村さんに京都の方がこれだけ集まる。
 ちょっとこれ一つの現象ですよね」

維新はここ京都を「最・最・最・最重要区」と位置づけています。

大越キャスター
「維新にとって、ここの区を獲るっていうのはどういう意味がありますか?」
日本維新の会 吉村洋文副代表
「もう自民や立憲の固定のあの古い永田町の政治じゃないということになると思いますんで。
ものすごく重要な選挙だと思っています」
大越っキャスター
「最最最重要区?」
日本維新の会 吉村洋文副代表
「はい。もう最最最重要選挙。
 永田町の自民と立憲の、いつもの55年体制じゃない選挙区に、勝つか負けるかで変わると思いますんで」

激戦区、京都を制するのは―。

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