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2025年9月24日 03:45

【報ステ全文】なぜ自民党は“嫌われた”のか…総裁選5候補に聞く“党再生の道”

【報ステ全文】なぜ自民党は“嫌われた”のか…総裁選5候補に聞く“党再生の道”
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自民党総裁の椅子を目指す5人のレースがスタートしました。選挙で相次いで敗れ、石破総理大臣が退陣に追い込まれるなか、崖っぷちとも言える自民党が踏みとどまるためには何が必要なのか。5人の候補者に集まっていただき議論を進めていきます。

なぜ自民党は“嫌われた”のか

《大越健介キャスター》
石破さんが1年で退陣ということになりました。逆に言うと、自民党はせっかく選んだ石破さんという総理の人材を1年で消費してしまったと言えるのかもしれません。

この自民党の連敗の原因というものを、石破さんだけのせいにしてはいけないんではないかというふうに思います。もっと根深い何かがあるのではないかということで、せっかく呼んでおいて、失敬千万な質問だなと思われるかもしれませんけれども、最初に伺いたいのはこちらです。

「自民党はなぜ有権者に嫌われたのか」

この質問をさせていただきます。届出順に発言をしていただきます。小林鷹之さんからお答え願います。
元経済安保担当大臣 小林鷹之氏
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
衆院選、参院選、続いて大敗しました。その原因としては、私は国民、有権者の皆さんの気持ちに自民党が応えることができなかったということに尽きると思ってます。もう少し分けて言うと、スピード感がなかった、発信力が足りなかった、そして時として政策がぶれてしまったということだと思っています。

スピードで言えば、例えばガソリンの暫定税率を廃止、与党としてやるということは決めていたけれども、通常の税制改正の年末のプロセスでやろうとしていたけれども、やはり国民の皆さん、もっと早くやってほしいということがあったと思います。

発信力については、他の新興政党の比較的若い党首の方が、政策の賛否は私いろいろあるんですけれども、分かりやすい言葉で熱量を込めて突き刺さるようなメッセージの発し方があったと思います。

ぶれるというところで言うと、やはり給付。最初「やらない」と言っていて「やる」というふうに言ったことや、高額療養費制度の見直しの話を含めて、そこは残念ながら二転三転してしまったというところで、そういう中で国民の信頼を得られなかったのではないかと。それが私の受け止めです。
《大越健介キャスター》
次に茂木敏充さん、同じ質問です。
前幹事長 茂木敏充氏
《前幹事長 茂木敏充氏》
嫌われたというんだったら、ある意味、非常になんていうか、対応が分かるんでいいんですけど、静かに離れてしまったという感じが私はあるんじゃないかなと思ってまして、そのための対策のほうがかえって難しいんじゃないかなと、こんなふうに今考えているところであります。

それは一言で言いますと、今、物価高でみんな苦しんでる。こういう国民の生活の苦しさ、こういったことにしっかり目を向けてないんじゃないかと。こういう国民の思いに寄り添うことができずに的確な対策、思い切った結果を出すことができなかった。そういったことに尽きるんだと思います。
それを変えていかなくちゃいけない。発信力も含めてです。
《大越健介キャスター》
なぜ自民党は有権者から嫌われたのか。いや、静かに離れていったんだという答えもありました。林芳正さん。
官房長官 林芳正氏
《官房長官 林芳正氏》
私も今の茂木さんの言葉は刺さりました。
嫌いと好きっていうのは動くという心理学者の話がありましたけど、無関心、静かに無くなる方がよりちょっと怖いなという気がしました。

やはり原因はいろいろあると思いますけど、やっぱり一番大きいのは分かってもらえてない、通じてないということをよく聞きます。

我々いろいろ聞く努力もして、やってきたつもりですけれども、本音の部分で分かってもらってないなということ。ここが静かに離れていくと。
すごいひどいことをされたんなら、嫌うという言葉が合うんですけれども、そうじゃなくて分かってくれてないなと。もうこの人たち無理だなみたいな、そういう感覚で静かに離れていくと。

だからやっぱりもう少し聞く力を増やして、分かってるよと正確につかむ。それもリアルタイムで。こういう事をやっていく必要があるのかなと思ってます。
《大越健介キャスター》
率直なご意見がありましたが、高市早苗さんお願いします。
前経済安保担当大臣 高市早苗氏
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
私は去年の衆議院選挙、今年の参議院選挙、それまでの間、全国遊説を続けてきました。

直接聞いた声です。直接聞いた声で申し上げますと、1つはもうこれだけ生活が苦しいとか、中小企業が大変というのを本当に自民党は分かってるんかという声。それからもう1つは、自民党が何をやりたい党なのかよう分からんようなってきたという声。3つ目が一番ショックやったんですが、自民党の政策には夢がないって言われたんです。

