4日に投開票が行われる自民党総裁選を前に、候補者5人が2日放送の「ABEMA Prime」で最後の討論会を行った。「解党的出直し」を掲げる中、10回以上の討論会を重ねたが、候補者たちがそれぞれ考える「幸せ」について語る場面があった。前経済安全保障担当大臣の高市早苗氏は、幸せだと実感した瞬間について「ご先祖の数を数えたら、生きているだけで幸せだと思えた」と語り、さらに趣味として「厳選したドラマを夜にちょっとずつ見ること」とも語った。
番組では、総裁選を直前に控えた候補が「保守とは何か。自民党は保守回帰するのか」「SNSなどネットの声はどこまで意識すべきか」などのテーマで討論。少数与党となり、野党との連携をどう考えるか、また直近の課題とされる物価高対策をどう進めるかなどを議論した。討論会の締めとして語られたのが「幸せとは何か」というもの。高市氏は、自らの自己肯定感が下がった時に、先祖のことを思い、自分が生きていることの価値を考え直したというエピソードを紹介した。
番組がピックアップした「きょういくばんぐみのテーマ」は、世の中の不安や孤独といった感情を、子ども向けの歌番組風に仕立て、これがYouTubeでも1800万回以上再生されて話題になっている。この歌詞に高市氏は「これが本当にバズっていて、子どもたちまで聞いているとしたらつらいし、ものすごい閉塞感。自己肯定感がない歌詞になっている」と沈痛な表情を見せた。
その上で自身の経験を語り出すと「なんだかもう生きるのもつらい、死ぬのも怖い。年代的にそういうことはあるし、私にもそういう時期はあった。その時にご先祖様の数を数えた。盆踊りで『7代前までのご先祖様に感謝しながら踊ってください』と言われたことがあるが、7代前まで足し上げていくと、直系の先祖が256人いる。その人たちが途中で死なず、また誰かと出会って子どもを産んで、その子どもがまた誰かと会い、それで私がいると思ったら『私の命も、みんなの命も重い。生まれただけで幸せ、生きているだけで幸せ』と思えるようになった」と、自ら生きる意味合いを見出したと述べた。
また幸せを実感できる趣味について話が及ぶと「役所の縛りなどで何年か行けていないがスキューバダイビングをしている時が一番幸せ」とし、また日常生活の中の幸せとしては「録りだめしていたドラマを見ること。毎クール録りだめして1話だけ見て、おもしろくないものは毎週予約をやめる。それから厳選したものを、夜にちょっとずつ見るのが幸せ」だとドラマ通であることを明かした。さらには政治を舞台にしたドラマについて「刑事ドラマとかで、最後は黒幕が幹事長だったりする。なにかすごい陰謀とか殺人を命じたり、もみ消したりするが、そんなことはない」と笑いながら不満を添えていた。 (『ABEMA Prime』より)