参院選大敗の責任を誰がとるのか。自民党が総括委員会を開くなか、若手議員も会合を開き、総裁選前倒しを求める事態となっています。
自民 参院選大敗の責任は?
「政局の秋」を迎えようとしています。
「自民党が衆議院と参議院で負けたんだろ?総裁が責任あるかないかと言われたら、あるに決まってるじゃない」
「やはり辞任をしてでも総裁選の前倒しに賛成していくと今は考えているところです」
自民党は29日、参議院選挙を検証する総括委員会を開き、敗北した要因をまとめた報告書の素案について意見を交わしました。
「(Q.素案について出席者からどんな意見が?)いろんなご意見がございましたが、それはまだ途中の話でございますので、コメントは差し控えたいと思います」
総括委員会は参議院選挙の敗北について、石破総理個人の責任について明記しない方向で調整。来月2日に成案を得て、同じ日に予定されている両院議員総会に諮って党所属の国会議員に了承を得る方針です。
今後の焦点はズバリ、総裁選挙が前倒しで行われるかどうかです。
総裁選の前倒しを求める国会議員は、必要書類に署名・捺印(なついん)し、原則本人が党本部に提出。前倒しを求める議員の名前は公表されることも決まりました。
名前が公表されることについて石破総理に近い大臣たちは…。
「当然記名で実名でサインして提出するというのが私は当然だと思います」
「現職の総理大臣に対して失格を求めるようなことはするべきではないと思います」
「記名は当たり前だ。まだ総裁の任期があるのに引きずりおろすということは重たいことだ。出すなら覚悟をもって書面を持って来いってことだ」
本来、石破政権を支えるべき政務三役、閣僚・副大臣・政務官は自民党に60人以上が在籍。実際ある現役閣僚は「記名になると自分は書けなくなる」と話しています。
前倒しの賛否について、ポスト石破に名前が挙がる小泉大臣は…。
「私もこの記者会見前倒しで終わっていいですかと言いたくなるような。一議員としてもしっかり対応を考えていきたいと思います」
政権内からも“総裁選要求”
そんななか、現役の政務三役から公然と総裁選の前倒しを求める動きが出始めました。旧岸田派の神田潤一法務政務官は現状、総裁選の前倒しを求めるとしています。
「最終的な決定が『名前を公表する』と。しかも特定の日の午前10時から午後3時までの間に本人が(書面を)持ってくるようにと決まったと聞いて、私はこれはかなり石破総裁の続投を狙う人たちが圧力をかけた可能性があるなと。今回のような手続きで総裁選挙をやらないという結論になった場合は、自民党が1つになって再生をしていくという方向性からは遠ざかってしまうのではないかと感じています」
旧茂木派の中堅・若手議員10人も会合を開き、総裁選の前倒しを求めることを確認。
「組織でやってる以上は何かしらの要因があればトップが責任をとる。衆議院でも参議院でも少数与党になってしまったと。現行の連立の体制で政治を前に進めることができるんですかと。そのことについてもそれぞれの総裁候補がしっかりと党員に対して訴えていくことが大事だと」
また、小林史明環境副大臣(旧岸田派)も必要であれば、副大臣を辞任してでも総裁選前倒しを求める意向を自身のSNSで示すなど、党内の駆け引きが激しくなっています。
「今、威勢のいいことを言っている旧岸田派の若手も、岸田さんに『賛成するな』と言われればそれまでだ。でも、石破総理も自分はなんのために続投するのか。続投するならどう自民党を良くしていくのか。それをきちんと説明しないとダメだ」
総裁選の前倒しを求める書面は、来月2日の両院議員総会後に配布。党所属の国会議員(295人)と都道府県連(47人)の過半数(172人)が集まれば前倒しが決まります。
「自分としては政務官を辞任するつもりはない。堂々と前倒し要求をするので問題があるならば罷免(ひめん)してくださいと言うつもりだ」
総裁選は前倒しされるのでしょうか?
「いまだ様子見の議員が多いため総裁選挙が前倒しされるかはかなり微妙な情勢。先に結果が分かってくる都道府県連の票が過半数を超える情勢となれば『安倍チルドレン』の副大臣や政務官による『辞任ドミノ』となる可能性があります。ただ、自民党幹部は『動きに広がりはない』として、『過半数は行かないのではないか』と話します。当初は石破おろしで動いていた閣僚経験者も、世論調査での支持率上昇を受けて『撃ち方やめにしたほうがいい』と変化しました。ただそういった石破総理を擁護する人たちすらも、やはり『選挙で負けたけじめは必要』だとしています。石破総理の続投への意思は固いとみられるため、来週火曜に敗北についての総括をまとめた後、森山幹事長らが辞任するのかどうかが焦点となっています」