政治

ABEMA NEWS

2025年10月5日 15:45

高市早苗氏を勝利に導いた麻生太郎氏の“戦術”「1回目の投票で小林氏・茂木氏に恩を売った」ジャーナリストが解説

高市早苗氏を勝利に導いた麻生太郎氏の“戦術”「1回目の投票で小林氏・茂木氏に恩を売った」ジャーナリストが解説
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 4日に行われた自民党総裁選。大方の予想を覆し、高市早苗前経済安保担当大臣が決選投票の末、小泉進次郎農水大臣を制し、自民党初の女性総裁が誕生した。ジャーナリストの青山和弘氏によると、その裏には麻生太郎最高顧問の力が大きく影響しているという。

【映像】総裁選でほくそ笑む麻生氏の様子(実際の映像)

 青山氏は1回目の投票結果に触れて「何が1番驚いたかというと、小泉氏の議員票が80票しか出なかったこと。それと小林(鷹之)氏が44票も出ていること。何なのかと後から考えると、これは麻生氏がのっけた。30票ぐらいしかないところに、15票ぐらい麻生氏がのっけた。そして茂木(敏充)氏には5、6票かもしれないけど麻生氏がのっけた。高市氏は64票、これはもうちょっといってもいいと思った。ただ、小泉氏も80票で意外と少なかった。これが決選投票に生きてくる。つまり麻生氏は、1回目は小林氏、茂木氏に恥ずかしくない議員票を出させて恩を売って、決選にこの小林氏、茂木氏の票を全部高市氏にのっけるという戦術に出た。最初から高市氏に出してここで圧勝させるのではなく、1回目はどうせこの2人(高市氏と小泉氏)で抜けるから、小林氏と茂木氏に恩を打って国会議員票で決選に持っていって、国会議員票で高市氏をひっくり返した」と説明した。

 さらに「党員票が高市氏は想定よりちょっと多く出た。これはぶっちぎりだったとは言えないと思う。本当は5割ぐらい取りたいと言っていたが、そこまではいかなかった。あとは(決選投票時の)47の都道府県票。これが36対11で圧倒的に高市氏に見える。全国の地図で並べると。この時に党員票を無視していいのかというのが、午前中時点でのプレッシャーはすごかったと思う。特に選挙が弱い若手は、自分の地域で高市氏が勝っているのに、小泉氏に入れて地元に帰ってなんて言われるか。『お前党員の声を無視したのか』と言われる。これは今回ものすごく大きかったと思う」と分析。

 「あとは、世代交代を避けたいという、『小泉氏になっちゃうと、もう俺一丁上がりだな』みたいなことを思う議員も少し抜けた。(1回目の投票で)100票ぐらいだと見ていたが、20票も減った。これは小泉氏はやっぱりショックを受けたと思う」と解説。

 本来であれば「小泉氏と林氏は近いので、足した152票出ていいはずなのに、(小泉氏は)145票にとどまってしまったという結果は、やはり党員票の結果を見て流れた人たちが少なからずいたということ。高市氏の党員票が多く出て、しかも麻生氏の工作が上手くいき、高市氏にとってすごく上手くいった結果になった」との見方を示した。

 自民党の元衆議院議員・宮崎謙介氏も麻生氏の影響力に触れて「麻生氏の真骨頂、やっぱりすごい人なんだなと思うようなやり取りが裏にあったとあちこちから聞く。序盤は麻生氏は小泉推しで、なんなら序盤というか中盤(まで)。月曜日の段階で、直接話した人から聞いたことでは、まだその段階で小泉推しだった。『小泉で行こう』と言っていたのが、木曜ぐらいから突然変わったという話があって。これも諸説あるが、小泉陣営の中でもう勝った気になって、この後、自分たちが小泉総理になったら自民党の解党的立て直しのところで、もう重鎮いらないじゃないかという、“麻生・菅切り”みたいなことを言い始めちゃった。それが麻生氏の耳に入ってしまう。(小泉陣営は)浮き足立ってしまった。勝って兜の尾を締めなきゃいけないところで緩んでしまった。勝った気になっちゃって兜を脱いでしまった。やっぱりそこが大きかった。陣営が緩かった」と自身の考えを語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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