政治

報道ステーション

2025年9月3日 02:13

やまぬ“石破おろし” 総理 惨敗を陳謝も“当面続投”…森山氏ら党4役が辞意表明

やまぬ“石破おろし” 総理 惨敗を陳謝も“当面続投”…森山氏ら党4役が辞意表明
広告
4

自民党の両院議員総会で、森山幹事長が辞意を表明しました。

自民党 森山裕幹事長
「選挙の責任者は、幹事長である私であります。選挙結果の責任を取るべく、幹事長の職を退任させていただきたいと思います。私の進退につきましては、任命権者である石破総裁にお預け致します」
自民党 森山裕幹事長

政権発足以来、党運営や人事を一手に担い、野党各党に張りめぐらせた太いパイプを通じ、少数与党の国会運営を切り盛りしてきた森山幹事長です。

もっとも、すぐ辞めるという訳ではないようです。

自民党 森山裕幹事長
自民党 森山裕幹事長
「(Q.辞任願か、進退伺か)進退伺だと思います」
石破総理
石破総理
「『進退は、任命権者に任せる』という話でございました。私として適切に判断をするが、本当に、その労は、どんなに言葉を尽くしても足りることはないし、余人をもって代えがたい方」
辞意表明

つまり、後任もおらず、いますぐには代えられないというのが、本音のようです。
また、小野寺政調会長、鈴木総務会長、木原選対委員長も辞意を表明していますが、こちらもすぐに辞職とはならない見通しです。

広告
自らの責任

2日午後1時半から始まった自民党の両院議員総会。冒頭、石破総理は、深々と頭を下げ、自らの責任に言及しました。

石破総理
石破総理
「多くの同志を失ったこと、選挙は最終的に当然のことでありますが、総裁たる私の責任であります。そのことから逃れることは決してできません」
報告書

報告書は、石破総理の責任には踏み込まず、党全体としての責任を強調しています。

惨敗の要因

惨敗の要因として挙げたのは、政治とカネの問題や物価高対策の浸透不足などです。そのうえで、「解党的出直しに取り組むことで真の国民政党に生まれ変わる」とまとめました。

“解体的出直し”に誰が取り組むのでしょうか。

石破総理
石破総理
「地位に恋恋とするものでは、全くございません。しがみつくつもりは全くございません。わが党が、国家国民のために誠心誠意、全力で立ち向かっていく。その姿を皆さまとともに、国民にお示しをしたいと思っております。それが私の責任であり、皆さまとともにそれを果たし、そして責任から逃れることなく、しかるべきときに、きちんとした決断をするということが、私が果たすべき責務であると、深く思うものでございます」
関税、コメ問題、防衛力強化に道筋

つまりは、自分だということのようです。
関税交渉やコメをめぐる問題、防衛力の強化などにも道筋をつけると力を込めました。

石破総理
石破総理
「(Q.“しかるべき時期”の期間は)それはしかるべき時期で、確かに難しい課題ではあるけれども、一刻を争うことだと思っております」
広告
総裁選挙

総括を終えた自民党本部。
国会議員や地方組織には、“臨時の総裁選挙”の是非を問うための手続きを始めることが伝えられました。
実施を求める場合は、8日に書面を提出することが必要です。

自民党 小林鷹之元経済安保担当大臣
自民党 小林鷹之元経済安保担当大臣
「きょう中に、その書類が党職員から届けられる。署名させていただく」
自民党 中曽根康隆青年局長
自民党 中曽根康隆青年局長
「周りから引きずりおろされるような、そういったことではなく、ご自身の決断において、結果責任をとっていただきたい」
自民党 棚橋泰文衆院議員
自民党 棚橋泰文衆院議員
「前倒しを求めるなら、100万の党員でやるよりも、すべての有権者が参加できる解散総選挙を総理はなさるべきだ」
自民党 鈴木宗男参院議員
自民党 鈴木宗男参院議員
「(Q.森山氏の辞任で石破政権が揺らぐ)『はい、わかりました。おつかれさまでした』と(森山氏に)言うのであれば、屋台骨は揺らぐけど、石破さんはそう言ってませんから。(Q.任期を全うする)9月末には党役員人事がある。党役員人事やるまで、動かす必要ない」
広告

◆政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

千々岩森生記者

(Q.石破総理、事実上の“続投宣言”にとれますが、本音はどこにあるのでしょうか)

千々岩森生記者
「おっしゃる通り、続投宣言とまでは言いませんが、ちょっと近いような印象を持っています。石破総理は2日、『地位に恋々としない』『しがみつくつもりはない』と話しましたが、実は、全く同じ言葉を、石破総理の口から、私、参議院選挙の取材中、7月から聞いていました。でも、すでに続投は2カ月目に入っています。2日、初めて公の場で初めて『しがみつかない』と表明しましたが、正直、これまで取材をしてきた立場からしますと、果たして本音なのかどうかと、正直、思ってはしまいます。総理の掲げた課題の多くは”年単位”のもの、複数の側近が取材に対し、『総理は辞めるつもりはないんじゃないか』という分析を示しています。
千々岩森生記者

(Q.政権運営の要といえる森山幹事長は、選挙の責任をとって石破さんに進退を預ける形になりました。総理は森山幹事長の扱い、どうするのでしょうか)

千々岩森生記者
「石破総理は『余人を持って代えがたい』と高く評価しています。一方で、森山幹事長自身は、記者から『もし石破総理に慰留されたらどうするか』と聞かれて『憶測の質問には答えない』と、続投を否定しませんでした。ある政権幹部は、『執行部の辞任ドミノか』と聞かれて、あくまで『進退伺ドミノであって、辞任ドミノではない』と苦笑いでした。あくまで人事を“預かる”だけで、しばらくは辞めないとの見方です」
千々岩森生記者

(Q.石破総理も辞めない、森山さんも辞めないとなると、総裁選前倒しをめぐる動き、これで収まるのでしょうか)

千々岩森生記者
「まさに、石破総理の狙いは“沈静化”でした。実際に、総理の続投に納得した議員もいました。前倒しを求める閣僚経験者は『沈静化は全くない』と強気です。溜飲を下げる議員が多いのか、むしろ火に油を注いだのか。8日に向けて、本当の意味で号砲が鳴ったということなのだと思います」
広告