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2025年9月9日 17:24

新米高騰…6000円超も 石破総理辞任でコメ農政の行方は 「ポスト石破」レース本格化

新米高騰…6000円超も 石破総理辞任でコメ農政の行方は 「ポスト石破」レース本格化
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 コメ価格の値上がりを受けて増産路線にかじを切った石破政権だったが、石破茂総理大臣の退陣によってコメ農家から農政改革の行方を心配する声も出てきている。

農家懸念「コメ離れ」

コメ農家 多田正吾さん
「良いコメですよ、みずみずしくて。収穫量は平年並み7000俵」

 千葉県でコメ作りをして33年の多田さん。去年は8割を飼料米、2割を主食米として作っていたが、今年はすべて主食米に変更した。

今年はすべて主食米に変更
今年はすべて主食米に変更

 コメはJAに出荷していて、新米のコシヒカリの今年の買い取り価格は60キロ3万3000円だったという。

多田さん
「いつも(例年)は1万3000円。去年は2万円。農家としてはこんなうれしいことはない。消費者の立場になれば高い。あまり高いとコメ離れが本当に起こる」

 農林水産省が発表したスーパーで販売されたコメの平均価格は、前週より115円高い3891円。コメの販売店では…。

「ちょうど4000円上がっている」
「ちょうど4000円上がっている」
株式会社スズノブ 西島豊造代表取締役
「茨城のあきたこまちは、去年5キロ2400円で売っている。それが今回6400円。ちょうど4000円上がっている」

 今年は天候不良の地域が多かったものの、新米の品質は去年と変わらないという。しかし、価格は去年の2.5倍に。これからも価格が高騰し続ければ死活問題だと訴える。

株式会社スズノブ 西島豊造代表取締役
株式会社スズノブ 西島豊造代表取締役
西島代表取締役
「消費者もいないってなって廃業しようかと悩んでいる店が出てきた。一番悪い時に来たかなって感じ」

玉川氏に語った「農政改革」「自民像」

 5日、コメの輸出拡大イベントに出席していた小泉進次郎農林水産大臣(44)は、コメの価格についてこう話した。

小泉進次郎農林水産大臣(44)
小泉進次郎農林水産大臣(44)
「(去年の段階では)農水省は新米が出てきたら安くなるのではないか。こういったことを言っていたが、それもやはり見込みは違いました。そして今回概算金も高止まりをしているなかで新米が上がって、今年もずっと高いのではないかという声が一部ありますが、そこはぜひ冷静になってもらいたいと思います」

 コメを適正な価格で流通させるために掲げた増産への転換。しかし、「農政改革」を前に石破総理は辞任を表明した。

 「ポスト石破」として名前が上がる一人が小泉農水大臣だ。

 「ポスト石破」として名前が上がる一人
 「ポスト石破」として名前が上がる一人
「石破総理が総理として、官邸あげてのバックアップがなければ、ここまで農政改革を推し進めることはできませんでした」

 総裁選の出馬について問われるとこう答えた。

「とにかく党の分裂が修復するように一致結束に対して自分が何ができるのか、これを考えて今後判断をしたいと思います」
コメ農家 多田正吾さん
コメ農家 多田正吾さん
多田さん
「農林(水産)大臣になったばかりだから、コメの価格を安定させて若者も農業をやってみたいという形を作って、道筋を作って、総理になっても遅くない。あしたどうなんのかなという心配のほうが多い」

 小泉農水大臣は先月15日、玉川徹氏の取材で今後目指したい「自民党像」について語っていた。

今後目指したい「自民党像」について
今後目指したい「自民党像」について
「世論調査を見ても、コメの増産についてあなたはどう思いますか?といったら、生産調整はやめるべきだ、そして増産の方向へいくべきだという世論は大勢なんですよ。私は、これはある意味自民党に求められていることと、いくつか重なる部分があるなと思っていて。世の中の声に耳を傾けて国民と共に前に進む。こういうものを自民党にみたいって思ってると思うんですよね。自民党は基本的にビジネスモデルはBtoBなんですよ、今まで。対組織、対団体、対業界、これがBtoBですよ。それを見直さなければいけない時代が来てて」
「自民党のビジネスモデルの転換の一つ」
「自民党のビジネスモデルの転換の一つ」
「(Q.BtoCに?)BtoCに。この増産はある意味、自民党のビジネスモデルの転換の一つなんですよ。私はそう捉えています」
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「ポスト石破」出馬表明

