政治

報道ステーション

2025年10月10日 02:47

【報ステ全文】連立の行方は?“解党的出直し”どうなる?自民党・高市新総裁に聞く

【報ステ全文】連立の行方は?“解党的出直し”どうなる?自民党・高市新総裁に聞く
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自民党の高市総裁は就任早々、非常に難しい局面を迎えています。連立を続けるか否か、公明党内の意見の違いが表面化しました。「連立維持は基本中の基本」だとする高市総裁ですが、この問題の決着をどのように図るのでしょうか。

“政治とカネ”めぐり公明要求

今週、自公の関係が一気に冷え込んでいます。9日に開かれた公明党の幹部会合では。

公明党 斉藤鉄夫代表
「与党が参議院選挙、昨年の衆議院選挙で大きく敗退した大きな原因が、政治とカネの問題でございます」

自民党の派閥の裏金事件について、全容の解明を強く主張。そして。

公明党 斉藤鉄夫代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「自民党さえ決断すれば、今、国民の皆様が大きな不信を抱いておられる、政治とカネの問題、そのある意味では核心にある企業・団体献金について、大きな規制強化に結びつくことができる」
企業・団体献金の規制強化

「禁止よりも公開」で制度の存続を図る自民党に対し、献金の受け皿を絞るなど、規制の強化を迫る姿勢を鮮明にしました。

斉藤代表はネットの対談番組で、連立協議が決裂した場合の総理大臣指名選挙について、こう踏み込んでもいます。

公明党 斉藤鉄夫代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「連立しないということは『高市早苗』と書かないということです」
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公明は“終日協議”結論は

連立の継続に暗雲(あんうん)が垂れ込めるなか、公明党は9日夜、全国の地方議員から意見を聞く場を設けました。会議は非公開で約2時間行われました。

出席した神奈川県議
(Q.意見としてはまだ分かれている?)
「色んな意見が全国から出ました」
(Q.継続か離脱かどちらが多い?)
「それもこれからじゃないですか?全国の皆の意見を聞いたんで」
(Q.一番大きな思いは?)
「26年間、連立をやってきたなかで、それぞれの思いがある」
公明党 谷合正明広報委員長
公明党 谷合正明広報委員長
「連立の重みをしっかりと重視すべきだという声もあれば(政治とカネで)十分な回答がなければ、しっかりとそこは公明党として毅然とした対応をすべきだという声もあればということであります。だいたい半々ぐらいの声だったと思います」

執行部は本日2回目の幹部会を開き、今後の対応を協議。連立をめぐる判断は、斉藤代表らに一任すると決めました。

菅元総理と会談

一方の高市総裁は、菅元総理の元を訪れました。菅氏は、公明党やその支持団体にパイプがあります。党首会談を10日に控え、両党のわだかまりは解けるのでしょうか。

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女性初の総裁になって

高市総裁にお越しいただきました。

自民党 高市早苗総裁

(Q.5日が経過しましたが、本当に働いて働いて疲れているんじゃないですか)

自民党 高市早苗総裁
「私の前任の総裁も、その前の総裁も、ずっとこんな大変な状態で働いてこられたんだなって思って、感慨深いものがあるというか。景色が少し変わりました」
自民党 高市早苗総裁

(Q.夜、眠れていますか)

自民党 高市早苗総裁
「夜、寝る時間あんまりないです。ただ、政調会長の時も、割と私、働き虫なので同じでしたので。政策関係だけ、この成長の政策関係だけを見るんじゃなくて、全体を見ながら、また他党との関係も考えながらという、本当に重いお役を頂いたなと思っています」
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“自公連立”継続どうなる

自民党 高市早苗総裁

(Q.まず、ホットなテーマからお聞きしていきます。公明党の中央幹事会が終わり、連立を継続するか否かということについて、党の代表・斎藤代表、そして幹事長に一任をしたということです。そして、10日中には決めたいという話になったそうです。10日に斉藤代表と会談をされると聞いています。今まで26年間やってきた連立で、これだけ意見の違いが出ています。このこと自体を総裁としてどのように受け止めていますか)

自民党 高市早苗総裁
「やはり、去年の衆議院選挙にしても、今年の参議院の選挙にしても、自民党の不記載の問題もございました。政治に対する信頼が損なわれた。その責任は重々、感じております。連立を組んでいただいている公明党の皆さんにも、ご迷惑をおかけした。それはよく分かります。『なんで不記載があった議員を推薦したんだ』という声があったということも聞きました。連立相手にもご迷惑をおかけしたと思っております。連立を解消するという話は直接伺っておりません。1度も伺っておりませんけれども、ただ、総裁も変わったということで、連立協議の前提として、政策協議があるというのは、承知をいたしておりました。ただ、総裁選挙の最中から申し上げておりましたが、26年、かなりきつい時も一緒にやって来ましたし、私自身も特に児童ポルノ禁止法の改正で、大変な作業でしたけれども、私は自民党側の代表として、かなり難しい法律を力を合わせて成立させた。そんな長い実績も、共に戦ったこともありますので、自公連立を基本として考えたい。それは私の願いです」
自民党 高市早苗総裁

