【都知事選】告示後初の週末に候補者どこへ?演説場所から見えてくる“戦略”とは[2024/06/24 00:30]

東京都知事選、初の週末。演説した場所に注目すると各候補の戦略が浮かび上がってきました。

■都知事選“初の週末”どこで?浮かぶ戦術

23日、小池百合子候補の姿は、東京都の最西端に位置する奥多摩町に。公務でダムを視察後、緑の服に着替え街頭演説に臨みました。
(東京都知事 小池百合子候補(71))「(高齢化率)53%、都の中で2番目ですね。どうやって人生を豊かに、この奥多摩町で暮らせるかという、そういうモデルを奥多摩町長と一緒に進めていきたいと思うんですが、皆さんいかがでしょうか?」
22日は東京都心から南に約300km、八丈島で牧場を視察。そこでは「ユリコ」という名前の牝牛に、エサのアシタバを与える場面も。
(東京都知事 小池百合子候補)「百合子がユリコに。これは公選法違反にならないですよね」
海をバックにした演説会場。そこにタスキをかけた小池候補が手を降り、笑顔で現れました。
(東京都知事 小池百合子候補)「島には島の課題がある。島には島の解決策がある」
告示後、初めての週末。なぜ八丈島や奥多摩町など、都心から離れたところを演説場所に選んだのでしょうか。
Q.いわゆる“川上作戦”と言われている件について、人口の少ない地域に知事自ら会いに行った理由は?
(東京都知事 小池百合子候補)「名称はともかくやはり重要な地域。そして丁寧にこの選挙戦を戦っていくという形で進めております」
“川上作戦”とは、まず人が少ない過疎地や山間部で有権者一人一人と接し、その支持を川の流れのように都市部に波及させるという選挙戦術です。
(織田妃美 記者)「八丈島に貼られている小池さんのポスターには『島民のために』と書かれています」
「都民のために」というキャッチフレーズを八丈島では「島民のために」と変えて、島しょ部バージョンまで用意していました。
(東京都知事 小池百合子候補)「選挙の時には早々に八丈島にお伺いをするようにいたしております。東京都知事としてお作法だというふうに思っております」

■蓮舫氏 ハチ公前に人だかり 若者政策訴え

渋谷駅前を埋めつくす、人、人、人。向かいのビルにも、スマホのカメラを構える人が見えます。そして…アカペラグループ元メンバーの立憲民主党の参議院議員によるボイスパーカッションに合わせて登場したのは…
「蓮舫さんでーす!」
22日、渋谷で蓮舫候補が訴えたのは、若者を意識した内容でした。
(前参議院議員 蓮舫候補(56))「なんで若い人が結婚しないのか?お金がないからじゃないでしょうか?将来が不安だからじゃないでしょうか?自分の3年後が見えないからじゃないでしょうか?この環境を変えることこそが国に先んじて、東京都が最優先で、私が最優先で取り組んで行きたいとお約束させていただきます」
演説終了後には…
「投票しましたから」
(前参議院議員 蓮舫候補)「ありがとうございます」
「応援しています」
演説場所選びについて、選挙戦術を担う蓮舫陣営の幹部は…
(立憲民主党 都連幹事長 手塚仁雄 衆議院議員)「一人でも多くの方々に、蓮舫さんの魅力、訴える力、それを見ていただく。人がたまりやすい場所というのが一番、選択する中では大きな要素だと思っています」
(前参議院議員 蓮舫候補)「ありがたいですね、渋谷でこれだけの方が集まってくれるのは、本当にうれしい限りです」
Q.渋谷で一番訴えたかったことは?
「特に若い人たちに直接、若い人たちが動けば絶対変わるということを、その思いを伝えたいと思いました」
Q.小池さんは初街宣、八丈島を選び、対照的な場所だと思ったが?
「どうだろう。でも来週、私も島に行きます」
23日、蓮舫候補は東京東部にある繁華街、錦糸町にいました。そこには共産党の吉良佳子参議院議員の姿も。
(前参議院議員 蓮舫候補)「文部科学委員会でずっと一緒に。愛情こめて“きらちゃん”と呼ばせていただいています。小池都知事8年間お疲れさまでした。ここから先は、蓮舫にやらせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いします」

■石丸氏は巣鴨に シニア狙い“下町作戦”

23日、石丸伸二候補が演説場所として選んだのは、「おばあちゃんの原宿」とも呼ばれる、巣鴨でした。
(前安芸高田市長 石丸伸二候補(41))「こんな経済都市にもかかわらず、経済に詳しい人、今までいなかった。石丸伸二が初の経済を知る経済人として、都知事になることを、ここに目指すと宣言します」
銀行員としてニューヨークに駐在。その後、広島県安芸高田市の市長に転身した石丸伸二候補。
「頑張って、石丸さん!」
この日は商店街をいくつも回り、きのう22日はスカイツリー前や浅草などの下町を中心に支持を訴えていました。その狙いについて選挙プランナーの藤川さんは…
(石丸陣営 藤川選挙戦略研究所 藤川晋之助 代表理事)「(自分は)130勝13敗。負けたくないですよね」
「選挙の神様」の異名を持つ藤川さんが、この週末狙うのは、シニア層だと言います。
(石丸陣営 藤川選挙戦略研究所 藤川晋之助 代表理事)「土日は、本当は銀座とか新宿、渋谷に行ったほうがいいと思うんですよ。だけど下町作戦。高齢者層にアピールをしようというところがありますね」

■田母神氏は新大久保 若者の支持拡大へ

“伝統保守”を掲げる、元航空幕僚長の田母神俊雄候補。
(元航空幕僚長 田母神俊雄候補(75))「1人目の子どもが生まれたら、現金100万円供与します。2人目生まれたら200万円です。3人目生まれたら400万円です。4人目生まれたら800万円です。5人目生まれたら1600万円です」
田母神候補の姿は、若者に人気の街、新大久保にありました。日の丸を背負い、若い女性や親子連れと次々と記念写真を撮影。
Q.選挙戦の戦い方は?
(元航空幕僚長 田母神俊雄候補)「それはね、秘密だね。他陣営にとられるとまずいから」
田母神候補が「秘密」とした選挙戦術について、自衛隊時代からの部下で、選挙スタッフの榊原さんに聞いてみると。
(田母神陣営 榊原吉典氏)「若い子に影響を与えるんだったら、ホームグラウンドばっかり回るのではなくて、アウェーも回って…」
この週末のターゲットは、やはり若者だと言います。
(田母神陣営 榊原吉典氏)「田母神を知らない、日本を知らない、日本の良さを知らない、そういう層を動かしたい」
来月7日投開票の東京都知事選には、先ほどの4人に加え、こちらの52人が立候補しています。


6月23日『サンデーステーション』より

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