沖縄・宮古島沖 陸自ヘリ事故で調査報告書を公表 左右エンジンの出力低下が原因[2024/03/14 16:35]

 沖縄県の宮古島沖で去年4月、陸上自衛隊のヘリコプターが墜落した事故の原因について、事故調査委員会が報告書を公表し、機体の2基のエンジン出力が相次いで低下したことによるものと結論付けました。

 報告書によりますと、ヘリコプターのエンジンの出力が徐々に低下する「ロールバック」という現象が右側のエンジンに起きたのに続き、左側のエンジンも出力が低下したことで墜落したということです。

 ロールバックはメーカー側も把握していなかった非常にまれな現象だとしていて、自衛隊機で確認されたのは初めてです。

 一方、左側のエンジンの出力低下についてはエンジン制御や出力に関する部分の異常や搭乗員による操作ミスが要因となった可能性を指摘していますが、それらを裏付ける物的証拠やデータがなく、原因の特定には至りませんでした。

 再発防止策として、エンジンに関連する部分の点検の頻度を増やすことや緊急時の操作手順の教育を徹底するなどとしています。

 事故調査結果を公表したことを受け、森下陸幕長は会見で「かけがえのない10人の隊員を失う結果となったことを重く受け止める」と述べ、「この先、一人の犠牲も出さぬ決意で事故の再発防止に全力を挙げる」と強調しました。

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