自民党総裁選挙をめぐり、5人が争う構図が固まってきた。しかしその顔ぶれについて、日本大学危機管理学部教授/東工大特任教授の西田亮介氏は「何の刷新感もない」と述べる。
「そもそも自民党が一つにまとまるかどうかや、自民党の総裁選に関心が集まるかどうかは、自民党員でもない多くの国民にとってはどうでも良いことだ。誰が国民の利益にかなう政策を打つのかは改めて考えたい」(西田亮介氏、以下同)
今回の総裁選の展開については「前回、石破総理の得た得票が今回どこに行くのかが重要だ」と語る。
「石破政権はなぜか退陣を表明してから、あるいは政権末期に近づいてからも評価が高い。一方、自民党の政党支持率はあまり芳しくない状況だ。(石破氏は)自民党内で人気がないと言われがちだが、(前回の総裁選では)高市氏に次ぐ党員票を集めている。それがどこに行くのかが、今回の総裁選の行方を大きく左右すると言っても良いだろう」
「みんなが関心を持ちもっと面白く見るには、林氏支持を石破氏が打ち出すことだと思う。例えば官房長官と総理が入れ替わるのはどうだろうか。野党との関係をうまく構築し政権運営をしたことがあるという意味では、今の政権が一番有利だ。少数与党状態が衆議院でも参議院でも生じるのは起きたことがなくほとんどの政治家に経験がない。しかし石破政権はそこをやりくりしながら通常国会を乗り切り、アメリカとの関税交渉も良い感じにまとめた。さらに政権を超えて官房長官を担当している林氏の安定感は群を抜いている」
「これらの話は思考実験のようなものだが、とはいえ、そうでもないと前回の総裁選と顔ぶれも変わらず、主要候補は出そろっていて見どころは乏しい。自民党の中の内的論理だけで進められている総裁選だと言わざるを得ない」
(『ABEMAヒルズ』より)