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今の憲法のもとでは初めてです。18日、衆議院の財務金融委員長の解任決議案が野党によって可決されました。終盤国会での駆け引きが激しくなるなか、立憲民主党の野田佳彦代表が内閣不信任の提出に踏み切るのか、判断のリミットが迫っています。
■野党結束で衆院委員長を解任
野党が、まさかの野党批判です。
れいわ新選組 高井崇志幹事長
「野党各党にも苦言を申し上げます」
「特に立憲・維新・国民の3党は選挙目当てのパフォーマンスであることは明らか、まさに茶番と言わざるを得ません」
「野党各党にも苦言を申し上げます」
「特に立憲・維新・国民の3党は選挙目当てのパフォーマンスであることは明らか、まさに茶番と言わざるを得ません」
与党ばかりか、野党からも怒号が飛んだ国会討論。一体、何があったのでしょうか?
18日にカメラが追ったのは、衆議院・財務金融委員長の自民党・井林辰憲議員です。
井林財務金融委員長
「光を浴びるとは思わなかったなあ」
「光を浴びるとは思わなかったなあ」
突如注目されたのは、今の憲法のもとでは初めて、常任委員長の解任決議案が可決されることになったからです。
立憲民主党 稲富修二議員
「ガソリン暫定税率廃止法案の審議入りすらできない以上、委員長の任にあらずと言わざるを得ない」
「ガソリン暫定税率廃止法案の審議入りすらできない以上、委員長の任にあらずと言わざるを得ない」
ガソリン税の暫定税率を来月廃止する法案の審議に、与党が応じなかったとして、野党が提出した解任決議案。
自民党 深澤陽一議員
「こんな法案が通ったら、財源はどうするのか。まさに究極のポピュリズム法案ではないか」
「こんな法案が通ったら、財源はどうするのか。まさに究極のポピュリズム法案ではないか」
野党が多数を占める衆議院。採決の結果、賛成多数で解任が決まりました。すると、井林氏はこう話しました。
井林財務金融委員長
「来月1日から暫定税率廃止という無謀な法案が、これでおそらく政治的には廃案になると思う。国民生活に貢献したということで、私は政治家冥利(みょうり)に尽きる」
「来月1日から暫定税率廃止という無謀な法案が、これでおそらく政治的には廃案になると思う。国民生活に貢献したということで、私は政治家冥利(みょうり)に尽きる」
新たな委員長は、立憲民主党から選ばれた阿久津幸彦議員に決まりましたが、会期末の22日まで残りわずか。また参議院では与党が多数を占めるため、成立する見込みはありません。
解任決議案に賛成したれいわ新選組の高井幹事長は、「野党にも問題がある」と批判しました。
「内閣不信任案を出す覚悟ありますか?そんな覚悟もなく、参院選の争点にしようという見え見えの魂胆で、法案を出す茶番そのもの」
内閣不信任案を出す覚悟がないから、委員長の解任決議案可決で選挙に向けアピールしただけという指摘です。
与党も冷ややかに見ています。
自民党幹部
「暫定税率の話は、政府与党として進めているんだから、出すべきは内閣不信任案であって、委員長の解任決議を出してもしょうがない」
「暫定税率の話は、政府与党として進めているんだから、出すべきは内閣不信任案であって、委員長の解任決議を出してもしょうがない」
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■委員長解任劇 内閣不信任案提出に影響は?
一方、今回の委員長解任劇は大きな意味を持つという指摘もあります。
政治ジャーナリスト 田崎史郎氏
「野党が結束すれば、国会の主導権を握れることを証明した。今まで自民党は、野党の分断を図ることで予算案や法案の処理を行ってきたが、最後の最後になって強硬策に出て、それが野党を結束させてしまった。そもそも審議しないというのは、議会運営上まずい。自民党のミスだ」
「野党が結束すれば、国会の主導権を握れることを証明した。今まで自民党は、野党の分断を図ることで予算案や法案の処理を行ってきたが、最後の最後になって強硬策に出て、それが野党を結束させてしまった。そもそも審議しないというのは、議会運営上まずい。自民党のミスだ」
勢いに乗った立憲民主党が、内閣不信任案の提出に踏み込む可能性については?
「内閣不信任案の提出に結びつくなど、野田代表の決断に影響を与えることはないだろう。日米の関税交渉が合意に至らず、継続することになった。野田代表は『国難が継続状態なのに、不信任案を提出することは難しい』と判断するのではないか」
(「グッド!モーニング」2025年6月19日放送分より)
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