やっぱり、自民党立党の精神というのは、「政治は国民のもの」で始まります。70年も前のものですけれども、自民党っていうのは常に進歩を求める保守政党であるというこの立ち位置、原点があったわけですよ。自民党がどういう政党かわからんと言われたら、その辺の背骨の部分が皆さんに見えなくなった。

静かに離れていったというよりは、私は急激に離れたと。そして「自民党だけは要らんわ」という声までかけられました。
《大越健介キャスター》
小泉進次郎さん、同じ質問です。
農水大臣 小泉進次郎氏
《農水大臣 小泉進次郎氏》
嫌われたのかということでいうと、私はすごく思い返すのは、初当選をした2009年ですね。民主党政権が生まれた時は、街頭に立っていても自民党への嫌悪感は今よりもはっきりしてたと思いますね。
一回自民党以外の政権を見たい。あの鳩山さんのマニフェストが本当に飛ぶように街頭で、野党の当時民主党の方の手元からはけていった。そして自民党は一回退けと。

今回はさまざまな国民の皆さんの不安が、いろんな形で離れていった。そしてもう自民党からは呆れられてしまった。
だから私は一番今思ってることは、我々が十分に向き合えてこなかった不安にしっかりと向き合うことから始めなければいけない。

物価高で苦しいという不安。そして外国人の方が増えて、治安は大丈夫なんだろうかという不安。そして老後の年金や医療や介護、本当にこれから持続可能なんだろうか。こういったところに1つ1つ向き合って、我々だけじゃなくて、野党も一緒になって解決策を共に見出だしていく。このためには自民党が1つにならなきゃいけない。そのための総裁選だと思います。
《大越健介キャスター》
今、なかなか向き合うことができなかった、分かり合えなかった、分かってもらえなかったと、いろんな反省の言葉が出ましたけど。じゃあということで「解党的出直し」という言葉が出てきてますよね。
長いこと私、記者やってて随分何度も聞いたんですよ、茂木さんこれ。「解党的出直し」ってまた同じ言葉でしかないのか、それとも今の皆さんの率直な感情を聞くと、これは相当な危機じゃないですか。「解党的出直し」って、今における意味って何だと思いますか。
前幹事長 茂木敏充氏
《前幹事長 茂木敏充氏》
今まで「解党的出直し」、確かに何度も、私も33年国会議員やってますから、使ってきたと思いますけど、もっと崖っぷちなんだと思います。衆議院、参議院ともに与党で過半数を割る。会社で言うと、老舗の大企業が急速に業績が悪化して、倒産寸前の危機と、こういう状態ですから全く変えていかなければいけない。この危機感というのは、今まで「解党的出直し」を使った時よりも大きいんじゃないかなと、そんなふうに思います。
《大越健介キャスター》
小林さん、当選回数でいうと一番若くていらっしゃる。実際、これまでの発言の中で、今もなお自民党の古い姿が見え隠れするという発言をされました。今度の総裁選を通じての言葉かなと思ったんですけれども、具体的にどの、あるいはどなたのどういう行為が、どのグループの行為がそういうふうに映ったんですか。
元経済安保担当大臣 小林鷹之氏
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
具体的にどうこうというものではないですけれども。そういう出馬会見のときの言葉なんですよね。
私は今の自民党、その時「崖っぷち」という言葉も使いましたし、もしかすると今回の総裁選が自民党として最後の総裁選になるかもしれないという危機感を持って今回出ています。

古い自民党というのは、私はこれは裏返して言うと、今回の総裁選に対する期待を込めて申し上げているんですけれども、これだけの厳しい状況ですから、党内の理屈、党内力学で総裁選をやるんじゃなくて、一人一人の国会議員が自らの信念に基づいて、この日本のために本当に何が必要なのかということを真摯に自分自身と向き合って、行動していく。そういう総裁選になっていただきたいという思いを込めて発言させていただきました。
《大越健介キャスター》
事前の会見と、実際きのう告示がありましたけれども、小林さんが見て、そういう新しい総裁選びの形になってますか。
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
それはこれからあと11日間ありますから、その中で私自身見ていきたいと思いますし、同僚にそういう行動を期待したいと思ってます。
《大越健介キャスター》
林さん、皆さんからいろんな意見あって、失敗の本質みたいな話って皆さんかなり感じておられる。離れていったとか、夢がないと言われたとか、落胆した感じっていうのはかなり本質的な部分だと思うんですよね。それを取り返すのは相当難しいと思うんです。総裁になったらまず、どういうとこから着手しますか。
官房長官 林芳正氏
《官房長官 林芳正氏》
私、まだ議員じゃありませんでしたが、平成元年の参議院選、初めて青年部員として街頭に立って、ポスター破られたことがありました。2009年も、野党に転落したときも同じようなことがありました。

