自民党総裁選で有力候補と目されるのが高市早苗前経済安保担当大臣(64)です。髪型に込めたその思いを取材しました。
候補者3連休の動きは?
13日に地元に戻り、支援者に自民党総裁選挙に出馬する意向を伝えた小泉進次郎農水大臣(44)。その陣営の選対本部長に、前回の総裁選に出馬した加藤勝信財務大臣が就任する方向で最終調整していることが分かりました。
加藤財務大臣は、「党がまとまらないといけないなかで、とがった政策を言う必要はない」と周囲に話していて、小泉氏が前回の総裁選で打ち出した選択的夫婦別姓の導入については「考えを変えてほしい」と釘を刺しているということです。
「ご苦労様…そろそろ刈りごろ?」
この3連休、栃木に戻って支援者などと交流。地元での人気ぶりをアピールしている茂木前幹事長。
「総理大臣じゃなくて総理大臣候補」
澤井尚子記者
「去年総裁選に出馬する際、『タフ・ネゴシエーター』などこわもての印象がある茂木さんが『意外と料理ができる』『意外とスケジュール管理は苦手』などチャーミングさをアピールするのに使っていたのが、『意外と としみつ』です。ただ、永田町では、現職の幹事長の立場で出馬したことに、『やっぱり光秀』などと揶揄(やゆ)されたりもしました」
「今回今のところ使っていませんが、陣営の1人は『意外ととしみつ』『今こそとしみつ』『やっぱりとしみつ』と3段構えでの展開も考えているようです」
メディアへの露出度を高めている茂木氏に対し、表舞台にほとんど姿を見せていないのが、高市前経済安保担当大臣です。
「私は去年も今年も全国遊説を続けましたけれども、どこの県でも石破総裁のポスターを1枚も私は拝見しなかった。異常なことですよね」
“さなえカット”誕生秘話
その高市氏と言えば、耳を出したショートカットがおなじみですが、32年前、無所属で初当選した頃は、セミロング。
「今国会の意義は、政界再編成の第一波から第二波に移る。本物の仲間探しということに尽きるんじゃないでしょうか」
その高市氏にショートカットヘアを提案したのが、地元の奈良で美容室を経営する新井幸寿さんです。
「一番奥の席が、高市さんが座られている席」
高市氏が政治家を志した頃、およそ30年ほど前から付き合いがある新井さん。参考にしたのが、女優・山咲千里さんのヘアスタイルでした。
「山咲千里さんのイメージが頭をよぎりまして。お顔の雰囲気が当時は似ていたので、そういうのを加味しながらショートカットを作ろうと。私の中ではさなえカット」
名付けて「さなえカット」。
高市早苗という政治家をヘアスタイルで表現する工夫が込められていました。
「政治家という立場で相手をしっかり見つめると。目は隠さない方がいい。耳をしっかり出して人の話をよく聞く。私の意見もちゃんと言うのが髪の毛にも反映されていると思う」
さなえカットの原型を手掛けた新井さん。現在まで、そのヘアスタイルは受け継がれています。
告示まで1週間 「本命」は誰?
すでに動き始めた自民党の総裁選挙。1週間後の22日に告示、来月4日に投開票。党員・党友も投票に参加します。
「今回の総裁選は立憲・野田代表が『敗者復活戦』と揶揄したように、去年の総裁選と同じ顔触れで、5人で争う構図が固まってきました。5人で票が分散するので、1回目の投票で誰か1人が過半数を取るのは難しそうな情勢です」
「上位2人での決選投票に誰が進みそうかというと、現時点では、党員人気が高い高市さんと、議員票を広げている小泉さんが優勢と見ています。決選投票では、国会議員票の比重が大きく、小泉さんが現時点での本命候補といえます」
「一方、対抗の高市さんは、党員票で過半数をおさえるなど他の候補を圧倒すれば、決選での国会議員の投票にも影響する可能性があります。実は去年の総裁選も、告示日前後の永田町で予想を聞くと、小泉さんを本命と見ている人が多かったのですが、序盤の論戦や政策の打ち出し方で失速し、決選に残れませんでした。今回12日間の論戦で、小泉さんや高市さんに何かあった場合、大穴となるのは林さんとみられます」
これまで官房長官の職務に徹してきた林芳正氏は、16日に本人の口から出馬の意向を表明します。
「『林さんは選挙の顔にならない』と心配する声もありますが、今回の総裁任期は2年間で、衆議院の任期はまだ3年あるため、大きなマイナス要素とはならなそうです」