10月4日の自民党総裁選挙まであと3日。
5人の立候補者の政策については頻繁に議論されるが、「スペック」と「人間的魅力・人となり」はどうか? ここでは小林鷹之氏について、テレビ朝日政治部 飯山雄矢記者に聞いた。
━━飯山記者の分析によると「世代交代力」と「熱量」が共に5点満点だが理由は?
「まず『世代交代力』について。これは小林氏が2回連続で総裁選に出馬したモチベーションだと思う。本人は『自民党や日本の閉塞感を突破するためには若い力が必要なんだ』と訴えている。次に『熱量』。おこがましい言い方になってしまうが、小林氏は良い意味で“すれていない”。財務省から政治家に転身した時に抱いた『日本を世界をリードする国にしたい』という熱く純粋な志を今も持ち続けていると感じたため満点をつけた」
━━「世代交代力」に関連して、今回の総裁選には小林氏より若い44歳の小泉進次郎氏がいる。若手同士ということで小林氏は意識しているのか?
「おそらく表面上は意識していないと言うが、本当は意識していると思う。出馬会見の時に記者から『小泉氏との違い』を聞かれた際には『3点ある』と明らかに準備してきたように回答されていた」
━━「政策力=4点」の理由は?
「『経済安全保障』というワードが一般的になる前から小林氏は訴え続け、当選3回で初代の経済安保担当大臣に任命された。また、普段のぶら下がり取材や会見で外交・防衛・経済など多岐にわたった質問にもすらすらと答えてくれるので『ChatGPTみたいだ』と言われるほどだ」
陣営「何が響いていないのかわからない。もどかしい」

━━小林氏の経歴は?
「開成高校から東京大学に進み、財務省に入り、ハーバード大学にも留学しているので右に出る人はいない。そんな素晴らしい経歴を持っている」
━━「発信力=2」の理由は?
「去年の総裁選から本格的にSNSに力を入れ始め、定期的にライブ配信などもしているがバズっていない。知名度において、世論調査を見ても遅れをとってる点を踏まえて、少し辛口の評価をした。SNSでは盆踊りを踊っている動画などを載せているが、どうしても真面目な方に行きがちだ」
━━「笑顔=2」の理由は?
「去年の総裁選から変わらない点だが、真面目な話をすると顔が怖くなってしまう。だがこれは本人も気にしているようで、手元にある紙に“にっこりマーク”を書き、それを見て笑顔を取り戻すようにしているという。記者などと“素”で話している時はとてもよく笑うチャーミングな方で、去年の総裁選の時もよく寝癖がついていたりネクタイの結び目が安定していなかったりなど見た目に無頓着なところがある。そういったチャーミングな人柄が伝わると世論調査の数字や支持も広がってくるのでは」
━━小林氏を応援しているのはどのような方達か?
「メインで支えているのは中堅・若手だ。中でも中心となっているのは当選同期。同期というと言ってみれば“出世争いのライバル”になる。それでも支えたくなるのは、本人の魅力的な人柄がそうさせているのではないか」
━━最近の世論調査などの結果では厳しい状況だが、陣営はどのように盛り返していこうと考えているのか?
「陣営も『答弁能力もあるので論戦を重ねていけば数字が伸びていく』という考えがあったようだが世論調査の数字に結びついておらず『何が響いていないのかわからない。もどかしい』と話していた。終盤の盛り返しについては、正直取材をしていても陣営として勝ち筋が描けているようには感じない。9月29日に陣営幹部に話を聞いたところ『将来の総裁候補を育てる気持ちで1票を入れてくださいと呼びかけるしかない』と話していた。地道に個人個人の伝手をたどって支持を広げようとしているようだ」
(ニュース企画/ABEMA)