修正…修正…また修正…「会議を開くに至らない」総理の質疑が“異例”の見送り[2024/06/04 23:30]

政治資金規正法の改正をめぐり、4日、岸田総理への質疑と採決が行われる予定でしたが、見送られました。

4日朝、国会内に掲げられた札には『会議を開くに至らない』とあります。特別委員会の部屋には、誰もいません。

どうしてこうなったのでしょうか。
先週末、自民党単独での法改正が難しいなか、岸田総理理は、政治決着を図ろうと動きました。
日本維新の会との協議では、使い道を明かす必要がない『政策活動費』について、10年後に領収書を公開するなど、修正を受け入れ、賛同を取り付けます。ところが、3日、党首レベルの合意に亀裂が入ります。
自民党は、使途の公開は50万円を超える支出に限るという考えでした。対する維新は、金額に関わらず、すべて公開と考えていて、食い違いが明るみに出ました。
日本維新の会・青柳仁士衆院議員(3日):「我々の条文も考え方もすべてお渡ししていますよね。これを万が一、条文化する段階で反故にするようなことがあれば、今回の法案には賛成できませんので」

合意が崩れ、自民党は、再び、法案を修正することに。その結果、4日の採決を断念しました。
立憲民主党・安住淳国対委員長:「総理大臣の質疑を飛ばして、きょうの本会議を飛ばすと。こういうことを与党側から野党側にお願いするなんて、まったく経験がないんですよ。民主党政権をボロクソに自民党が言いましたけど、さすがの民主党政権もここまでやったことない」

自民党が改めて作った“再修正案”では、政策活動費の公開を『50万円超』としていた規定を削除。維新の主張を丸呑みした形です。

総理への質疑や採決は、5日に持ち越しとなりました。
自民党・ベテラン議員:「全部ご破算にして、仕切り直した方がいい。何でもかんでも、ぶれ過ぎている」
自民党・若手議員:「これだけぐちゃぐちゃだと、もう政権はもたないかもしれない」

会期末が迫るなか、総理の政権運営に渦巻く不満。今国会での解散を問われた岸田総理は、こう述べました。
岸田総理:「いまは政治改革をはじめ、先送りできない課題に専念。それらにおいて結果を出すこと。それ以外のことは考えていません」

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