その時々で聞く、何が悪かったのか、我々だけで考えるっていうのも大事ですが、やっぱり選んでくださる人に、会社であればカスタマーというか、お客さんに聞くと。何が分かってなかったと思うか。何が疎外感を感じたか。これが一番大事なことで、野党に落ちた時も谷垣総裁でしたけれど、生声プロジェクトからやろうじゃないかと。

「原点回帰」と書きましたけど、最初に議員になるときに何をやったかって思い出すと、自分の政策を聞いてくれという発信をなんとかできないか、そして皆さんからいろんなご要望を聞く。そんなに魔法みたいなことはないんで、もう一度原点に入って、もしずれてた所があれば、このズレをどれだけ直せるか、これをみんなで徹底的にやるということだと思います。
《大越健介キャスター》
小泉さん、「原点回帰」って言葉ありましたけれども、野党時代、当選したてのときも野党だったわけですね。そのときの姿勢と、なんで与党になったらそこから離れちゃったんだろう。どう思いますか。
農水大臣 小泉進次郎氏
《農水大臣 小泉進次郎氏》
野党時代は本当に数も少ないということもあって、期数関係なく、年齢関係なく、みんなが必死だったんですよね。党内の争いにエネルギーを使う暇はないほど、皆がひたむきにもう一回国民の皆さんの信頼を勝ち得ようというふうに向かってました。あの時その空気を党内で醸成した、本当に偉大な貢献をされたのが、当時の谷垣総裁だったんですよね。

谷垣総裁は自分の主張を抑えてでも党内融和をまずやる。その姿を見ていて、やはりリーダーも我慢をしてる。だからみんなも「俺が俺が」じゃなくて1つになって、利害を超えて、世代を超えて、自民党1つになって強大な与党に立ち向かおうと。

あの時の皆が1つになって、国民のために、この信頼回復のために。私は今もう一回、あの野党時代のことを、私は1回生の時に経験してるので、私が総裁になったら、あの時の気持ちで、もう一回自民党が1つになれるようにしたいと思ってます。
《大越健介キャスター》
野党の自民党総裁だった谷垣さんとの関わりについては林さんも小林さんも、随分因縁浅からぬものをお持ちですし、皆さんそうですよね。
高市さんに伺いたいのは、さっき自民党が何やりたいか分からないと。夢がないと。高市さんが思ってらっしゃる政治信条ってやっぱり、きちんとした保守でありたいということですね。そこら辺と関係してるんですか。高市さんが保守的心情を吐露されるのはそこら辺なんですか。
前経済安保担当大臣 高市早苗氏
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
今や参政党ですとか、日本保守党ですとか、国民民主党も保守的な政策を訴えておられますし。私、高市早苗自身の保守っていうのはどっちかといえば穏健保守の位置付けになっちゃっていると思うんですけれども、ただ自分の信念というのは変わりません。

ただ、私がずっと訴えてきたのは、やっぱり成長なんですよ。ちゃんと戦略的な財政出動を上手にやって、成長する。成長することでみんなが豊かになる。未来にも責任を持たせる。そういうことを訴えたかった。一番訴えたかった。

今回の自民党の参院選公約にも入ってないことはないです。ばーっと網羅的に書いてあるんですけれども、しばらく、ここしばらく見てて、党運営が荒っぽかったです。ひとつの政策を「これが合意だね」と。「公約に書き込めるね」というところまでのいろんな積み重ねですね。部会とか政審とか総務会通して、みんなでかなり激しく議論をして、これでみんなで行こうというのを決めるような、そういったプロセスがちょっと荒っぽかったです。だから響かなかった。

これを訴えればいいんだというものを、私たちは武器として持たなかったです。だから党運営も見直すし、せっかく党員でいらっしゃる皆さんの声も、もっと直接党本部に集まんなきゃ駄目ですよ。集めるシステムをちゃんとつくります。
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安全安心を…外国人政策は

外国人政策は
《大越健介キャスター》
少しテーマを変えます。
今度の総裁選、1年前にも皆さん集まってもらいましたけど、あの時に浮上しなかった問題が今回急浮上しています。
外国人政策、皆さんこれ取り上げられてますので、共通する部分も多いと思いますし、足りないかもしれないですけれども、こちらで皆さんの主張をまとめてみました。