 石破総理の辞任によって行われる自民党の総裁選。8日、先陣を切って総裁選立候補に名乗りを上げたのが、茂木敏充前幹事長(69)だ。

茂木敏充前幹事長(69)
茂木敏充前幹事長(69)
「今回の自民党総裁選に出馬をする。これまで党や政府でさまざまな経験をさせていただいた私のすべてをこの国に捧げたい」

 強い意気込みで出馬について語るなか、繰り返し出てきたのが…。

自民党の「少数与党からの脱却」が課題
自民党の「少数与党からの脱却」が課題
「今、少数与党の状態でなかなか政策を前に進めるのが困難な状況。自分としてこの少数与党という状況のなかで何ができるのか。何にしても、少数与党のままでは政策も日本も前に進めることができません。今後の在り方、この少数与党から脱却していく」

 自民党の「少数与党からの脱却」が課題とし、国民から期待をされる新しい自民党を目指すと語った。

 政権No.2の立場である林芳正官房長官(64)はこう話した。

林芳正官房長官(64)
林芳正官房長官(64)
「政府としても昨日石破総理がお示しされたお考えを踏まえ、引き続きさまざまな政策課題への対応に真摯に取り組んでまいりたい」

 8日の会見では明言を避けたが、総裁選出馬の意向を周囲に伝えたという。

 そして、世論調査で次の総裁にふさわしい人物として、小泉農水大臣の次に名前が上がるのが、高市早苗前経済安保担当大臣(64)だ。

 今年7月、参院選の期間中総裁選への意欲ともとれる発言があった。

高市早苗前経済安保担当大臣(64)
高市早苗前経済安保担当大臣(64)
「この選挙が終わったら、自民党に一本背骨をドンと入れ直す」

 今回の総裁選では、小林鷹之元経済安保担当大臣も含めた5人が「ポスト石破」として取りざたされている。

5人が「ポスト石破」として取りざたされている
5人が「ポスト石破」として取りざたされている
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総裁まんじゅう「ポスト石破」の味は?

 「ポスト石破」への動きが活発化するなか、頭を悩ます人もいる。

 政治家をモチーフにした菓子を次々と生み出し、ヒット商品を作ってきた都内の菓子店「大藤」。石破総裁誕生時には、出身地の鳥取県の名産にちなんだ梨のまんじゅうなどを販売してきた。

石破総理の出身地にちなんだ梨のまんじゅう
石破総理の出身地にちなんだ梨のまんじゅう
大藤 大久保智文社長
「まさかこんな早いタイミングで辞められるという発表が行われるとは思っていなかった。新しい総裁が決まった時点で、石破さんのシリーズの商品というのは徐々に徐々に終売」

 去年の総裁選では、過去最多の9人が立候補。その時に作ったのが「黒糖まんじゅう」。こだわりは自民党の総裁選のポスターのキャッチコピー「THE MATCH」のデザインをモチーフにした「総裁選 THE MANJU」。限定販売した3000個が即完売した。

「総裁選 THE MANJU」
「総裁選 THE MANJU」

 候補者に合わせ、それぞれの菓子のイメージも考えていたという。

「レモンとの相性はいいかなと」
「レモンとの相性はいいかなと」
「小泉さんの見た目といいますか、雰囲気が非常にさわやかなイメージ。レモンとの相性はいいかなと」
「河野さんは変わり種としてドリアンのまんじゅう」
「河野さんは変わり種としてドリアンのまんじゅう」
「河野さんは変わり種としてドリアンのまんじゅうというのを非常に口の中にドリアンの風味が残るような、非常に忘れられない味ですね」(※河野太郎氏は日本ドリアン普及協会名誉会長)

 今回の総裁選では、「ポスト石破」として去年も出馬した5人に注目が集まっているが…。

大藤 大久保智文社長
大藤 大久保智文社長
「昨年(の総裁選で)考えたストックはございますので、それをそのまま使うか、最終的に新総裁に決まるまでの間にまた別の案が出れば、それを考えて商品化したいと思っています。こだわりにこだわって作った商品なものですから、長く売れた方が我々としてもありがたいです」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月9日放送分より)

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