石破茂総理大臣は18日、物価高対策として打ち出した給付金について、消費減税よりはるかに効果的だと自信を見せました。しかし、給付を担当する現場からは時間や方法に不安の声も出ています。
■自治体、新たな業務が複数発生「人手不足に…」
石破総理が自信をのぞかせているのは、物価高対策として、自民党が公約に盛り込む方針の一律2万円の現金給付についてです。
「ばらまきというのは有効じゃない。本当に必要なところは何なのか、僕は本当に必要ではない」
経済界からも異論が飛び出す事態となった現金給付。野党が打ち出している“減税”より優れている点として、石破総理はこう力説します。
強調したのは、スピード感です。
では、給付はどのように行われるのでしょうか?与党で浮上しているのは、マイナンバーの活用です。自民党は、マイナンバーにひも付けた公金受取口座を使った給付を検討しています。
しかし、街からは不安の声も聞かれました。
「手続き的には簡易だから“なるほどな“とは思うけど、ひも付けしてない人も多いだろうし、僕も今後もひも付けするつもりはない」
「今マイナンバーカードを持っていない。どんどんマイナンバーに個人情報が追加されていくという怖さはある」
デジタル庁によると、マイナンバーカードの保有枚数は、日本の人口のおよそ8割にあたる9798万枚。ところが、持っている人のうち34.8%は口座をひも付けていません。
実務を担う自治体からは、負担の大きさを心配する声が出ています。
「必要な業務が多岐にわたるため、人手不足になると思います」
番組が複数の自治体に聞き取りをしたところ、新たに発生する4つの業務が見えてきました。
まずは「新たな部署の立ち上げ」です。ある自治体のマイナンバーを扱う部署では、発行や更新の業務を専門としていて、現在の部署での給付業務は難しいといいます。
また、誰が口座とひも付けているのか「洗い出す作業」や、ひも付いていない人に対する書類作成など「給付の手続き」。ひも付けの「呼びかけ業務」も新たに発生すると話す自治体もありました。
「マイナンバーの部署へ給付に関する問い合わせが増え、業務に追われると思います」
マイナンバーカードを巡っては、今年度2780万件の更新が想定されていて、そのなかで年内のスピード給付となると、自治体の負担は一層大きくなりそうです。
(「グッド!モーニング」2025年6月19日放送分より)