自民党は29日、参議院選挙を検証する総括委員会を開きましたが、総括案はまとまりませんでした。石破内閣の中からも“総裁選の前倒し”の声が上がり、党内での隔たりが鮮明になっています。
総裁選前倒し 要求議員公表へ
参議院選敗北の要因は石破茂総理大臣にあったのか。あったとすれば、自民党の総裁選を前倒しするのかしないのか。
29日午後、自民党は参議院選挙を検証する総括委員会を開き、報告書の素案について意見を交わしました。
「敗因はさまざまな要因があるというように思いますので、なるべく網羅的に書いていきたい。まだ足らざるところがあるとこういうご指摘でありましたので、また追加的に加えていきたい」
総括委の委員長を務める森山裕幹事長はこう話しました。
執行部は敗北の責任は首相ではなく党全体にあるとして、石破総理個人の責任は強調しない方向で調整しています。
敗北の要因の一つとして選挙期間中、鶴保参議院議員の「運のいいことに能登で地震があった」という発言の影響が盛り込まれる見通しですが、石破総理同様、報告書には個人名は明示されない模様です。
総裁選の前倒しを求める声を封じる一手は、次々と打たれます。必要書類に署名・捺印(なついん)したうえで原則として本人が直接提出することとし、議員の名前も公表することになりました。
石破総理に近い大臣らは…。
「こういう厳しい状況を直面するなかで、やはり責任を果たしていきたいということで続投を表現なさっている。当然記名で実名でサインして提出するというのが、私は当然だと思う」
「現職の総理大臣に対して、失格を求めるようなことはするべきではないと思います」
“総裁選前倒し”副大臣からも
こうした抑え込みに反旗を翻すのは、中堅・若手の議員です。その中には、現職の副大臣もいます。
小林史明環境副大臣は、自身のSNSで「本当に必要があるのなら、副大臣を辞して手続きを行いたいと思います」と投稿しています。
旧茂木派の中堅・若手議員10人も会合を開き、総裁選の前倒しを求めることを確認しました。
「(Q.結論としては前倒しで一致した?)もちろんそうですよ。(総裁選前倒しに)反対する人は一人もいない」
去年、総裁選で戦った小林鷹之元経済安全保障大臣も29日に出演したテレビ番組で次のように話しました。
そんななか、渦中の石破総理は来日しているインドのモディ首相と外交日程を着々とこなしています。外交成果を上げることで存在感を見せつけることができるでしょうか。
総裁選の前倒しを求める書面は、その総会後に配布。自民党所属の国会議員(295人)と都道府県連(47人)の過半数(172人)が集まれば、前倒しが決まります。
(「グッド!モーニング」2025年8月30日放送分より)









