自民党は19日、臨時の総裁選挙の是非を判断する手続きの議論を始めた。
議員らの意思確認を記名で行うか無記名で行うかについては、結論は先送りになっている。この件について、東京都立大学准教授で政治学者の佐藤信氏は次のように述べる。
「これまでのように、総裁が『辞める』と言ってから行われる総裁選では、辞めた人は出てくることはない。ところが、今回は辞めたくない総裁に総裁選を強いるということなので、また石破氏が総裁選に出てくる可能性もある。石破氏を下せなかった場合や、そもそも総裁選が実施できなかった場合、記名式で反対したことが明らかになると、その人たちにもリスクがある。なので、無記名でできないかと主張する人たちがかなりいる」
世論は総裁選に影響するのか

朝日新聞の世論調査では、石破総理について「辞めるべき」が36%、「辞める必要はない」が54%となっている。自民党支持層では76%が「辞める必要はない」と答えている。こうした世論は総裁選に影響するのか。
「総裁選には2つの形がある。任期途中の辞任によってコンパクトに実施される場合は、国会議員票がほとんどで県連が少しずつ票を持つ形だ。(今回要望が出ている)フルスペックで実施する総裁選は、半分が国会議員票で半分が党員票。いずれの場合にしても、全員自民党員だ。この調査に出てきている自民党支持層とは違うので、これとは全然違う結果が出てくる可能性は相当ある」
にもかかわらず、なぜこうした世論が話題になっているのか。
「なぜ総裁選を行うかといえば、石破氏だと次の選挙は勝てなさそうだから。次の選挙を勝てないリーダーなら意味がない。世論調査で石破氏は辞めるべきじゃないと言っている人が多いなら、自民党のリーダーを新しくしたところで選挙で勝てるかわからないということ。なので、総裁選自体は、自民党の中の人たち、場合によっては国会議員だけを見ていればよかったわけだが、選挙で勝たなきゃいけないことを考えると、一般の人がどう考えているのかを気にしなければならない」
(『ABEMAヒルズ』より)