自民党総裁選で高市早苗氏(64)が初の女性総裁に選ばれました。ところが、連立のパートナーである公明党からは早速、靖国神社参拝や外国人政策などを巡って懸念を伝えられる異例の対応を受けました。
■1回目の投票結果 小泉氏“想定外”
4日午後1時、国会議員による投票が開始。第1回の投票では、国会議員票・党員票とも295票。よって過半数の295票を取れば当選となりますが、結果は…。
第1回投票で高市氏は183票を獲得。小泉進次郎氏(44)は国会議員票80票と1位でしたが、党員票は84票で合計164票と高市氏に及ばず2位となり、高市氏と小泉氏の一騎打ちとなる決選投票へ。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、この結果は小泉氏にすれば想定外だったといいます。
決選投票を前に“最後の演説”へ。
「国民の皆さんが求めている物価高の対策、治安の不安、そして外交・安全保障の不安。一つひとつの不安に向き合って、それを野党とともに前に進める体制を私は必ず作ってまいります」
「私がなぜ今回の総裁選挙に臨んだのか、それは日本の今と未来のために自民党が変わらなければならない。この強い危機感からでございます」
麻生氏“党員票重視”追い風に
決選投票では、党員票は都道府県連の47票に減り、国会議員票は295票で変わらないため、議員票の行方が大きく左右することになります。
キャスティングボートを握るのは、派閥議員43人を率いる麻生太郎最高顧問の動向です。
議員票では有利と伝えられた小泉氏は3日、麻生氏の事務所を訪ね、決選投票での協力を要請したとみられます。
しかし、麻生氏は4日朝、関係者に「党員の投票は無視できない。1回目の党員投票で1位になった人に決選投票では票を投じる」と伝えたといいます。
1回目の投票では、高市氏は党員票119票と、小泉氏の84票を大きく上回り1位に。果たして、決選投票の結果は…。
決選投票の結果、議員票でも高市氏149票、小泉氏の145票を上回りました。高市氏へ議員票が流れた理由について田崎氏は…。
3度目の挑戦で悲願の自民党総裁に就任した高市氏は…。
歴代の総理経験者の明暗も分かれました。小泉氏を推した岸田文雄前総理が無言で会場を去ったのとは対照的に…麻生最高顧問は笑顔。高市陣営の黄川田仁志事務局長に深々と頭を下げられると、満足そうに笑顔を返しました。
麻生派の議員は、「これで主流派と反主流派が逆転する」と話しました。
女性初の自民党総裁 “裏金議員”排除せず
地元・奈良は、初の女性総裁誕生に沸いています。
「早苗さん、総理大臣になってほしい」
敗北を喫した小泉氏は、「私の力不足が一番だと思います」と述べました。
「とにかく、きょうはお礼しかありません。本当に本当に本当に…ありがとうございました」
1993年、高市氏は無所属で衆議院選挙に当選。同期には安倍元総理がいます。
初当選から13年、第1次安倍政権で、「沖縄・北方担当大臣」として初入閣。それ以降、女性初の政務調査会長、女性初の総務大臣に就任しました。
ついに女性初の自民党総裁に選ばれた高市氏。少数与党の中、課題は山積しています。
記者会見で、裏金問題に関与した議員の起用を聞かれると…。
これに、立憲民主党の野田代表は「適材適所という言葉で、旧安倍派の人たちを登用していくようなことがあれば、いきなりガッカリすることになるだろう」と猛反発。
連立交渉急ぐ 公明は異例の注文
野党との連携については…。
「『首班指名より前に』というのが、安定した政治を考えると非常に大事。自公連立と同じように、しっかりと政策協定を結んでやっていく」
高市氏は、15日にも行われる総理指名選挙の前に、連立交渉を急ぐ考えを改めて強調しました。
連立拡大の相手として、経済財政政策で距離が近い、国民民主党が高市氏の念頭にあるとみられます。
「基本政策についての一致点はかなりある。政策協議の要請があれば、しっかり向き合っていきたい」
一方、小泉氏の総裁就任を見越し、水面下で協議を進めてきた日本維新の会は…。
「選ばれたのは高市新総裁ですので、我々としてもなすべき改革は何も変わっていないので、それをしっかりと新総裁にぶつけていきたい」
高市氏は総裁就任後、いの一番に公明党を訪問。連立拡大の話も出たといいますが…。
「連立の拡大とおっしゃっているが、連立政権というのは政策と理念の一致が不可欠。そんなに簡単にできるものではないと」
斉藤代表は「政治とカネ」「靖国神社参拝」「外国人政策」に懸念があると高市氏に伝えたといいます。
さらに、「副首都構想」を掲げる日本維新の会の連立入りを牽制(けんせい)しました。
海外メディアも速報 「中韓との緊張」指摘
高市氏の総裁就任は、海外でも速報されました。
「トランプ主義が突然アジアに到来した」
ニューヨーク・タイムズは、専門家のコメントを添え、高市新総裁の就任は中国や韓国といった近隣諸国との緊張を高める可能性があると報じました。
中国国営メディアは、総裁選の事実関係を短く伝えたのみですが、関心は高く、検索ランキングでは1位になり、極端なコメントも見られます。
「彼女は極端に反中で、最初にやることは靖国神社参拝だろう」
(「グッド!モーニング」2025年10月5日放送分より)