投開票を10月4日に控える自民党総裁選。茂木敏充前幹事長、小泉進次郎農水大臣、小林鷹之元経済安保担当大臣、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保担当大臣が出馬を表明した。
そんな中で小林氏は、所得税の減税、AIや宇宙開発分野への投資、外資による土地買収の制限を含む外国人政策の厳格化などを政策の柱とし、「鍵となるのは、若い力。自民党にも世代交代が必要」だと強調している。
小林氏は1974年生まれの50歳。出馬を表明している候補者の中では、44歳の小泉進次郎農水大臣とともに、「若手」とされている。総裁選では、ほかの候補者との違いをどう打ち出していくのか。『ABEMA Prime』では、2回目の挑戦となる小林氏に話を聞いた。
■小林氏に聞く“10の質問”

東大法学部卒から大蔵省、ハーバード大留学、財務省という経歴を持つ小林氏。2012年、衆院議員初選(現在5期目)を果たし、2021年には経済安全保障担大臣(岸田政権)、2024年に総裁選に立候補するも9人中5位という結果となった。趣味はマラソンと神輿を担ぐことで、私生活では中学3年生の娘を持つ父親でもある。そんな小林氏に10の質問を聞いてみた。
Q1.現在50歳!政治の世界では若手?それとも中堅?
今の国会議員の平均が56〜57歳なので、ギリギリ若手。
Q2.青春時代にどっぷりはまったアイドルは?
最初に覚えた曲はのりピーの『夢冒険』。
Q3.娘さんは中学3年生。思春期だけに気を遣う?
めちゃめちゃ気を遣う。最近ちょっと話してくれなくなった。
Q4.奥さんとは12年半交際して結婚!決断の決め手は?
ワシントンに赴任することが決まったときに思い切った。腹をくくった。
Q5.盆踊りに神輿が大好き! 政治家に「祭り」は必要?
政治家に必要かはわからないが、私は大好きだ。神様を祭るということ。いろんな職種の方たちが、子供たちの思い出作りのために、みんな時間を使って準備する。日本の伝統行事だと思う。
Q6.そもそも「コバホーク」ってあだ名、気に入っている?
「だせえ」と言われるけど、ダサくても広がってきているのでありがたい。
Q7.最近、「オラの本気」を出した場面は?
この間の参議院選挙。この応援はおそらく自民党の中では移動距離、時間、使ったエネルギーはかなり突出していたと思う。
Q8.総理大臣の報酬「4000万円」 高い?低い?
大変な仕事だと思うけど、トランプ大統領1期目のときには1ドルだったから、国のトップの仕事ってそういうもんだと思う。
Q9.約1年の石破政権…総理は何点?
これは歴史が評価すると思う。ただ、石破政権の中で、私が去年の総裁選で主張していた政策を取り入れてくれてるところがあるから、ありがたい。
Q10.総理としてより大事なのは…実務能力?国民人気?
両方あるに越したことはないが、絶対的に実務能力。
■石破総理からのエール
小林氏は、石破政権に対して厳しい発言もしていたが、「個々の政治家を批判するとかではなく、政策は国のためにやってるものなので、自分が違うと思えば違うと言うし、正しいと思えばしっかり押していく。その判断はシンプルだ。確かに(石破政権の)政策の方向性が合致しないことは全くないとは言えなかった」と振り返る。
石破総理と会話する機会はあったのか。小林氏は「出馬表明する直前にご挨拶をした」といい、そこでの会話について、「詳しくは申し上げられないが、総理として、この1年間どういう思いで、どういう責任を担いながらやってこられたのか、この一節をお話いただいた。また、総裁選に出るのであれば、『自分の信念に基づいて、思い切ってやりなさい』とエールをいただいた」と明かした。
■「新しい世代が前に出てやっていくべき」
小林氏が訴える世代交代について、「党は1つにならなきゃいけないと誰もが思っている。今は本当に危機的な状況で、ちょっとグラグラしてる。ただ、それを誰が前面に出て引っ張っていくかは世代交代、新しい世代が前に出てやっていくべきだと思う。当然、経験と知恵のある先輩の力も貸していただきながら走っていくが、年功序列や当選回数が永田町には色濃く残ってるような気がする。そんなことを気にしてるほど、日本に残された時間なんて私はないと思ってるので、とにかく今回の総裁選はぶつかっていく」と主張する。
総裁になった際には若手議員を登用していく考えなのか。「それは適材適所で、経験が絶対必要なとこはあると思う。逆に言うと、今まで当選回数や形式的な基準で、本来当選1期や2期でも閣僚できるような人材は自民党にはたくさんいると思ってる。そういう人たちが、例えば大臣政務官、次副大臣をやり、その後は大臣っていう、これまでの人材育成システムとしては機能してたかもしれないけれども、今のこの国際情勢の状況の中で、私はもっと若い人たちを前面に出すチャンスを与える。結果が出なかったら仕方ないが、そこでもっと伸びていく人はいると思う」。
世代交代する上で、可視化させていく必要性については、「大賛成だ。出馬会見のときに申し上げたが、私がリーダーになって自民党の組織を変え、もっとスピード感あってオープンで、そして発信力のある組織に変えたい。全ての政策決定の場をオープンにすべきだとは思わないが、自民党は密室で重鎮が集まって勝手に決める政党じゃない」と述べた。
■「2050年の日本を意識して政治をやらなきゃいけない」
若手と呼ばれることについては、「ギリギリくらいの年齢という感覚だ。政治家は先を見ないといけないので、私は2050年の日本を意識しながら政治をやらなきゃいけないと思っている。そのときはちょうど75〜76歳で、ギリギリ責任が持てる年齢だ」。
また、「経験は重要だけど、経験に囚われすぎたら物事が見えなくなる。そういう意味では、より柔軟な発想ができる若い世代がもう少し政権の中に入り、いろんな視点から国政に光を当てていくことは重要だと思う」と語る。
さらに、「永田町の既成概念に囚われないで、シンプルに物事を見る。永田町だけではなくて、どの組織であっても同じだ。人は1つの企業にいたら当たり前に思っちゃうことが多分あると思う。ただそこは常に意識してないといけない。そういう意味で、正しい新陳代謝をもう少しやっていかないといけない」とした。
(『ABEMA Prime』より)