小林鷹之氏:出入国管理を含めた外国人政策を厳格化する

茂木敏充氏:違法外国人ゼロを目指し法遵守の徹底をする

林芳正氏:違法とか不公平をなくして外国人労働者の総量をコントロールする

高市早苗氏:外国人とのつきあい方はいっぺんゼロベースで考える

小泉進次郎氏:外国人問題に関する司令塔機能を強化、総合的な対策を進める
《大越健介キャスター》
足りないところはまた補っていただければありがたいんですが、林さん、現職の官房長官として、この夏の参議院選挙の最中に、ちょうど参政党が日本人ファーストを掲げて、違法あるいは脱法の外国人の行為は厳しく対処しようじゃないかということが非常に支持を広げた時期がありました。
政府もこのときに外国人政策の司令塔的なもの、推進室を設けたタイミングが重なりました。これはやっぱりそうした政党の主張というムーブメントみたいなものをヒリヒリと感じたからですか?
官房長官 林芳正氏
《官房長官 林芳正氏》
そうですね。それより少し早く小野寺政調会長からご要請があって、党内でもずっとここにいらっしゃる先生方が一緒になってやっていただいてて、やっぱりいろんな指摘があるよということで、早急にやってほしいということだったんで、実は私の官房長官室に各省全部呼んで、3回4回折衝をやりました。

ちょっと昔の行革事務局長のときの記憶がよみがえってきて、やっぱりこの紙に書いてあることに、本当に全部反映されているかとか、もっとできることはないのかとか、最初の説明ではちょっとぼんやりしたところがあったので条文持ってこいとか、条文ないし政省令を持ってこいとか、そこまでぎりぎりやって、そして運転免許の話、そして窓口、保険の窓口の話、今もう出来たものもありますし、もうすぐ出来るものもあると。ここまでやって来ました。
《大越健介キャスター》
高市さん、外国人とのつきあい方をいっぺんゼロベースで考える。
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
いやいやいや。
《大越健介キャスター》
「ちょっと極端よ」みたいな顔をされました。
前経済安保担当大臣 高市早苗氏
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
すいません。それ、もしかしたら記者会見から、ざっくり抜かれたと思うんですけれども、ちゃんとした公約、党に提出したものには外国人問題の司令塔、今、官房長官が言った、あれを強化するということを書かせていただいています。

特に経済的な利益を求めて入ってくる難民、これはもう帰っていただくということ。それから違法滞在者、これもお帰りをいただくということ。それに加えて外国人が福祉を受けるためだけに入ってくると、短期間。そういったものもやめてもらう。

それからもうひとつはものすごく難しいんですが、平成23年に法律案は私が書いて、それが未だに動かないんですが、土地取得の問題ですね。こういったものまで含めて、政府の総力を挙げてやっていただく。党の方は参院選の前から会議体ができておりました。
《大越健介キャスター》
合法的にやって来る海外の人、あるいは合法的に日本で仕事をされる方、全部包摂してく、大事にしてくっていうのは変わらない?
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
もちろんそうです。その方々が今、とばっちり受けてるんですよ。
《大越健介キャスター》
茂木さん、埼玉県の交通事故現場、視察されていましたよね。その時、涙を流されていて、外国人の方が交通事故で10代の男性が亡くなった。あの時に、今、日本が外国人政策はどうしたらいいかということ、きっと考えられたと思うんですよ。どうですか?
前幹事長 茂木敏充氏
《前幹事長 茂木敏充氏》
ちょうど1年前ですね、きょう9月23日なので。あの日に悲惨な事故が起こったわけですね。無免許運転ですよ。そしてスピード違反。10代の2人の子どもが、1人が亡くなり、1人が今意識不明の状態でいる。二度とこういったことが起こっていけない。

ルールを守れない人、これに対しては厳格に対応する。その対応策について、大体言ってることは、結果として、司令塔機能を強化をするとか様々な形。さらには土地の取得の問題、外国人、外国資本についても、資本金を上げるとか、様々な形の対応を取って、もう少し総合的な対策を取っていく。入管法上の問題と、道路交通法上の問題で全然連携がとれてないところ、こういったことを一元化していくことは極めて重要だと思っています。
《大越健介キャスター》
小林さん、外国人に対する対策を強化する、その一面だけ聞くと、日本が排他的な空気に満ちあふれるんじゃないかって、ちょっと過度に心配する向きもあると思うんですけど、そうじゃない、我々はそういうつもりじゃないんだということであれば、そこを具体的に説明いただけますか。
元経済安保担当大臣 小林鷹之氏
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
そもそも保守のスタンスというのは排他的ではなくて、意見が違う人に対して寛容で、包摂的な社会というものがやっぱり保守だし、自民党が目指すべき社会って、多分そういうことだと思ってます。

