新年度予算案の審議が異例の速さで進むなか、歴代最長となる6年以上にわたり衆議院議長を務めた大島理森氏がANNの単独取材に応じ、国会で議論を尽くすことの重要性を訴えました。
大島理森元衆院議長
「国会は与党のための国会でもなければ、野党のための国会でもありません。政府のための国会でもありません。国民のためにある国会です。国会の場でしっかりとした議論をしていただくということが、日本の民主主義の根本にあるという自覚はいつなんどきでも忘れてはならない。議論の中に戦いがあるわけですよ。政党間の戦い。これがまた民主主義政治のエネルギーにもなるし、ポイントの一つにもなる。もし今までの先例を変更する、あるいは改革するというのなら、やはりそれは予算委員会全体のあり方をどう考えるか、そこまで考えていただければ良かったのではないか」
大島氏はこのように述べ、スピード審議で採決された衆議院でのプロセスについて苦言を呈しました。そのうえで…。
「内外の歴史を見て、あるいは今世界のリーダーの国柄を見ていくと、制御なき権力の存在っていうのは非常に怖いもの。強権的な政治、これはなかなか一見スカッとしますよ。だけどそれが行くと物を言っても全く届かなくなる可能性が多い。民主主義の方はいろいろ欠点があるけれど、(国民が)参加できるという意味でそういう手続きを踏む、時間のコストパフォーマンスを追い求めすぎるとポピュリズムになりやすいわけですから、説明責任が非常に重要な時代になってきているのかもしれません」
「(Q.一方で与党の国対委員長として“強行採決”と言われることも)やってきました。はい、その批判も受けまして」
「(Q.超えてはいけない一線など意識していたことは?)与党は『51%』勝てばいいと思って国対委員長やらさせていただいたつもりですが、ギリギリまでやっぱり話し合いをして。もう一つは連立相手の公明党さんとの信頼関係、これを崩してはいかんと」
「(Q.歯止めであったはずの公明党がいない状況)これは新しい政治状況なんでしょう。大事なことは国全体の政治に責任を共有しなければならないということ。一部の政策の共有じゃないんですよ。全体の責任の共有というものが大事」
また、野党側に対しても社会保障や安全保障政策の議論を充実させるためにも、野党が共闘する「政治的な技量」も必要ではないかとの考えを示しました。
高市総理より10年早く政界入りした大島氏。高市総理の政治姿勢については。
「(Q.議長の時、高市総理は議運委員長という関係。(総理の)議会への姿勢をどう見ていた)きちっとお仕事していただきました。それ以上のことはなかったと思います。橋本内閣の時に『住専国会』というのがあって、何とか住専(住専の不良債権処理に関する特措法)を通さないかん。高市総理は実は(野党側で)座り込みをされた一人であった。だからそういうつらい思いもしっかり踏まえながら『国会運営は話し合いだね』ということを実感して議運委員長を務めていただいた」
国会で議論を深めていくうえで党首討論を活用する手法もあると述べ、期待を寄せました。
イラン情勢を巡りトランプ外交と向き合う高市総理の外交姿勢を巡っては、官房副長官当時の経験を踏まえ、こう述べました
「湾岸戦争勃発しまして、イラクのフセイン大統領がクウェートに侵入して以来、大変(な状況が)ずっと続く。当時のブッシュ大統領は海部総理に、お金だけじゃなくてやれるだけ顔の見える協力を頼むと、海部総理も日本として初めてのことですから様々な議論をした。結果としてPKO(国連平和維持活動)の法律が宮沢内閣で出来上がった。国連決議というのが前提でした。国際社会として、やっぱりそういうことに対する協力体制をとっていかなければならない。日本が何ができるか、憲法あるいは自衛隊法、あるいは安倍内閣の時に作った安保法、こういう法律に基づいてですね、(高市総理は)輝く日本をつくるとおっしゃっておられる。輝く日本というのはどこに価値を見出して輝こうとされるのか、この機会に高市総理の姿を私も見たいし、国民の皆さんに希望の、それこそ光を見せて欲しい」
「充実審議は民主主義の根本」歴代最長議長務めた大島理森氏が苦言 予算審議めぐり
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