投開票日まで5日に迫った自民党の総裁選挙。最新の調査で先行する小泉農水大臣を、高市前経済安保担当大臣と林官房長官が追う展開となっていることが分かりました。各候補は29日も各地で支援を訴えています。
各候補 支持固めに“奔走”
総裁選後半。小泉氏はマスク姿で、東京都内の高齢者施設を視察しました。
「今日は本当にお忙しい中で、このようにご対応いただいてありがとうございます。今回、利用者さんからも『今選挙なんでしょ?』と声かけを。まだまだここが足りないよということも含めて、率直な“生声”を聞かせていただきたい」
東京都内の医療機関を視察した高市氏。仁木厚生労働副大臣ら陣営と共に施設内を回ります。その足で大阪での決起集会に向かいます。
「もうすごい勢いで自民党を見限られた。なんか違うと思って見限られた。それを取り返せるのは、今回出馬している全ての候補者の中で私しかいない」
沖縄の自衛隊基地を訪れたのは茂木氏。憲法改正への思いをあらためて強くしたといいます。
「憲法の改正、まさに自衛隊、これを憲法に明記をしていく。憲法改正は自民党立党以来の党是であります」
小林氏は理学療法士の団体を訪れ、エッセンシャルワーカーの声に耳を傾けました。
「頑張れば報われる。その実感を多くの方に持ってもらいたい。そのことが経済を成長させて、結果として強い日本社会を作っていく。そういう思いを持って、この総裁選に臨んでいます」
党員票・議員票の“行方”
この週末、報道ステーションが行った世論調査。次の総裁に誰がよいか聞いたところ、小泉氏33%、高市氏31%と2人が競り、その後を林氏が追っています。自民党支持層に限ると、小泉氏が41%となり、24%の高市氏に大きく差をつける形です。
この世論調査をもとに単純計算した場合、党員票は小泉氏121、高市氏71、林氏47、茂木氏12、小林氏9。これに、国会議員票についての取材結果を合わせると、小泉氏は200票を上回ります。そして、態度を決めていない議員もいるなか、高市氏が120票近く、林氏が110票近くと競る展開です。いずれにしても1回目の投票では誰も過半数296票に達さず、決選投票にもつれ込む公算となっています。
林氏“追い上げ”に警戒感
高市氏を追い上げる林氏。29日は官房長官として公務をこなしながら、党本部であいさつ回りの日でした。林氏と言えば、週末の討論イベントで。
「自分以外で、自分に投票しないでくださいね。“この人が総理大臣になってほしい”と思う人を指さしてほしいんですが」
「目をつぶってやりませんか?」
手を動かしたのは茂木氏を指した林氏のみでした。
トップを走る小泉氏ですが、一つアキレス腱があります。広報戦略を担っていた牧島元デジタル大臣の事務所が、動画配信サイトで小泉氏を称賛するコメントを投稿するよう陣営内に呼び掛けていた問題です。ただ、陣営からはこんな声も。
「自民党員は高齢層が多く、ネットの話は影響しない」
林氏の追い上げに高市陣営は。
「小泉さんじゃ心配だっていう人が林さんに流れているんだろう」
小泉陣営も林氏の伸びを警戒しています。
「小泉vs高市なら勝てるが、小泉vs林となれば3位以下が林に乗る可能性がある」