ただ一方で、外国の方を受け入れたときに中長期的に日本の社会の姿はどういうふうに描いていくかというところは、やはり持っていなければいけないと思ってます。

やっぱり真面目に働いている外国の方いらっしゃいます。地域によって、産業によって、そういう方たちをしっかりと守っていくためにも、ルールを守らない外国の方に厳しくしなければいけない。ビザ申請を強化するということもそうですし、先ほど来、出ている安全保障上重要な土地については、今法律がありますけれども、まだまだ拡充の余地があると思っています。

また、都市部のマンションでなぜか日本人が住めなくなっているという現実もある中で、不動産の取得規制というものも私は考えていけるんじゃないかというふうに考えています。
《大越健介キャスター》
小泉さん、ある種、法に触れるような行いは、日本人もそうですけど、しっかり取り締まる。だけど一方で、これだけグローバル化した社会にあって、日本が好きでやって来られる方もたくさんいらっしゃる。

日本も実際労働者不足であるという中で、今、小林さんが仰ったような、皆さん仰ったような包摂的な社会を作っていく。だけど排他的には絶対なりたくない。その微妙なバランスって、どうやって取っていくべきですか?
《農水大臣 小泉進次郎氏》
その中でもまずは国民の皆さんの中で、また地域の中でも、やはり外国人が増えたことによって住民の皆さんとの軋轢(あつれき)が起きていて、そこに対して十分に我々が向き合えてこなかったのではないか。そこは我々直視しなきゃいけないと思うんです。

なので今回、外国人の問題に関しては、例えばもう法律を守らない、そういった方々にはしっかりと厳格に対応するのが基本で、違法行為を防止をすること、そして保険や児童手当などの不適正な利用は是正をすること、土地や不動産についてもしっかりと透明化をすること。

こういったことをしっかりと対策を強化するためには、私は司令塔機能強化って書いてありますけれども、やはり総理がヘッドとして司令塔機能を発揮をして、年内にはアクションプランを作っていく。そういったことを進めていきたいと思います。
大越健介キャスター
《大越健介キャスター》
ヨーロッパとかアメリカを見ると、私も随分長い事取材しに行ったんですけれども、やっぱり排他的な主張が、下手すると油断しているうちに枯れ草に火が燃え広がるようにして広がって、それが社会の分断を招いてしまっている例というのは、先進国にはいくらでもありますよね。

だから返す返すも、分断を生まない社会づくりというものに対して一言ずつ、一番大切なものは何か。小林さんから短くお答えいただけますか。
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
そこは先ほど申し上げたとおり、異論に対して寛容であること。つまり自分が間違いうる存在であるということを認めるということ。自分の頭だけで考えるんじゃなく、自分と違う意見をしっかりとまとめていく。
《大越健介キャスター》
茂木さん。
茂木氏
《茂木氏》
やっぱり周りの秩序、これをきちんと守っていくような社会。これは日本人も含めてですけど、そういった地域社会を作っていくということが重要だと思います。
《官房長官 林芳正氏》
総量をコントロールすると書いてありますけど、まさにスピード。1カ所に物凄いスピードでたくさん来られると、これはいかに違法、不公平なくてもいろんな反応が起きます。じわりじわり、薄く広くやっていく、これも大事だと思います。
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
公正さです。法治主義です。
農水大臣 小泉進次郎氏
《農水大臣 小泉進次郎氏》
不安を放置しない。そのことが大事だと思います。治安の問題、そして今、大越さんが言われた社会の中の分断を生まないためには、しっかりと一つ一つの不安に政治が向き合うという姿勢をしっかりと示すこと。そこだと思います。
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安定政権へ…野党との連携は

《大越健介キャスター》
衆参両院で自民党が大きく過半数を割り込んで、少数与党になりました。そうすると政策一つ実現するためにも、法律一つ通すためにも、やっぱり野党と連携しなければいけないということで、いろんな考え方があると思う。

政策ごとの連携、それから一気に連立を拡大するか、それぞれの立場を聞いていきたいんですが。その前に当面恐らく皆さんの頭の中にターゲットとしてある2つの政党の現在についてご紹介します。
安定政権へ…野党との連携は
《日本維新の会・藤田共同代表(民放番組)》
次の首班指名選挙で、野党で一本化するのは難しい。立憲と基本政策はかなり距離がある。自民のほうが憲法、安全保障、外交、エネルギー、マクロ経済政策、全てにおいて私個人としては近いと思う。
《国民民主党の玉木代表》
ガソリンの値下げ、年収の壁の103万円の178万円へのさらなる引き上げ、3党で合意した2点が誠実に履行されるかどうか見定めたい。
《大越健介キャスター》
この発言、切り取ってはありますけれども、かなり日本維新の会が踏み込んでるなっていう印象も正直、私は受けます。

