「4万円」「7万円」「10万円」具体的に誰がいくら?“還元策”の中身が明らかに[2023/10/26 23:30]

物価高対策として政府が検討している税収増の還元策。岸田総理が26日、具体的な中身を口にしました。

岸田総理:「所得税・個人住民税の減税が、最も望ましいと考えています。税収増を納税者の皆さまにわかりやすく、税の形で直接、還元することとします」

具体的な金額も明言しました。
岸田総理:「来年6月から1人につき4万円の定額減税を行う。物価高に切実に苦しんでおられるのは、低所得者の方々であり、この方々には、今回1世帯当たり7万円を追加することで、住民税非課税世帯1世帯あたり合計10万円を目安に支援を行う」

総理が検討を指示した案です。税収が増えた分の還元策として、所得税と住民税で、1人あたり4万円を減税。扶養家族も対象とする方針で、例えば、3人家族では12万円となります。一方、生活保護や所得が低い非課税世帯には、すでに給付している3万円に7万円を追加して、合わせて10万円を支給する方針です。

そして、今回、新たに検討されているのが、パートやアルバイトで生活するなど、課税されているものの、所得が低い人への還元策。1世帯あたり10万円、給付を行う方針です。

街の声です。
会社員(18)「:自分たちが働いて、税金を納めてる分、その分、多くもらえたらいいなと思いますが、難しいですよね」
会社員(24)「結局、お給料の明細を見ても、額面ではそれなりにあっても、税金で何万も取られてしまって、手元に残るお金だと苦しいので、そもそも税金を減らしてほしい」
年金2人暮らし(74):「なんか微妙ですよね。ありがたいような。そのまま喜んでいいのかな。私も本当に思うんだけど、子どもがいらっしゃる方だったら、給食費もゼロにするとかの政策の方がいい気がしますけど。一時的にばらまくより。長い目で見て、そう思いますよね」

動き出した“減税”。ただ、その制度設計は、今後、自民党の税制調査会に委ねられます。

長く税調のメンバーを務めた伊吹元衆院議長は、こう話します。
伊吹文明元衆院議長:「結局、所得制限付きじゃない、給付金なんですよ。完全な給付金です。これをメガネ増税と言われたからといってね、税の形を取るということをやると、いびつなことになりますよね」

関係者によりますと、党幹部の中にも、減税に反対する人もいました。しかし、岸田総理は「期待をここまで上げた以上は、税で返した方がいい」と、こだわりを見せていたといいます。

自民党中堅議員:「簡単には進まないと思う。今後、問題が起こるだろう」

立憲民主党・泉健太代表:「即効性がないことは、自民党内でも議論がかなりありますから。総理の検討指示が、そのまま実行されるのかどうかも現在はまだ不透明。今後も紆余曲折あるんじゃないかと感じますね」

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