自民党総裁選に出馬した候補者たちの戦いが始まっている。ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、情勢調査の専門家である報道ベンチャーのJX通信社 代表取締役・米重克洋氏から見た、「世論の特徴や傾向」について話を聞いた。
JX通信社と選挙ドットコムで実施した「次の自民党総裁」についての全国意識調査によると、比較的若年層が回答したネット調査では高市早苗氏が24.5%で最多となった一方で、比較的高齢者層が回答した電話調査では小泉進次郎氏が26.7%で最多となった。
米重氏はこの調査結果について以下のように分析する。
「一般の世論の方の中においては、比較的若い支持層が高市氏に味方をしている。一方、50代〜70代の比較的高齢の年代の方々に関しては、小泉氏を支持する傾向が強いという傾向が従来、去年も含めてあった。特に高市氏に関しては非常にネット地盤が強い。YouTubeの再生回数も多いし登録者数も多いという特徴があり、比較的ネット調査では数字が強く出やすい、支持がはっきりしやすい傾向もある」(米重克洋氏、以下同)
しかし党員票の場合は異なり…。
「自民党員・党友に限定して調査すると、若い世代や40代以下に絞った場合に、実は小泉氏の方が高市氏よりもリードしているそうだ。これは一般の世論とは若干違う部分で、どうも党員はそもそも『自民党が好き』といったベースがあるため、この1年続いてきた石破政権からの継承などで、石破政権の方針をある程度受け継いでくれて、かつ世代交代もできる小泉氏に期待をしている傾向が強い。特に小泉氏と同年代の40代の支持が熱いことも実はわかっている」
「衆院解散総選挙は早め」希望?

また「次の衆議院選挙はいつ行うのが良いか」という調査を行ったところ、ネット調査・電話調査ともに「なるべく早く」の回答が最多となったという。
「ネット・電話とも大きな傾向の差はないと言って良い。これは今の政治のあり方に対して、不満、不信があることの表れとみて良いと思う。他の報道各社の調査でも全く同じ傾向で、衆院解散総選挙は早めにやってくれと、ただ投票先は銘々違うという結果になっている」(米重克洋氏、以下同)
今回の総裁選、米重氏は“注目ポイント”について以下のように語った。
「自民党が今まで若い世代や保守層と言われる人たちの支持を失ってきた結果、去年の衆院選、今年の参院選での敗北という結果に至り、過半数割れという史上初めての状況になっている。自民党として支持構造を再建することができるのか、新しいリーダーが実現できるのかが今後一番大きなポイントになる。今、小泉氏が非常に有力だとされているが、それ以外にも高市氏や林氏、この3人の中でおそらく決選投票の組み合わせが決まり、争われていくだろう。その中で、議員票に強い林氏と党員票に強い高市氏、どちらが2番目に来るかが、注目すべきポイントになってきている」
(『ABEMAヒルズ』より)