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2025年10月6日 19:55

人事に野党連携…高市新総裁“2つの壁”どう突破?

人事に野党連携…高市新総裁“2つの壁”どう突破?
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 自民党の高市早苗新総裁(64)が直面する「人事」そして「野党との連携」。この2つの課題をどのように乗り越えようとしているのか。政治部記者が解説します。

党役員人事大詰め

自民党 高市新総裁
「(Q.人事のほうは?)ボチボチです」
「(Q.幹事長はどなたにお願いする?)…」

 自民党の高市新総裁は、6日午後自身のXでこう予告しました。

「明日は、自民党総務会で、正式に党主要役員人事を決定して頂きます。熟慮した上で今日の夕方には内示を致します」

 高市総裁は5日、後ろ盾となる麻生最高顧問と1時間ほど会談。人事について話し合ったとみられています。

麻生最高顧問は副総裁に起用する方向だが…
麻生最高顧問は副総裁に起用する方向だが…

 党の要・幹事長には、麻生最高顧問の義理の弟で麻生派の重鎮・鈴木総務会長の起用する方針を固めました。麻生最高顧問は副総裁に起用する方向で調整していますが、本人は慎重な姿勢を見せているということです。

高市新総裁
「全世代、総力結集で、全員参加で頑張んなきゃ。立て直せませんよ」

 また今月中旬に召集される見通しの臨時国会では、総理大臣に指名される可能性が高いため、組閣人事にも同時に着手。

 総裁の座を争った他の4人のうち、茂木前幹事長については外務大臣での起用を調整。小林元経済安保担当大臣は政調会長での起用が固まったほか、小泉農水大臣については党や閣内での要職での起用を検討。林官房長官についても要職でのポストを打診する見通しです。

高市新総裁を支援
高市新総裁を支援

 また、官房長官には旧茂木派の木原稔前防衛大臣を起用することで調整。高市新総裁を支援した麻生派や旧茂木派が起用されています。

「昔の古い派閥政治に逆戻り
「昔の古い派閥政治に逆戻り」
林陣営
「昔の古い派閥政治に逆戻りだよ。高市さんが解党的出直しで挙党体制を築けるならいいけど、今の人事を見ていると麻生さんの顔色をうかがっているのが見え見えだ」

 麻生最高顧問は野党連携にも一役買っています。6日昼ごろ、国民民主党の幹事長と会談。今後の連携のあり方を協議したとみられています。2人は、総裁選前日の3日にも面会との一部報道が。

国民民主党 榛葉幹事長
国民民主党 榛葉幹事長
榛葉幹事長
「きょうかどうか分からないけど麻生さんに会ったことはあります」
「麻生先生に会ったのはマンガを借りに行ったんだね」

 と、けむに巻いていました。

野党との連携 本命はどこ?

政治部 与党担当 飯山雄矢記者
「自民党としては、連立の交渉相手の『本命』は、日本維新の会から国民民主党に移ったとみられます」
「麻生さんは岸田政権時の2022年に国民民主党と連立に向けた協議を水面下で進めていたこともあって、太いパイプがあります。また、関係者によると、榛葉さんは総裁選前に公明党の幹部とも会談したということです」

 しかし、ここへ来て、これまでの連立のパートナー・公明党の動きが…。

公明党は「警戒感」
公明党は「警戒感」
飯山記者
「一方で、自民党と連立を組む公明党は、保守色の強い高市さんに警戒感を強めています。公明党の斉藤代表は、高市さんと会談した際に、日本維新の会が掲げる、副首都構想や靖国神社参拝などをあげ、『懸念の解消なくして連立政権はない』と注文をつける異例の事態となっていて、自民党内からも『公明党が離れた時にどうするか、本気で考えた方がいい』との声が上がっています」

 一方、野党各党にもそれぞれの思惑があるようです。

国民民主党は「期待」
国民民主党は「期待」
政治部 野党担当 杉本慎司記者
「日本維新の会は小泉さんを前提に、秋の臨時国会での連立入りも視野に水面下で動いていました。高市さんに決まったのは、いわば想定外でした。ただ、政策実現の原動力となる『連立』自体を全く考えなくなったというわけではなく、『副首都構想』『社会保障改革』などでどこまで協力体制を築けるか見極めたいとしています」
「一方で、国民民主党は、政策的に近い高市さんに決まったことでチャンス到来とみています。連携の試金石としてきた『ガソリン減税』や『年収の壁引き上げ』などについて、幹部は早速『高市さんなら問題なく進めてくれるだろう』と期待を寄せています。ただ、実際に連立となるとハードルは上がります。支持母体の連合は『連立入りはありえない』と牽制(けんせい)していて、来週にも予定される臨時国会で早くも連立するということはなさそうです」
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