夕方5時ごろに自民党本部に入った高市新総裁。その3分後に党本部入りした麻生最高顧問と、1時間ほど人事について話し合ったとみられます。その高市氏が、3度目の挑戦で総裁の椅子を勝ち取った最大の要因は何だったのか。他陣営の5人から6人を投票直前に心変わりさせたという議員を直撃しました。
■高市新総裁と麻生氏“2人きり”会談
(草薙和輝アナウンサー)「時刻は午後5時になるところです。自民党本部に高市新総裁が到着しました。このあと党の役員人事など話し合うのでしょうか。」
(自民党 高市早苗新総裁(64))「日曜なので休んでください」
きのう4日の発言を気にしているのでしょうか。
(草薙和輝アナウンサー)「そしていま麻生氏の姿も見えました。高市氏が到着して数分後ですね。自民党本部に麻生太郎氏も到着しました。」
高市氏の側近によると、決選投票で高市氏勝利の流れを作った麻生最高顧問は副総裁に、その麻生氏の義理の弟である鈴木総務会長は幹事長に起用する方向で検討しています。また、旧茂木派の木原稔元防衛大臣を官房長官などの要職で起用することも有力となっています。
約2時間後…
(草薙和輝アナウンサー)「高市氏が出てきました。麻生氏が出てから40分ほど経ったところです。」
(自民党 高市早苗新総裁)「遅くまでお疲れ様です」
Q.麻生氏とはどのような話を?
「いろいろです。皆様の方はワーク・ライフ・バランスを大事になさってください。私は今、一生懸命働いておりますけれど、きょう日曜日ですよ」
Q.党の人事はどれくらい固まりましたか?
「ぼちぼちです。」
Q.幹事長はどなたにお願いするか決まりましたか?
「まだご本人にも言っていないです。」
■高市氏“お隣議員”語る逆転の裏側
「高市早苗くん119票」
1回目の「党員票」で119票を獲得し、トップに立った高市氏。このとき「議員票」では3位に留まっていましたが…
「高市早苗くん149票」
決選投票では「議員票」でも、優勢が伝えられていた小泉氏を上回りました。なぜ高市氏は勝つことができたのでしょうか?
きょう5日、地元の催しに姿を現したのは…高市氏の推薦人のひとり、松島みどり元法務大臣です。総裁選では高市氏のすぐ隣で、結果を見守った松島氏。
(支援者)「きのうは、おめでとうございます。」
(松島みどり元法務大臣(69))「ありがとうございます、おかげさまで高市早苗さん、初の女性総理に」
(支援者)「(松島議員が)一番目立っていました」
(松島みどり元法務大臣)「ありがとうございます」
(松島みどり元法務大臣)「きのうまでは高市さんので忙しかったから。勝てたからよかったけど、これ負けてたらショックで。」
(支援者)「高市さんのところにいたの?」
(松島みどり元法務大臣)「早苗さんのチームを支えてたの」
高市氏の陣営で選挙の直前まで“票集め”を行ったという松島氏。勝利のカギは「党員票」だったと言います。
(テレビ朝日千々岩森生記者)「Q.高市さんの勝因を伺いたい」
(松島みどり元法務大臣)「党員の皆さんにあれだけの指示を得たということ。それを国会議員がくみ取ったってことじゃないでしょうか。」
1回目の投票の1時間ほど前、松島氏はかなりの党員票が高市氏に集まっていることを知ると、態度を決めかねている国会議員に対し、「党員票を判断材料にしてほしい」と働きかけたといいます。
(松島みどり元法務大臣)「まだ迷っているかもしれない人に(メールを)流して、やはりこの民意を汲み取ってほしい、ということを外部に訴えました。」
Q.何人に連絡した?
(松島みどり元法務大臣)「それは最後の7人ぐらいですよ。つまり、最後まで見極めると言っていた人、最後まで決められないと言っていた人たち。」
Q.送られた7人でどれくらい変わったと思いますか?
「7人中5人か6人は成功した」
Q.それは終わった後に連絡が来たんですか?
「その人がマスコミに答えていた。それから目配せしてくれた。好意的な眼差しをわざと送ってくれた。」
Q.そういうのは分かるものなんですか。
「それは分かりますよ。分かりますよ。私たちプロですから。」
■新総裁は「照れ屋さん」側近語る
高市氏の推薦人を務めた若林洋平参議院議員も勝因は「党員票」にあったとみています。
(テレビ朝日千々岩森生記者)「靖国参拝もはっきり明言されなかったり、そういう“らしさ”がなかったんじゃないかというところから最初始まりました。党員票がこれでどうなるかなと思っていたんです。」
(高市氏の推薦人 若林洋平参院議員)「我々はそこはそんなに思っていなかった。せっかく幅広さを高市先生だって本来持っているのに、ちょっとおっちょこちょいだしチャーミングだし、なんでみんな『怖い』とか言うのかなっていうのは、私は『照れ屋さん』から来る、それを隠すために結構こう言っているかなと。」
実際に高市氏に投票した自民党員に話を聞くことができました。
(高市氏に投票した自民党員(35))「やっぱり経済政策が私は頑張ってほしいなと思っているところで、物価も上がっていて生活も大変なので…」
都議選に立候補したことがある35歳、2人の子どもを育てるシングルマザーです。
(高市氏に投票した自民党員(35))「党員票の結果をみんな見た上で、それぞれの議員たちも自分が都道府県を代表してきている、国民の代表としてきているっていう気持ちもあるでしょうから、そういうところに従ったっていうのもあるかもしれませんね」
■高市陣営に旧安倍派の幹部集う
決選投票を前に麻生最高顧問は、党員票が1番多かった候補を支持する方針を示していました。
結局、高市氏は「議員票」でも、優勢が伝えられていた小泉氏を上回り、新総裁に選出されました。
(テレビ朝日千々岩森生記者)「萩生田議員ですね、萩生田議員が登場しました」
総裁選に勝利した高市陣営の報告会には、旧安倍派の幹部も集まっていました。
Q.今回の総裁選の勝因はどこに?
(西村康稔元経産大臣)「自民党を何とかしろ、立て直せというその党員の思いじゃないですかね。だからここで自民党を立て直すラストチャンスだと思ってやらないと。」
高市新総裁はいわゆる“裏金議員”の要職への起用について…
(自民党 高市早苗新総裁)「説明責任を果たされた、ちゃんと審判を受けて選挙区の方から送り出されてきた方。こういった方については適材適所で仕事をしていただく。そしてまた、どうしてその人を選んだのかともし聞かれたら私が説明をいたします。この方はこの分野に強いから働いていただきますと私が説明をいたします」
10月5日『有働Times』より
高市新総裁と麻生氏“2人会談”で人事は?“5〜6票もぎとり議員”語る逆転の舞台裏
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