「麻生政権だ」という声も上がっています。7日、自民党の高市早苗新総裁(64)は新たな執行部を発足させます。幹事長や総務会長といった党の要職には、高市氏を勝利に導いた麻生派の議員が登用される見通しです。
党四役に麻生派2人起用
6日夕方、次々と明らかになった自民党新執行部の人事。要職である党四役の顔触れは、総裁選の結果を受け、明暗が分かれました。
幹事長には、麻生太郎氏(85)の義理の弟で麻生派の鈴木俊一氏(72)を起用。総務会長も、麻生派の有村治子氏(55)です。選対委員長には古屋圭司氏(72)。政調会長には、総裁選で争った小林鷹之氏(50)を起用する方針を固めました。
総裁選で、キングメーカーとして存在感を発揮したのが麻生氏です。1回目の投票で、麻生派の一部が小林氏に投票。
その結果、決選投票時には小林氏の陣営は高市氏支援に回りました。
同じく決選投票で高市氏に投票した茂木敏充氏(70)は、外務大臣に起用する方向で調整が進められています。
当の麻生氏は、高市氏から副総裁を打診されたということです。
現時点では、決選投票で争った小泉進次郎氏(44)の陣営の議員を要職で起用する具体的な情報は入ってきていません。決選投票で小泉氏に投票した議員からは恨み節も聞かれました。
「これはもう麻生政権だ」
野党「昔の政治の悪い部分」
一方、野党も気にしている、こちらの人事は…。
「最も注目している人事は何かというと税調会長なんですよ。103万円の壁で、国民民主党が協議したのは宮沢さんでした。宮沢さんが立ちふさがります。そういう立場の強い人です。宮沢さんをそのまま残したままだと、たぶん高市さんがやりたい積極財政論はできないのではないか」
立憲民主党の野田代表に「立ちふさがる存在」と表現されたのは、2015年から税調会長を務めている宮沢洋一氏(75)。減税政策に慎重で財政規律を重んじることで知られ、103万円の壁を守る「ラスボス」とも呼ばれた人物です。
「(Q.国民民主党が求める178万円まで引き上げ可能か?)それは今後の議論しだい」(去年11月)
「(Q.国民民主党との協議の再開のめどは?)私が知る限り立っていません」(去年12月)
「話にならないね。ゼロ回答で、交渉決裂」(去年12月)
税調は総理でも口出しができない「聖域」とされていて、高市氏が政調会長時代に宮沢氏の交代を岸田文雄総理大臣に打診したところ激しい抵抗にあったといいます。
積極財政を掲げる新総裁の高市氏。野党からは次のような声が上がっています。
「萩生田先生だって、秘書の方がこの間起訴されて罰金を受けたばかり。ただ就任会見ではもう(裏金議員を)登用するとはっきり言っていた。選挙で洗礼を受けたと」
高市氏は派閥の裏金事件に関与した議員を重要ポストに登用することも検討していて、幹事長代行には旧安倍派の萩生田光一元政調会長(62)を起用する方針です。
「自民党が生まれ変わるのではなくて、そういう裏金議員の人たちが復活して、昔の政治の悪い部分が戻ってくるという話だから。我々は、それは黙っていないから」
(「グッド!モーニング」2025年10月7日放送分より)