「安倍元総理がやりたかったことの検証を」“ライバル”自民党・石破茂元幹事長に聞く[2022/07/10 21:04]

安倍元総理が応援演説中に凶弾に倒れるという、民主主義の土台を揺るがす事件を経て、参議院選挙は10日に投開票日を迎えました。

◆自民党・石破茂元幹事長に聞きます。

(Q.安倍元総理の死をどう受け止めましたか?)

安倍さんが本当にやりたかったことは一体何だったんだろうかということですよね。

安倍さんは“結果が全て”という政治信条をお持ちだった。けれども、すごく詰めて行うというよりも、多くの人たちの気持ちを引き付けるという政治手法を取られた。

本当にやりたかったことは、ごくごく緻密に考えたら何だったんだろう。ずっとそれを考えていたし、それをきちんと確認する機会がもうないというのは、すごく残念だし、我々はその努力をこれから先していかなければいけないですね。


(Q.2012年の総裁選挙でし烈な戦いを演じて以来、安倍元総理とは一貫してライバル視をされた存在でもあります。石破元幹事長にとって、安倍元総理どういう存在でしたか?)

自民党が国家を担わねばならないという思いは一致をしていましたが、歴史観・政治観とかにおいては、当然のことですが、異なりはありました。


(Q.ウクライナに対するロシアの侵攻を受けて防衛費を2%に積み増していくという安倍元総理の発言について、異論を持っていますか?)

私は積み上げた結果として2%を超えるのであれば、結果としてそれはあるだろうと思います。2%という数字ありきじゃないので。

1%に意味がなかったのと一緒で、じゃあ2%だ、その中身はまあいいから全部出せというやり方は、おかしいと思っています。

結果として、1.7%かもしれないし、1.8%かもしれないし、2.1%かもしれない。それは結果であって、最初から2%ありきだとは思わないです。

あまり言及されないけれど、安倍さんが亡くなる直前に言っていた「ニュークリアシェアリング」。それは日本にアメリカの核兵器持ち込みましょうという話ではないわけで。

その辺を、安倍さんは何をやりたかったのかなと。検証の中身はそういうことです。


(Q.ニュークリアシェアリング、核共有には反対の立場ですか?)

そうではない。つまり核を使うか使わないかについて、全てお任せよということではなくて。

もちろんアメリカが管理権も拒否権も持っていますが、使う使わないにあたって、その意思形成のプロセスを共有しましょうということであって、モノを共有しようとしてはいません。全ておまかせっておかしいじゃないですか。


(Q.経済政策“アベノミクス”についてはどう考えていますか?)

金融緩和がサステナブル、持続可能性のあるものなのかということですよね。つまり2年間で、マネタリーベースを2倍にして、物価上昇2%というお話でした。それはまだできていません。

なぜできていないかという検証も必要ですし、景気が良くなったからインフレになることはあっても、インフレになったら景気が良くなるというのは、順序が逆なんじゃないですか。

そこのところを経済理論として、どのように検証するかをやっていかないと。行き当たりばったりみたいなことやってると、とんでもないことが起こりかねない。

株は上がりました。それでは賃金はどうなんでしょう。という話を、もう1度ちゃんと、アベノミクスの否定じゃなくて、検証していくことが必要です。

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