アメリカのトランプ政権が日本に対し、防衛費の増額を要求しています。
トランプ政権が同盟各国に大幅な防衛費の増額を迫る中で、日本はどう対応するのでしょうか。
■米が新要求か 台湾有事「役割明確化を」防衛費増額も
日本周辺の安全保障です。
中国の戦闘機が、7月9日、航空自衛隊の情報収集機に複数回にわたり接近しました。一時、水平距離30メートルまで接近しました。
翌日10日にも、複数回接近しています。
日本は南西諸島の防衛力を強化しています。
7月9日に佐賀空港にオスプレイが初めて飛来しました。
オスプレイは、木更津駐屯地から8月下旬までに全17機移される予定です。
これは、中国に対する南西諸島の防衛力強化を図る『南西シフト』の一環です。
「この数年で、島の雰囲気は様変わりした。今後防衛費が大幅に増額され軍事拡大につながれば、この地域の緊張はさらに高まるかもしれない」と話しています。
台湾では、大規模軍事演習が7月9日から行われています。
中国本土からの攻撃を想定していて、武力衝突に至らない『グレーゾーン』の手法への対処を初めて盛り込むなど、より実践的な訓練となっていています。
過去最長となる10日間行われます。
台湾有事に関して、アメリカが日本、オーストラリアに新たな要求をしました。
イギリスのフィナンシャル・タイムズによると、アメリカ国防総省のコルビー次官が、日本とオーストラリアの防衛当局者に対し、台湾有事で米中が衝突した際の役割を明確にするよう要求したということです。
さらに、日本とオーストラリアに対して、防衛費の増額も要求しています。
「国防総省は、トランプ大統領のアメリカ第一主義や力による平和の実現に注力している」とSNSに投稿しています。
「紛争にオーストラリア軍を派遣するかどうかは、事前にではなく、その時の政権が決める。仮定の話は協議しない」としています。
「米国は『軍事的負担のリバランス』を図ろうとしている。中国に変な気を起こさせないために、オーストラリアやフィリピン、そして韓国との連携強化が外交安全保障で不可欠」ということです。
■日本 防衛費2%へ 不足分1兆円超は増税で?
日本の防衛費です。
「2027年度には抜本的に強化された防衛力と補完する取り組みを合わせて、GDPの2%を確保する」としました。
この為には、2027年度以降4兆円の追加財源が必要となります。
防衛費の推移です。
5兆円程度で推移していた防衛費が、2022年度以降、急激に増加し、2025年度予算では、9.9兆円にまで増えています。
追加で必要な4兆円の財源です。
3兆円分は、歳出削減や決算剰余金など1兆1000億円は増税でまかなうとしています。
増税の対象は、法人税、所得税、たばこ税で、2026年4月から法人税、たばこ税が増税されますが、所得税の増税時期は見送りとなっています。
「防衛費はリスクに備える『保険』のようなもの。とにかく削減すればいいとは言い切れないが、防衛費で国民生活が圧迫されては本末転倒」
■トランプ大統領 同盟各国に防衛費大幅増額を要求
トランプ政権は、同盟国に防衛費の大幅な増額を求めています。
韓国です。
「韓国は、ほとんど支払っていない。我々は基本的にタダで軍隊を提供している」として、2025年の在韓米軍駐留経費の約9倍(約1兆4700億円)の負担を要求しています。
「防衛費に関して、オーストラリアに可能な限り早くGDP比3.5%に引き上げるべきだ」と伝えました。
オーストラリアの現在の防衛費は、GDP比1.99%です。
「防衛費の水準は自国で決める」としています。
NATO(北大西洋条約機構)です。
「(NATOが)防衛費を増額しなければ、(有事の際)NATOを守らない」と発言していました。
こうした状況に、NATOは、加盟各国の防衛費をGDP比5%に引き上げることで合意しました。
これまでは防衛費は、GDP比2%以上が目標だったので、大幅な引き上げです。
■米「防衛費3.5%に」非公式打診 参院選後に正式要求??
トランプ政権は、日本にも非公式に防衛費増額の要求をしてきています。
これまで日本の要請を受けて、アメリカ側は、日本の防衛費について、具体的な数値目標に言及してきませんでした。
2025年3月、5月に日米防衛大臣会談が行われましたが、その場でも具体的な数値目標は、アメリカ側から出てきませんでした。
「7月に参院選を控えているので、防衛費の増額について会談で言及しないでほしい。近いうちに必ず自国の判断として、防衛力を大幅に強化する」と要請しました。
アメリカの返答は、3月、5月に続いて言及をしない「3度目はないかもしれない」というもので、日本の防衛費をGDP比3.5%に引き上げることを非公式に要求してきました。
日本は、2プラス2を開催すれば、アメリカ側が、正式にGDP比3.5%を要求してくる可能性が高いとして、日本側の要請で、2プラス2の開催は見送られました。
「防衛費については、そのような事実はない」としています。
「日本が決めるべきもので、外国から言われて『わかりました』というような話では全くない」と話しています。
「トランプ政権が参院選後に、公式に防衛費GDP比3.5%を要求してくるのは必至」ということです。
GDP比3.5%とは、どれくらいなのでしょうか。
2024年度の実績GDPは、559兆8703億円。
3.5%だと、19兆5954億円で、国家予算の約17%です。
これが、どのくらいの規模なのでしょうか。
歳出で見ると、年金に支払われるのが、13兆6916億円。
医療関連に支払われるのが、12兆4838億円。
歳入で見ると、法人税による国の収入が19兆2450億円です。
予算です。
2027年度に防衛費をGDP比2%に増額すると、約11兆円が必要です。
歳出削減などで賄えない不足分の1兆円強を増税で賄います。
GDP比3. 5%になった場合、単純計算で8兆円超が不足することになります。
■安全保障 防衛増税 参院選 各党の主張は
厳しい安全保障環境に加え、防衛費の増額も迫られている日本でどのような安全保障政策をとるのでしょうか。
参院選で掲げる、各党の公約や主張です。
▼脅威に毅然と対峙するため、防衛力を抜本的に強化
▼日米同盟を基軸に、同志国・地域との連携強化
▼専守防衛のもと、防衛力を着実に整備・強化
▼日米同盟の抑止力・対処力の一層の向上を図る
▼防衛力を抜本的に強化し、防衛増税は行わない
▼専守防衛に徹しつつ、日米同盟を深化させる
▼国民の生命と財産を守れる『積極防衛能力』を整備
▼防衛費は国民の負担増に頼らず、GDP比2%まで増額
▼『軍拡増税』を中止し、米軍への思いやり予算をなくす
▼日米軍事同盟の強化に断固反対
▼『戦争を始めさせない抑止力』の強化と『自衛のための反撃力』を保持
▼日米同盟を堅持・強化しつつ、アメリカに過度に依存し過ぎている日本の防衛体制の見直し
▼専守防衛と徹底した平和外交で、周辺諸国との信頼醸成を強化
▼5年間で43兆円の軍事費倍増計画は中止
▼あらゆる領域への侵略・攻撃から『先手』防衛し、相手国の軍事行動を抑止する
▼自立的な防衛を確立し、対等な日米同盟と国際連携を推進
▼日米地位協定の改定を早急に実現
▼『軍拡増税』は論外。軍事予算は削減し、税金は暮らしに使うべき
▼憲法9条を改正し、自衛のための実力組織保持を明記
▼防衛研究への助成促進や防衛産業への政府投資の促進
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年7月15日放送分より)


