どうでしょうか。連立までいくのか、連携でいくのか。それは皆さんそれぞれお考えがあると思うんですけど、小林さん。この際ね、なかなか責任ある立場で「この党がいいです」って言えないとは思うんですけれども、でも私はこの党と組みたいっていうのもひとつの手だと思うんですよ。そういうこともいろいろ含めてどうでしょう。この2つの党、親和性があるのはどちらか、あるいは両方か。連立でいくのか、個別の連携でいくのか、その辺の考えを今お持ちですか。
元経済安保担当大臣 小林鷹之氏
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
連立でいくのか連携でいくのかといえば、この両方、並行でやっていくんだと思ってます。どちらがどうということは具体的に申し上げませんが、重要なのは国家運営の基本となる部分でしっかりと共有できるかどうか。

つまり憲法、公党のあり方、安全保障、エネルギーの一部の政策、あるいは自民党として大切にしている価値観、自助自立があって、そのうえで共助公助がある。こうしたもの全てを共有できる必要はないかもしれませんが、相当オーバーラップしてこないと、連立というところまではいかないと考えています。
《大越健介キャスター》
林さん、個別政策の連携で随分この政権苦労されたと思うんですよ、1年間。エネルギーも消耗したと思うんですね。そういう経験を踏まえて、林さんはどのようにお考えですか。
官房長官 林芳正氏
《官房長官 林芳正氏》
連立が望ましいというのは当然だというふうに思います。責任を共有できます。それを追求しながら、しかしその交渉にどんどんどんどん時間が費やされてしまう。

そうでなくても我々の、このフルスペックの総裁選挙で時間も使っています。したがってこれを追求しながら、合意が出来るところとは、我々の政策を、特に物価高対策等で時間を急ぐものについては、部分的にいろんな話をすると。これ両方、並行してやってくべきだと思っています。
《大越健介キャスター》
小泉さんは連立っていうのは視野に入れるけども、いや時間区切らないというふうに仰ってますよね。しかし、チャンスっていうのはなかなか来ないかもしれないし、やっぱり林さんも経験をされたように政権は一つ一つやってくとかなり体力を消耗するっていう現実もこの1年味わってきたと思うんですよ。連立を組むんであればスピード感というのも必要かなと思ったりするんですが、小泉さんはどう考えていますか。
農水大臣 小泉進次郎氏
《農水大臣 小泉進次郎氏》
もちろんそうなんですけども、やっぱり我々の立場からすると、衆議院でも多数もなく、参議院でも多数もなく、我々がどこと組みたいって言える立場ではないんですよね。

なので、野党の皆さんと国民の皆さんの関心の高い物価高対策、社会保障改革、こういったものについて幅広く、まず協議を呼びかけて、その中でどのような合意の一致点を見出すかという努力を積み重ねる中で、結果として信頼関係が構築され、そしてこれだったらいけるねっていうところになれるかどうか。やっぱりそこの順番っていうのはあると思います。
《大越健介キャスター》
これに対してというわけではないんですけど、茂木さんと高市さんはかなり連立について踏み込んだ発言をされてるなと僕は思っているんです。茂木さんはもう連立はすべきだというふうに仰ってますが、次の首班指名選挙までには枠組みつくりたいということですか。
前幹事長 茂木敏充氏
《前幹事長 茂木敏充氏》
出来ればそうですが、なかなか難しいのが現実だと思います。

先ほど、日本維新の会・藤田共同代表のお話ありましたけど、この間YouTube番組で私と一緒した時に私が言ったことをどうも書いてる感じがするんですね。基本政策といって並べていること大体そうなんですけれど、そういった基本政策が一致するってことが極めて重要なんですけど、これからすぐにじゃあできるかっていうと相手があることであり、そしてこちらとしてはお願いもしなくちゃならないわけですから。

しかし我が党として譲れない部分もある中で、どう合意点を見出だしていくかということで、まずは物価高対策をはじめ補正予算を組んでから成立させていかなくちゃならない。これに間に合うかっていうと、かなりそれは厳しい部分もあるんじゃないかなと。そんなふうに思ってます。
《大越健介キャスター》
高市さんはかなり踏み込んで、次の首班指名選挙までに連立の枠組み決めたいというふうに仰ってましたよね。ということは、さっき出た2つの政党のうちどちらか、あるいは両方か、もう具体的に構想あるんじゃないですか。

