高市早苗総理大臣が19日、23日に衆議院を解散すると表明しました。会見では与党で過半数を目標として、「進退をかける」と話しました。
■大義は?政策より選挙優先?
「解散検討」の報道が駆け巡ってから10日、総理本人の口から初めてはっきりと語られました。
「なぜ今なのか、高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく。それしかない。そのように考えたからでございます。私自身も内閣総理大臣としての進退をかけます。高市早苗に国家経営を託していただけるのか、国民の皆様に直接ご判断をいただきたい」
自身の名前を繰り返し、解散理由は連立政権の枠組みが変わったからだと説明しました。
「10年前の安倍晋三元総理大臣の言葉が思い出されます。『困難はもとより覚悟のうえです。しかし、未来は他人から与えられるものではありません。私たちが自らの手で切り開いていくものであります』今の日本にまさに必要な言葉です。だから私は今回の選挙、『自分たちで未来をつくる選挙』と名付けました。私は逃げません。ぶれません。決断します」
会見の冒頭30分間、時折笑顔も見せながら語り続けた高市総理。
記者
「今回の衆院選の獲得議席目標、勝敗ラインをどこに設定しますか?」
高市総理
「私は内閣総理大臣として、支えていただいている与党で過半数を目指します。物価高対策を含む生活の安全保障については、当面の対策を打つことができました。今順次執行中でございます。このタイミングで政策実現のためのギアをもう一段上げていくと」
記者
「多くの有権者が今回の解散は政策最優先ではなく、高市総理が選挙最優先に変わってしまったという危惧を持っている面もあると思います」
高市総理
「政策を実現したいからこそ、この長い国会が始まる前に皆様の信を問います。そして解散総選挙の実施によって一番心配されるのは来年度予算の年度内成立が困難になるんじゃないかということでございますが、これも影響を最小限にとどめるために、大変私も含む候補予定者にとっては厳しいスケジュールではございますけれども、23日解散、27日公示、2月8日の投票日ということで、速やかな総選挙の実施ということにいたしました」
■年金受給者の本音
真剣な眼差しで会見を見つめる岡田京子さん(84)。
「働いて、働いて、働いてという割には、そういう感じ受けてなかったです」
年金などを頼りに都営団地で一人暮らしをする岡田さん。
「私ら高齢者が一番困っているのは、値上げですよね。期待を裏切られた感じは受けました」
年金受給者にとってこれまでの物価高対策だけでは生活は厳しく、さらなる支援に期待を寄せていた矢先の衆院解散に不満を感じたといいます。
高市総理
「物価高に苦しんでおられる中所得、低所得の皆様の負担を減らすうえでも現在、軽減税率が適用されている飲食料品については2年間に限り消費税の対象としないこと。これは昨年10月20日に私が署名した自民党と日本維新の会の連立政権合意書に書いた政策でもあり、私自身の悲願でもありました」
物価高対策として「食料品の消費税2年間ゼロ」の実現に強い意欲を示したことについては…。
岡田さん
「消費税ゼロにすると財源とかそういう問題が出てくるんでしょうけど、私たちにしてはすごく良いことなんですけど」
■若者の受け止め
一方、若い世代は高市総理の会見をどう見たのでしょうか…。
20代会社員
「(Q.高市さんは『私が総理で良いか悪いかを決める選挙』だと)国民に対して誠実な総理だなと率直に思いました」
「行動力あるなって印象です。ズバズバ物言える人だと思います」
「『働いて、働いて、働いて』みたいなところがすごい共感できて。その言葉を直接総理から聞くことで自分たちも頑張ろうなって」
20代会社員
「なんか大きな変化がありそうで期待をしているようなところです」
「(韓国・文大統領との)ドラム外交なんかも話題になっていたりとかするので、すごく若い層にも伝わりやすい」
若い世代からは好意的な声が多かった高市総理の会見ですが、中にはこんな声もありました。
30代会社員
「高市さんが決めたことだったら良いかなとは思うが、国民のことを思っての時期なのかなっていうのは疑問」
20代会社員
「いろんな党の中で“食料品の消費税をゼロ”にするっていうコンセンサスがとれている中で解散っていうことなんで、何がしたいんだろうなっていうのは感じます」
■選挙現場 バタバタの候補者
真剣な眼差しで会見を見るのは、立憲民主党・西川将人衆院議員(57)。(モーニングショー注:西川将人衆院議員の所属は1月20日(火)正午をもって、立憲民主党から中道改革連合に変わっています)
北海道6区 立憲民主党
西川将人衆院議員
「(Q.高市総理の解散表明会見をみて)なぜ、このタイミングに解散をしなければいけないのかということに対しての大義が、話を聞いている分には私はちょっと感じられなかった」
19日午後5時ごろ。書いているのは中道改革連合の「入党届」です。
事務所の看板やポスターや駐車場に止まっている選挙カーも「立憲民主党」のまま。19日は秘書が大急ぎでポスターの修正に取り掛かっていました。
「ロゴは(届いたのが)2日くらい前ですかね」
「(Q.やっぱり結構タイトな)タイトです」
