【外交文書公開】“湾岸”追加支援 米側圧力で政治的決着[2022/12/21 10:00]

 外交文書では湾岸戦争時、多国籍軍への追加支援を巡って、当時の海部総理大臣が国会答弁とは異なる政治的な決着をアメリカ側と図っていたことが明らかになりました。

 1991年4月、海部総理はアメリカを訪れ、ブッシュ大統領から「どうか90億ドル全額を支払うよう努力してほしい」と告げられます。

 外国為替相場で円安が進み、実際の支払いが5億ドル目減りしたことが背景にあります。

 それに対し、海部総理は「すでに拠出が済んでいる」と、日本の正式な立場を伝えました。

 ただ、当時のアメリカ議会では、反日法案がいくつも提出されるなど日米の関係が悪化していたこともあり、海部総理は、7月に再び訪米し、目減りした5億ドルと同額を新たに基金として拠出することで、ブッシュ大統領と「政治的な決着」を図りました。

 海部総理は国会では「目減りの補填ではない」と強調していました。

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