政治

報道ステーション

2025年10月4日 02:13

【報ステ解説】確実視される“決選投票”どうなる?各陣営の動きは?自民党総裁選前夜

【報ステ解説】確実視される“決選投票”どうなる?各陣営の動きは?自民党総裁選前夜
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自民党総裁選挙が4日に投開票を迎えます。党員票は3日に締め切られ、あとは国会議員票をどれだけ上積みできるかです。各陣営では、決選投票を見据えた“最後の追い込み”も慌ただしくなっています。

小泉氏リード 追うのは…

最後の夜は動きも活発に。小泉氏の陣営では最後の情勢分析をしたようです。その“大将”は。

小泉進次郎農水大臣
(Q.来週も閣議後会見で会えるでしょうか)
「どういうことでしょうか。しっかり公務は最優先で取り組みたい」
自民党総裁選 票の行方

国会議員約90人の支持を固め、リードを保つのが小泉氏です。ANNの調べでは、その後を高市氏、林氏が追う展開となっています。

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“決選投票”見据える各陣営

追い込みが慌ただしくなっている、各陣営。「初の女性総理誕生」を掲げる高市氏の陣営では、ギリギリまで投票を求めて電話をかけます。

高市陣営 松島みどり衆院議員
高市陣営 松島みどり衆院議員
「おたくのグループはまとまって動くという説が高いんで、もしそういう機運だったら先生がリードして…」
去年の苦い記憶

思い起こすのは去年の苦い記憶です。党員票を最も多く獲得し、1回目の投票ではトップに躍り出た高市氏。しかし、その後の決選投票で議員票が伸びず、石破総理が逆転する結果になりました。

総裁選

総裁選最終盤で重みを増す、議員票。今回も国会議員票295・党員票295を争う1回目の投票では、いずれの候補も過半数に満たず、決選投票は避けられない見通しです。そうなると、党員票は都道府県連ごとに1票の47票に集約され、議員票の比重が大きくなります。

高市陣営 松島みどり衆院議員
高市陣営 松島みどり衆院議員
「ぜひ2回目の投票よろしくお願いします。高市早苗」

2回目の投票を見据え、働きかける相手は他の候補を支持する議員です。この電話は、どうやら“タフ・ネゴシエーター”の異名を持つ茂木氏陣営へのアプローチのようです。

高市陣営 松島みどり衆院議員
高市陣営 松島みどり衆院議
「“ハードネゴシエーター”というのは、他の人が、つまり高市さんが総理になっても、どこかで活用という言い方をしたら悪いけど、活躍していただくのが日本のためになるからね」

さらに意識するのは。

高市陣営 松島みどり衆院議員
高市陣営 松島みどり衆院議員
「林さんの陣営も手当たり放題に電話しまくっているわけですから。追いかけられる立場はもっと真剣にならないと」

3日付で全ての議員に届けたのは、本人名義の手紙です。

高市早苗氏の手紙
高市早苗氏の手紙
「3回目の挑戦にあたり、ただただ先生のお力添えが頼りでございます。ご支援を賜りますよう、伏してお願いを申し上げます」

最終盤となり、勢い付いているのが、林氏の陣営です。

林陣営 田村憲久元厚労大臣
林陣営 田村憲久元厚労大臣
(Q.今日、今からここで動きは)
「もう水面下に入っていますから。今ごろ表に出てたら勝てないでしょ」

選対本部長を務める、田村元厚労大臣。目指すのは「とにかく2番目」です。

林陣営 田村憲久元厚労大臣
林陣営 田村憲久元厚労大臣
「まず決選投票にかなり近付いてきているので、なんとかして2番目までに入ることが、我々として一番の今の目標。入ればおのずと結果が見えてくると思う。決勝戦で。ですから、なんとしても2番目に入ること」

林氏の陣営も、手元には“手紙”がありました。

林芳正氏の手紙
林芳正氏の手紙
「自由民主党、そしてこの国を更に前に進めていくため全身全霊を尽くす覚悟です」
林陣営の議員
林陣営の議員
「勢いが出てきた。当初は林陣営にいる誰ひとり、決選に残れるかもなんて考えてなかったのに」
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麻生氏と面会 各候補の思惑

活気付く林氏の陣営。ただ気になるのは。

林陣営 田村憲久元厚労大臣
林陣営 田村憲久元厚労大臣
(Q.他の候補者は直接、麻生氏への支持を求めるが)
「私らは関知する話ではないので」
麻生派

党内に唯一残り、43人が所属する派閥、麻生派。林氏以外の4人に推薦人を出していますが、決選投票での態度は明らかにしていません。派閥“解体”が相次ぎ、議員票が読みづらいなか、まとまった票を期待できるのはと、各候補が“詣でて”いますが。

麻生派議員
麻生派議員
「まだどうするか本当に決めていない。麻生会長の指示を待っている」

3日に麻生氏と面会した、小泉氏。その後、石破総理や谷垣元総裁を訪ねました。

小泉進次郎農水大臣
小泉進次郎農水大臣
「今日は改めて最終日ということで、歴代の総理総裁、この総裁選を支えて頂いた方々に改めて感謝をと。そんな思いで感謝の気持ちで過ごさせて頂きました。明日はその結果を、私としては全て受け止めて、最後までできることを私もやりたいと思います」

“解党的出直し”を掲げる自民党が行う総裁選。4日に新たな総裁が誕生します。

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小泉氏優勢 決選投票の行方は

山本志門政治部長に聞きます。

山本志門政治部長

(Q.決選投票はほぼ確実な情勢で、小泉氏と他の候補の構図になりそうですね)

山本志門政治部長
「小泉氏を軸に進んでいくことになりそうです。決選投票の組み合わせは小泉氏×高市氏、小泉氏×林氏の2パターンが濃厚とみられています。3位以下の議員票がどのように上位2人に回っていくのかが、勝敗の分かれ目になると思います」

高市氏“5分間の演説”決め手か

山本志門政治部長

(Q.小泉氏×高市氏の決選投票になった場合、どういう流れが予想されますか)

山本志門政治部長
「小泉氏はこれまで議員票を固めてきました。これまでの選挙戦でも慎重な発言を繰り返していて、党内の結束も訴えてきました。議員票がどれほど上積みされて、高市氏との差を広げられるのか、ここが大きいと思います。一方の高市氏ですが、党員票の獲得に自信を見せています。決選投票になったら、党員票の高さをウリに、党員の思いを国会議員がひっくり返していいのか、このあたりの強みを訴えてくると思います」
山本志門政治部長

(Q.決選投票の前に、各候補者の5分間の演説があります。これも1つの要素になりますね)

山本志門政治部長
「議員の心理にどれだけ訴えることができるのかが、最後の分かれ目になると思います。高市氏は前回、この演説で失敗したという評価が出ています。高市さんの周辺によれば、熟慮に熟慮を重ねて演説文を練っているということです」

“勢い”の林氏 決選投票進むか

山本志門政治部長

(Q.小泉氏×林さんの決選投票になった場合はどうなりそうですか)

山本志門政治部長
「どの陣営を取材しても読み切れていません。議員票と党員票で上回る小泉氏が優勢に進めることは間違いありませんが、林氏は今回の総裁選の中盤から勢いが急上昇してきました。もし決選投票に残ることになれば、上昇気流の勢いが最後まで続くこともあり得ます。ここはサプライズがあることも含んでおかなければいけません。また、2人が並んだ時にどう見えるのか。経験豊富の林氏、経験不足が否めない小泉氏という構図が際立つことになれば、最終的に安定感を臨む議員心理に影響して、林氏有利に進むといった見方も出ています」
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