政治

ABEMA NEWS

2025年9月10日 11:01

石破総理は“ネットリ辞任” 神庭亮介氏「最後まで石破さんらしさは見えなかった」 総裁選のポイントは“タッグマッチ”

石破総理は“ネットリ辞任” 神庭亮介氏「最後まで石破さんらしさは見えなかった」 総裁選のポイントは“タッグマッチ”
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 石破総理の辞任表明から総裁選がどのように実施されるのか、ポスト石破はどうなるのかなど、様々な注目を集めている。

【映像】トランプ大統領と握手する石破総理

 ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーターでダイヤモンド・ライフ編集長の神庭亮介氏は、石破総理の辞任に「やっとかという印象が強い」という。

「7月に参院選で大敗したが、なかなか辞めない。石破さんは喋り方がネットリしているが、辞め際もネットリ。“ネットリ辞任”だった」(神庭亮介氏、以下同)

 10月1日で石破政権発足から1年。神庭氏は次のように総評する。

「功罪どちらもあるが、最後まで石破さんらしさは見えなかった。功罪の『罪』で言うと、高額療養費制度をめぐる混乱をはじめ、103万円の壁の引き上げをブロックしたり、バラマキ給付金をぶち上げたり、といった点が挙げられる。一方、日米関税交渉に関しては、赤沢さんとともに粘り腰のネットリ交渉で関税率を抑えた。そこは非常に大きな成果。官僚に頼らず、自分の言葉で国会答弁する姿勢も評価できる」

 後任を選ぶための自民党総裁選が開かれるが、10月4日に投開票を行う方向で最終調整に入り、全国の党員投票も含むフルスペック型に決まった。調整中の日付通りに実施されると1カ月弱ほど政治空白が生まれる。この空白期間を神庭氏は「ちょっと長い」と話す。

「石破政権を映画で例えたら、本編は1時間しかないのに、最後のエンドロールだけ15分、20分やっているような感じ。いつ終わるかわからない。それを延々と1カ月間以上見せられた後で、今度は新しい映画の本編ではなく予告編を延々と1カ月流すのかと思うと、見ていられない。政治空白そのものだ。必ずしもフルスペック型でやる必要はなく、スピードを優先して国会議員と都道府県連だけで選ぶ簡易型で進める手もあったのではないか」

次期総裁の動きも活発に

注目は“タッグマッチ”

 そして、後任の次期総裁についての動きも活発化している。ポスト石破は、高市早苗前経済安保大臣、小泉進次郎農水大臣、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保大臣、茂木敏充前幹事長の5人を中心に展開していくとみられているが、神庭氏は「高市氏と小泉氏の一騎打ちになるとの見方が強まっている」と述べる。

「高市さんは右派的、タカ派的な主張がネット上ですごく受けている。党員人気も非常にあるので、党員投票ありのフルスペック型になったことは、高市さんにとっては有利に働く。小泉さんはどちらかというと国会議員票に強いので、簡易型の方が良かったのかもしれない。Xなどでは脇の甘い投稿も目立ち、論戦が長期化するとボロが出やすくなるリスクもある」

 今回、「野党との相性」も総裁選のポイントになる。

「高市さんや小泉さんが候補者単体で戦うシングルマッチではなくて、タッグマッチになっていくだろう。自民・公明だけでは過半数を確保できない。直接目の前にいるわけではないが、連立の枠組みをどうするか、どことタッグを組むかが問われている。たとえば、小泉さんなら、お父さん譲りの構造改革・規制緩和路線の人なので、日本維新の会とは政策的に親和性が高そうだ。後ろ盾である菅元総理も、維新との間に太いパイプがある」

「高市さんで気掛かりなのが、公明党の斉藤代表が『保守中道路線の私たちの理念に合った方でなければ、連立政権を組むわけにはいかない』と発言していること。タカ派色の強い高市さんと、平和の党を自任する公明党でどこまで波長が合うのか、がっちりとタッグを組んでいけるのかは未知数だ。高市さんの主義主張的には参政党が合いそうだが、参政党は参院選で躍進したものの、衆院ではまだ3議席しか持っていない。足し合わせても過半数をキープできないという問題がある」

 では、神庭氏は今回の総裁選に向けてどんなことに期待していくのか。

「石破さんは党内に分断を生まないために辞任を決断したようだが、そもそも分断はそんなに悪いことなのか。自民党は右から左まで、考え方が全然違う人たちが集まっている。これまでは自民党の総裁が変わって『疑似政権交代』を果たすことで、長く政権にとどまり続けてきた。だが、その仕組みも制度疲労を起こしている」

「参院選では、2大政党制から多党制へ向かう方向性が示された。高齢者に優しい『シルバー自民党』と現役世代を応援する『現役自民党』という軸でもいいし、『積極財政自民党』と『緊縮財政自民党』という切り口でもいい。むしろ政策ごとにしっかり分かれてくれた方が、有権者としても票を投じやすい。似た政策の野党と連携しながら政界再編していくことで、政治の世界にもダイナミズムが生まれるのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

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