例えば1つ挙げさせてください。関西出身の政治家でいらっしゃる、副首都構想ということを維新の会は大阪地盤の政党として言っています。そのことも含めてお答えいただけますか。
前経済安保担当大臣 高市早苗氏
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
自民党の政調会にそういった地域分散型の本部をつくったのは、政調会長だった私でございます。数年前のことでございます。ですから、まったく維新が仰っている副首都圏構想と同じかどうか内容は分かりませんよ。私はかなり踏み込んで申し上げましたのは、今、物価高対策ももちろん急ぎますよ。今出た2つの党が仰っている物価高対策、ほぼ一緒です、私たちが言っていることと。

それはそうなんですけれども、今、日本を取り巻く厳しい国際情勢とか、いろんなこと考えると強い政治、安定した政治、これはもう絶対に必要なんです。スピーディーに、本当に大事な課題を決めていける政治っていうのが必要なので、次の首班指名選挙に間に合うかどうか分かりませんけれども、でも間に合わせることを目標に、真摯に話し合いながら、きっちりとした連立。自公連立が基本で、プラスの連立政権を作りたいなと私は思っております。どこの党がっていうのは言えませんよ。
《大越健介キャスター》
真逆のお話だったかなと思うんですよね。小泉さんは、そういうチャンスがくればくらいの、ちょっと時間をゆっくりとしている?
《農水大臣 小泉進次郎氏》
高市さんが言ってるところ全くその通りで、今、国際情勢などを見れば、強い政権枠組みが出来て、安定した政治が行われないと、国民生活に対しても課題をしっかりと解決策を提示できない。な?ので連立が最も安定をする、これは間違いないんです。

ただ、この連立に行くまでには、我々と野党が向き合って、本当にどこだったら一致できるのかっていう作業は簡単なことではない。そのことは、これはもうみんなの共通意見だと思います。

だけどやっぱりまず目の前で、国民の皆さんからすれば連立がどうかっていうよりも、物価高対策とか、必要なことをやってくれっていう思いがあると思うんですね。そこに向けてのまず協議、そこが私は大事なことだと思います。
《大越健介キャスター》
チームがまとまってる感じがしてきました。?このあとは物価高対策について各候補者に話を聞きます。
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私たちの“暮らし”どう支える?

《大越健介キャスター》
最後に物価高対策について伺います。経済対策としては短期的なもの、そして長期的なものを今まで皆さんいろいろ議論されてるんですが、ここでは当面の物価高対策についてお話を聞きたい。

それぞれ一番に取り組む、手をつけるものを教えてもらいたいんです。しかもそれはいつまでにやるのか、林さんいかがですか。
《官房長官 林芳正氏》
今年中にできるのは、私は給付。それからガソリン税です。
《大越健介キャスター》
給付というのは2万円の、あの時ではなくて?
官房長官 林芳正氏
《官房長官 林芳正氏》
あの給付、公約しましたので、これは皆さんが拍手で受け入れたっていうもんじゃないですけれども、これをベースに、例えば立憲さんも給付をおっしゃってますんで、そういうところと話をして給付が一番早く届くというのは、岸田内閣でも年内に配ることができました。

減税は同時に決めても次の年の6月。半年さらに遅れますんで、今の物価高対策を来年の6月にやっても、そのとき物価がどうなってるかということだと思いますので、ガソリン税率と給付。この2つだと思います。
《大越健介キャスター》
今、2つの話が出ました。高市さん、どうですか。
前経済安保担当大臣 高市早苗氏
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
私は臨時国会の間にできることは、まずガソリンの値段と軽油の値段を下げること。当面、基金余ってますからあれを使って。次は暫定税率の廃止。これで基金も積み増しとくっていうことですね。

もう1つは、これもできると思うんですが、自治体向けの交付金。これを出して、これにちょっと推奨メニューをつけて、中小企業で、赤字で賃上げ税制の恩恵を受けられないところに対して、自治体から補助金出すという、これは大分県だったり、群馬県でやってることですけれども、こういう方法もあります。

基礎控除は今(林氏が)仰ったとおり、来年6月まで効果は出ないけれども、働き控えはすぐに改善される。
《大越健介キャスター》
前向きには取り組まれるということですね。
《前経済安保担当大臣 高市早苗氏》
はい。もちろんです。
《大越健介キャスター》
茂木さん、今、高市さんが自治体向けの交付金ということを仰いましたよね。ただ推奨銘柄付っていうことなんですけれども、茂木さんも自治体への交付っていうことを仰ってたように思うんです。
茂木氏
《茂木氏》
交付金なんですけど、今までとは一桁違うような、数兆円単位のものにして、自治体が、各自治体によって物価高対策、生活が困っている事情が違いますから、ある程度自由に使える。結果的に公表しますけど、そういった交付金をつくるということは非常に効果的だなと思ってますし、あとできるのはガソリン。これは暫定税率。

