政治

グッド!モーニング

2025年12月13日 11:07

北陸新幹線延伸の与党協議再開 維新が従来案に「待った」 8ルートを提案

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 北陸新幹線を、現在の福井県敦賀から新大阪まで、どのルートでのばすかについて、自民党と日本維新の会が12日、新たな与党としての協議を再開させました。維新は自公政権で決めたルートに反対し、8つのルートを提案しています。

■従来案“待った”8ルート議論

 12日からスタートした整備新幹線のプロジェクトチーム。

 連立政権発足後、初の与党協議で座長を務めるのは日本維新の会の前原誠司氏です。

「私や新実参議院議員は京都選挙区でございまして、特に京都の方々から反対異論というものが多々ある」

 京都が選挙区で大の鉄道好きで知られる前原氏。12日から始まった協議の焦点は、北陸新幹線が京都を通って新大阪まで延長するルートの再検討です。

 実は、京都を通るルートは、2016年の自公政権時代にすでに決まっていました。

 小浜駅と京都駅を経由するルートです。しかし、この京都を通るルートに対し、京都市議会や地元団体が、地下水や歴史建造物への影響などを懸念し、ルートの再検討を求めています。

 これを受け、現状のルートに対し、新たに座長となった前原氏が異を唱えたのです。

「京都におきましては小浜・京都ルートの中止、そして米原ルートを俎上(そじょう)にのせるということで、新たに訴えをさせていただいたところ」

 ただ、そのルートの候補は多岐にわたります。

「党としては8パターン、そして前提条件、すべて了解をいただいたので、ご報告をさせていただきます」

 もともとの小浜駅と京都駅を経由するルートに、7つのルートを増やし、8つのルートで再度議論すべきだと申し出たのです。

■施工建設費の試算 5兆3000億円

 これについて、整備新幹線に詳しい専門家は次のように話します。

青森大学 櫛引素夫教授
「維新の皆さんもあくまでも客観的にいろんなルートを公平に比較したいと。京都パスすることが前提になってないんだという意味で言うと、フラットなアプローチには見えます」

 ただ、一度決まったルートを再度検討するということは、それだけ着工までに時間がかかります。

 国土交通省が出した北陸新幹線の新ルートにかかる施工建設費の試算では、驚きの金額が出ています。2016年の試算は2兆700億円でしたが、去年の試算では物価高騰などが影響し、5兆3000億円にまで膨れ上がっています。

 さらに、費用以外にも今後、問題が出てくると専門家は指摘します。

「技術者とか工事にあたる作業してくれる人たちの行方なんです。日本は人口が減って労働力も減っている。ですから実際にトンネル工事に従事できる人は限りなく減っていく。同じクオリティーの設備を作り続けるかってあたりは、建設費そのものと同じぐらい重要な問題じゃないか」

 自民と維新は、15日にも会合を開き、本格的な議論を進めます。

(「グッド!モーニング」2025年12月13日放送分より)

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