【解説】ジャーナリスト後藤謙次氏が見た「総理答弁」 異例の質疑 注目ポイントは?[2022/09/08 18:03]

 今月27日に迫った、安倍元総理の国葬を巡り、岸田総理大臣が国葬決定後初めて、国会で質疑に応じました。

 ジャーナリスト・後藤謙次さん:「今回のポイントは国会で初めて岸田総理大臣が自分の意見を言うと、『国会無視じゃないか』とこういう批判があったわけですから、まずはそれに答えるということだと思います」

 異例の閉会中審査への総理出席。岸田総理から語られる言葉を政治ジャーナリストの後藤謙次さんはどうみるのでしょうか…。

 岸田総理大臣:「本日のご質問に答えるなかで、さらに具体的で丁寧な説明に努めて参ります」

 ジャーナリスト・後藤謙次さん:「具体的で丁寧なっていうのがどういう形で出てくるかがポイント」

 そして、いよいよ質疑応答が始まります。すると…。

 ジャーナリスト・後藤謙次さん:「『国際社会』という言葉が頻出しているんですよね」

 後藤さんが指摘するのは岸田総理の「国際社会」という言葉です。

 岸田総理大臣:「50年前、60年前の国際社会でどう評価されるか。国際社会から寄せられた数多くの敬意や弔意に対し、国葬儀に際し国際社会に対して、そういった思いもしっかり示していくことも重要な点」

 ジャーナリスト・後藤謙次さん:「国際社会が、これだけ多くの国から国を挙げて弔意を示されたと。それに応えるのは日本国としての責任だという趣旨のことを繰り返されていたので、やや国葬の行う意義というのは、国際社会に軸足を移しつつあるのかなという感じがしました」

 さらに、後藤さんが指摘したのは、立憲民主党の泉代表の「国葬の選考基準を記した法律はあるのか」という質問に対するこの発言…。

 岸田総理大臣:「ご指摘のような法律はありません。しかし、『行政権の範囲内』ということで、先ほど申し上げさせて頂いたこの判断、法制局との判断もしっかり仰ぎながら政府として決定をした、こうしたことであります」

 ジャーナリスト・後藤謙次さん:「まあここがね、国葬問題の核心。安倍政権以来、自民党政権の大きな特徴は、閣議決定の多用なんです。つまり閣議で決めたうえで、国会に来たときには結論が出てしまっている。結論は行政の範囲でもいいんですけど、それに対するお墨付きを誰が与えてるんですかという。それは国民の代表者が集う、国権の最高機関である国会。ここをないがしろにしている決定は欠陥なんじゃないでしょうかというのが、泉さんの質問の核心だと思う」

 国民の理解につながる説明ができるかが焦点の閉会中審査…。岸田総理の発言を後藤さんは。

 ジャーナリスト・後藤謙次さん:「今のままだと反対派、賛成派を取り残したまま9月27日を迎えてしまうんじゃないか、そんな懸念を持ちます」

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