それからもう1つは、公定価格を変えていくということ。これを物価連動して、介護士さんとか保育士さん。また国・地方が発注する色んな事業があります。建設だけじゃなくて、運送もあれば印刷もあれば、こういったものを物価連動型にして、きちんと引き上げることによって中小企業の収益が上がる。こういう状況を作っていくことが必要だと思います。
《大越健介キャスター》
公定価格についても、皆さんおっしゃらない方も多分同じ思いでいらっしゃると思うんですが、小林さんどうですか。
元経済安保担当大臣 小林鷹之氏
《元経済安保担当大臣 小林鷹之氏》
同じで、ガソリンと公定価格と重点支援地方交付金であります。

それに加えて私は、来年になりますけれども、中間層にフォーカスを当てた定率減税、つまり所得税額の一定割合を減額するというものを導入していきたいと思ってます。それは中間層が働けば働くほど収入が増えて、その分減税の幅の恩恵が大きくなるので、中間層が元気になることが次なる成長につながって、そして税収が増えて、社会が安定していく。そういう仕組みを導入していきたいと考えています。
《大越健介キャスター》
小泉さん、ガソリン税については今もう与野党協議始まっている。あと例えばほかの方が仰った給付であるとか、これについても一応協議が始まってます。

だけど小泉さん、なんかあまりはっきりとガソリン税以外のことをおっしゃっていないような気もするんですけど。公定価格については今仰いましたね。
《農水大臣 小泉進次郎氏》
それは大越さんが他の私の発言とかを見てくれていないと思うんですけど。
《大越健介キャスター》
一生懸命聞いてるんですけど。ごめんなさい。
《農水大臣 小泉進次郎氏》
ガソリンと、それと所得税を、基礎控除等を物価と賃金に合わせて調整をしていく、新たな仕組みを導入をする。
《大越健介キャスター》
すみません。聞き方が失礼しました。
農水大臣 小泉進次郎氏
《農水大臣 小泉進次郎氏》
いえいえ。それで、最後に公定価格も公的支出もインフレ時代に合わせて見直しをしていく。こういったことの3つを言っています。

ただ、大事なことは我々、参議院選挙で負けてしまって、当初訴えていた給付は国民の皆さんからノーと言われたんですよね。その中で、やっぱり我々今、自民党だけでは政策は決められない。この少数与党の環境で言えば、優先すべきは国民の皆さんの声を形にすること。そして野党と合意をしたことをまず早く形にすること。

それを考えれば、やはりガソリンの暫定税率は廃止することを合意してるんですから、これをまず誠実に協議をする。そして所得税の見直しも、玉木さんもお話をしてましたけれども、やはりインフレ時代に対応する形で見直しをしていく。こういったことをやはり誠実に向き合って、我々が新たなことを打ち出すというよりも、まず声を聞いて形にする。その1つを動かしていくということが大事だと思います。
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「自分らしさ」を貫いていくのか

《大越健介キャスター》
皆さんのお話まだまだ聞きたいんですけども、かなり重なり合う部分が多いのでぜひ総裁選の後、皆さん連携していただきたいと思うんです。そのかわり、持論を封印されてる部分もあるんじゃないか。

小泉さん、選択的夫婦別姓については1年前、ここでもう結論を出すべきだと仰った。しかし今回封印されてますよね。気持ちは分かるんです。だけど、その信念というのはいずれご自身で政権を取った時に、いずれかの段階でそれを実現するという、その覚悟はお持ちですか。
農水大臣 小泉進次郎氏
《農水大臣 小泉進次郎氏》
これはですね、私が昨年の総裁選で訴えた後に自民党の中でも議論になりました。それで結論は出なかったんですね。野党の中でも一つになってまとまることはありませんでした。私の中では、働く女性が改姓に伴うリスクや負担が大きいので、選択的夫婦別姓を認めてほしい。そしてその人生の選択肢を拡大することという思いは変わりません。

だけどもやっぱり、家族観、夫婦の形、そして人生観、こういったものに関わるものは国民の皆さんの中のコンセンサス、そして党内や与野党の理解を深めていくこと。そこはやはりこれからも努力をしなければならない状況の中で、今、政治が物価高の問題とか優先順位をしっかり決める中で、最終的にはやはり今の状況はなかなか、この「自分が自分が」という局面ではなくて、皆の声をしっかり聞いてコンセンサスをつくっていく、そのことが私は大事なことだと思っております。
《大越健介キャスター》
はい、時間が来てしまいました。夜の深い時間だったにもかかわらず、本当にありがとうございました。自民党総裁選挙は来月4日に投開票が行われます。
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