「本来だったら解散してからある程度の時間があるので、その中で色々作業が進められますけど、今回時間がない。正直大変は大変ですね」
解散による戸惑いは、自民党議員からも…。
北海道6区 自民党
東国幹衆院議員(57)
「予期せぬ解散だったものですから、確かにバタバタ感っていうのかな、とにかくやれることから回していかなければと」
北海道6区、自民党の東議員です。
「おとといの午後、出来上がって届いたんですよね」
机の上には、解散に備えて作ったばかりのポスター。
「解散ということになった後は、1人の人物のポスターじゃダメなんですよね、(公職選挙法)違反になるものですから」
早速、事務所関係者が街中のポスターを貼り替えに行きますが…。
「(Q.(雪が)ひざくらいまで)そうなんです…」
旭川市や富良野市を含む広大な面積の北海道6区。雪道の中、23市町村・およそ1600カ所のポスターを貼り替えなければいけません。
■異例の真冬選挙 候補者の戸惑い
来月8日に投開票となった衆議院選挙。
高市総理
「これまで26年間にわたり公明党の支持者の皆様には、選挙のたびに自民党に多大なるご支援をいただいてきました。今回の選挙では袂(たもと)を分かつ結果となりましたが、改めて四半世紀の長きにわたるご支援に感謝を申し上げます。同時に自民党にとっては厳しい選挙戦になることを覚悟しなければならない。自民党の同志たちは公明党の支援を受けることができない」
26年間続いた自公連立を解消して初めてとなる選挙。北海道6区でカギとなるのが「公明票」です。
前回の衆院選、自民党の東議員は公明党の推薦を受け、立憲民主党の西川議員におよそ6500票差という僅差で勝利。しかし…。
東衆議員
「前回のベースで考えれば、やはり厳しい選挙戦になると思います。これはもう否定できないですよね」
この時、東議員に入った公明票は2万3000票近くあるとみられ、これが今回の新党結成で西川議員に流れることになれば、結果は逆転します。
「引き算もあれば足し算もあると。この足し算の部分はどういう要素があるかなということを探りながら、支援を積み重ねていく。そういう戦いになるかと思います」
一方、「公明票」が入る可能性がある立憲民主党の西川議員は…。
「26年間、自民党、公明党で連立政権を組んできていますから、その辺のやはり人間関係もできているでしょうから。いきなり全部が皆さん一日で『はい、分かりました』っていうのは、人間的な感覚としては難しいのかなという気はします」
日本共産党 荻生和敏氏(76)
「私も生まれて75年こうやって雪と付き合ってきたんだけどね。除雪から始まる選挙っていうのは初めてだね。異例中の異例」
日本共産党の荻生氏。事務所前に選挙カーを置くため、雪かきから始まった「真冬の選挙戦」。今回の選挙では、支持層の拡大の可能性を感じていると話します。
「やはり戸惑いはありますね。特に立憲さんの急展開についてはね。立憲民主党を支持してきた方の中には、安保法制や原発や消費税の問題で、私たちとぴったり一致する方がたくさんいらっしゃいますので、その方々に支持を寄せていただくことはお願いしたいと」
■各党の受け止め
永田町では19日、中道改革連合は綱領と基本政策を発表。立憲民主党の野田佳彦代表は「今回の解散は『自己保身解散』だと私は思いますね」と、高市総理を批判しました。
一方、高市総理はその中道改革連合について、こう話します。
「わずか半年前の参議院選挙で戦った相手である、立憲民主党に所属しておられた方々をかつての友党(公明)が支援するということですから、この点は疑問を感じざるをえません」
解散表明を受けて連立を組んでいる日本維新の会は、こう話します。
日本維新の会 藤田文武共同代表
「非常に強い決意と覚悟。すっきりと戦いに臨む姿勢が伝わってくる。連立パートナーとして非常に心強い解散表明だったと思う」
3カ月前まで連立を組んでいた公明党からは、厳しい指摘がありました。
公明党 斉藤鉄夫代表
「政治と金の問題について今回一切言及がなかったのは、私はおかしいのではないかと思いました」
国民民主党の玉木雄一郎代表は「あえて積極財政が進まなくなるリスクを取ることは、正直疑問を感じます」と話しました。
解散の大義などを巡って、高市総理に疑問を投げかける党もあります。
日本共産党 田村智子委員長
「言いっぱなしで大上段に構えて強さをアピールして、高市早苗を信任してくれと。そういう判断ができるかどうかの論戦はどこにいったのか。全くできるゆとりもないじゃないですか」
日本保守党 百田尚樹代表
「自分を信任するのかどうか、これを一番最初に言いましたので。『そんな個人的な理由で選挙かよ』とは思いました」
社民党 福島みずほ党首
「あまりに急な解散で、『自分勝手暴走解散』です」
チームみらい 安野貴博党首のX
「消費税減税より現役世代の大きな負担となっている社会保険料負担を下げることを優先すべきだと考えています」
参政党 神谷宗幣代表のX
「総理の掲げる政策の方向性は賛同できるものが多いが、これまでの自民党政権の実績を見ると、企業団体やグローバリズムの圧力を跳ね除けて実現できるかは甚だ怪しい」
(2026年1月20日放送分より)
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