石破茂総理大臣の後任を選ぶ総裁選挙について、自民党は9月22日告示・10月4日投開票と正式に決定します。政治の空白が長引くことで、物価高対策のさらなる遅れが懸念されています。話を聞くと、生活の苦しさや将来への不安を訴える声が多く聞かれました。
物価高対策いつやるの?
夕食の買い物客でにぎわう東京・蒲田の商店街。買い物に来た女性に話を聞きました。
家計のため少しでも安い商品を買うべく走り回るという女性。石破総理が辞任すると表明したことについてこう話します。
70代女性は年金暮らしで、節約を心がけています。
「(Q.本当は新米がいい?)もちろんそうですよ。でもだって、そんなことしたら年金暮らしだから食べていかれない」
「(Q.節約してたりしますか?)お水を大切にする。(洗濯機を)全自動じゃなくて2槽式にする。2槽式の洗濯機だとお水を自分で加減できるし、洗うものもちょこっとずつ」
スーパーにあえて夕方以降に行って、割引品を買う工夫などをしている70代女性もいました。自民党が参院選で公約に掲げた一律2万円の給付金に期待していましたが、石破総理の辞任で実施がいつになるのかと不信感を募らせます。
ガソリン減税どこへ?
“置いてけぼり”の懸念がある物価高対策は、給付金だけではありません。
「(ガソリンが)元々130円とかでしょ。全然違うからね、今ね」
ガソリン1リットルあたり25.1円の暫定税率の廃止を巡り、与野党の協議も新政権が発足するまで停滞する可能性もあります。
「(Q.年齢は?)56歳です。きのう誕生日。家買ったばっかだもん」
「(Q.おうちのローンも?)ローンも(残っている)。定年(退職)なんかできないよね。ずっと働かないと」
3人の孫がいる介護タクシードライバーの60代女性はこう話します。
「6人家族なんでおコメが大変なんです。安くならなくて。前はね、(孫に)何でも買ってあげられていたんですけど、今はもう買ってあげられなくなっちゃった。可哀想な思いさせています」
「国民置いてけぼり」
政治が打開策を示せないなか、ガソリン代は高止まりしています。
「結局、家族経営だから僕とか妻はもう、ずーっと固定の給与で。足りなければ、僕の貯金から運転資金に回してっていうのは、もうこの10年ぐらい繰り返している状態です」
こう窮状を訴えるのは、東京・品川区でクリーニング店を営む小林さんです。
「月で大体1500キロくらい。(配達で)車利用させてもらっているので。ガソリンが大体月に2回ないし3回、軽自動車だと給油していますね」
値上がりしているのは、ガソリン代だけではありません。
経営上の我慢の限界を超え、今年の1月に一律5%から10%の値上げをしたといいます。
「(政治は)ガソリンの減税だ、なんだって言ってきれいごとは言うんだけど、選挙終わりましたって言うと、椅子取り合戦みたいな感じで、国民がちょっと置いてけぼりになっているのかな」
石破総理の約束どうなる?
一方、「ポスト石破」を決める総裁選は党員投票を含んだいわゆる「フルスペック型」とし、来月4日に投開票が行われることが決定しました。(正式決定は10日の総務会)
石破総理の発言で期待を膨らませていた人たちは、政治の空白が長引くことに困惑を隠せません。
「ここは介護施設の認知症のグループホームになっていて」
神奈川県厚木市内で、4つの介護施設を運営している山崎さんです。
上がらない給与と人材確保の問題に頭を抱える介護業界。石破総理が重視した処遇改善に期待が膨らんでいたが、政治の停滞が影を落とすことになっています。
「ケアマネージャーになった時に、処遇改善金がつかなくなってしまう。あとは夜勤手当がなくなってしまうとなると、キャリアアップだけど、給与はダウンみたいなのは、この業界よくある形なのかなと思いますね」
「ケアマネージャー」とは、要介護者や要支援者の相談を受け、ケアプランの作成などを行う専門員のことです。
「利用者」と「介護事業所」をつなぐ橋渡し役的な存在でやりがいもあり、ケアマネージャーを目指す人も多いといいますが、夜勤手当がなくなったり処遇改善加算の対象にならなかったりするケースもあり、介護職のキャリアに比べると給与が下がってしまうこともあります。
「給料が下がると、ケアマネージャーをやるモチベーションがそんなに上がらないかもしれない」
2年後にケアマネージャーを目指しているという介護福祉士の山崎さん。やりがいをとるか給与をとるか、狭間で揺れています。
「介護の方に力を入れていただけるっていうのは、同じくやって継いでいただいて、実際に(給与を)上げていただくっていうところを、時間はきっとかかると思うので、それを着実にやっていただける方に、総理になっていただきたい」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月10日放送分より)