政治

日曜スクープ

2025年9月21日 22:39

【自民党総裁選構図固まる】石破氏の辞任表明で“5人出馬へ”党命運かかる選択は?

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自民党総裁選の構図が鮮明になった。石破茂総理の辞任表明を受け、党総裁選挙管理委員会は9月22日に告示、10月4日に国会議員投票を行う日程を正式決定。立候補の意向を示したのは、2024年の総裁選で石破氏に敗れた5人。茂木敏充前幹事長(69)、小林鷹之元経済安保担当大臣(50)、林芳正官房長官(64)、小泉進次郎農水大臣(44)、高市早苗前経済安保担当大臣(64)。衆参両院で少数与党に転落した要因とされる「自民政治」への不信を払拭できるのか、党の命運をかけた選択が始まる。

茂木敏充前幹事長(69)、栃木5区・当選11回。旧茂木派を率い、自民党再生の旗手を自任する。掲げるのは「物価高対策」と「経済成長」である。東京大学を卒業後、米ハーバード大学ケネディ行政大学院へと進み、米戦略的コンサルティング会社「マッキンゼー」で勤務した。政界では経済産業大臣、外務大臣など主要ポストを歴任。政策立案と国際交渉に精通する実務派。

小林鷹之元経済安保担当大臣(50)、千葉2区・当選5回。世代交代を前面に掲げる若手の旗手。旧二階派出身で、「力強く成長する日本」「自らの手で守る日本」「結束する日本」をスローガンに据える。東京大学から米ハーバード大学ケネディ行政大学院を経て財務省入り。政界では内閣府特命担当大臣(科学技術・宇宙)、防衛政務官、経済安保大臣を歴任した。

林芳正官房長官(64)、山口3区・衆参計で当選7回。旧岸田派所属。掲げるのは「誰もが夢と希望と誇りを持てる日本の未来」である。東京大学から三井物産に入社。退職後は、ハーバード大学ケネディ行政大学院に入学のため渡米。政界入り後は農水、防衛、外務の各大臣を歴任。幅広い政策領域を担ってきた調整型の実務家として知られる。

小泉進次郎農水大臣(44)、神奈川11区・当選6回。米コロンビア大学大学院で政治学を修め、戦略国際問題研究所(CSIS)研究員を経て政界入りした。環境大臣、内閣府特命担当大臣(原子力防災)、自民党選対委員長を歴任。現在は農水大臣として農政改革に取り組む。

高市早苗前経済安保担当大臣(64)、奈良2区・当選10回。「日本列島を強く豊かに」と訴える。無派閥でありながら存在感を示し続ける保守政治家。神戸大学から松下政経塾を経て米連邦議会フェローを務めた。政界では総務大臣、経済安保大臣等を歴任。保守層からの厚い支持を背景に、昨年の総裁選に続き、再び挑戦の舞台に立つ。

党総裁選に臨む候補者は、それぞれの立場から独自の政策やビジョンを打ち出した。茂木敏充前幹事長は、社会保障制度の改革をはじめ、力強い外交を掲げ、経済運営に軸足を置く。2年以内に物価上昇率を上回る賃上げを実現するとともに、数兆円規模の「生活支援特別地方交付金」を創設し、地域の課題に柔軟に対応できる仕組みを構築する考え。

小林鷹之元経済安全保障担当大臣は、若者・現役世代を見据え、所得税の定率減税を期間限定で導入することを目指す。防衛費については国内総生産(GDP)比2%では「到底足りない」と主張し、さらなる拡充が必要と訴える。加えて、社会保障改革を通じて現役世代の保険料負担を軽減する考えを示した。

林芳正官房長官は、石破政権を支えてきた立場から、現政権の継承を旗印に掲げる。「石破総理を支えてきたつもりだが、退任は残念で、申し訳ない。党をリードし国の舵取りを担う決断を固めた」と表明した。また、実質賃金を1%上昇させる目標を掲げて経済政策に取り組む姿勢を示した。

小泉進次郎農林水産大臣は、20日に行われた出馬表明で、「党の結束」を最優先に掲げ、国民の不安への対応を重視する。経済政策では、2030年度までに国内投資135兆円、平均賃金100万円増を目指す方針を示した。さらに、小泉氏は「物価高を含む国民が不安に感じていることに正面から向き合い、課題を前に進めていく」と強調し、野党と向き合う考えを示した。

高市早苗前経済安全保障担当大臣は19日、記者会見を開き、出馬表明を行うとともに、「日本列島を強く豊かに。」と題した政策を明らかにした。政策によると、ガソリン暫定税率の早期廃止、年収の壁の引き上げ、給付付き税額控除の制度設計着手、スパイ防止法の制定着手などを盛り込む。

★ゲスト: 久江雅彦(共同通信特別編集委員)、林尚行(朝日新聞コンテンツ政策担当補佐役)、澤井尚子(テレビ朝日政治部与党キャップ)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)

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