(Q.長い友党である公明党の思いをくみ取りたいというお気持ちでやると。公明党がこの問題は根深いと考えているのが、『政治とカネ』の問題。いわゆる不記載があって、処分を受けた議員などについては、全て戦力として使うわけだから、色んな役職につけますよという話をされています。公明党との思いとの齟齬(そご)があるかと思いますが、そこをどう解消していきますか)

自民党 高市早苗総裁
「今の自民党、衆議院参議院の選挙を通じて、かなり人数が減ってます。十分、ご承知だと思いますが、自民党の中には、政策構築機関だけでも、すごい数があるんです。私も政調会長3期務めましたけれども、やはり当時で大体120ぐらい、色んな政策を議論する期間があって、必ずそこに長がいる、役員がいると。また、幹事長室が持っているポストもあれば、組織運動本部が持っているポストもある。今、人数が減ってしまった自民党で、全員で働かなきゃ党が回りませんよと。何としても、私はやっぱり経済対策をすごく急がなきゃいけないと思うので、それで人事をやりました。小林政調会長、幹事長にも組閣を待たずに人事をやってくれた。全員総活躍、全世代総力結集の人事をやってくれと。総裁選挙でどの陣営にいたか、それは全く関係なく。一番、その方が得意な、もしくは専門知識がある、もしくは本人がすごくやりたい。そういったアンケートも取りました。公平に全員が働ける人事をやってくれというお願いをしたんです。そこで、仮に私が内閣総理大臣になれたら、まだ分かりませんが、なれたら組閣をする。その時に、すでに党の役職に就いた方でも引っこ抜く可能性があるので、その時には対応できるようにしておいてくれということを申し上げました」
自民党 高市早苗総裁

(Q.仕事中心で、閣僚に起用する考えはあるのでしょうか)

自民党 高市早苗総裁
「今回、やはり私たちは全員で働かなきゃ回らない状況になっている。例えば、去年の衆議院選挙で当選された方は、その地域の有権者の皆さまの期待を受けて、全国民の代表としての立場で出てこられている。そういった方々が、全く何の役職もなく、働かないで、だらっとしているのでは、むしろ有権者の方に対して申し訳ないという気持ちが私はあります」
自民党 高市早苗総裁

(Q.10日にそういった考えをしっかり伝えるというお考えですか)

自民党 高市早苗総裁
「そうですね。ただ、私は、新しい事実が出てきたとかで、あれだけ厳しい処分が2回もあった。それに岸田総裁が責任を取られるって非常に重い決断をされて、なおかつ政倫審で説明して、また選挙があって。相当厳しい処分が2回、ありました。そのうえで出てこられた方々ですけれども、それでも新たに何か不祥事が起きたということになったら、これは非常に厳しい処分をさせていただきます。自民党を信頼していただくために必要なことです。それからまだ工夫できることがあると思っていて、政治資金の流れに関すること、全部を口座取引でやる。これを徹底しないと、なかなか現金の受け渡しとかしてるところで、またミスが起きてしまったり。そういった改善はしたいですね」
自民党 高市早苗総裁

(Q.公明党は企業団体献金ついては、都道府県連や自民党本部であるとか、そういう大きなところ1つに透明化しようと。それをぜひ飲んでほしいと言ってますよね。これはどうですか)

自民党 高市早苗総裁
「私は、ちょっと初めて公明党からうかがって、その場でそういう話が出てくると思っていなかったんです。それ以前に、まずは国会議員の支部ですとか、地方議員の政党支部ですとか、そういったところはいいんだろうという形で合意をしたから、そうなってるんだという理解でおりました。私たちは、例えば国会議員の支部なんかでしたら、収支報告をしますよね。1円単位の領収書であっても、保存して、開示請求があったら、何日もコピー取り続けて、それを開示しますよね。そういった形のほうが透明性はあると、私は感じました。だから、その県連に、全部、お金が集まるとか、そっちの方が、もしかしたらチェックが働かないんじゃないかという。透明性が一番大事。チェックをいろんな人ができる。これが一番大事だと思ったので、そこはどうお考えなんだろうと、疑問は申し上げさせていただきました」
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政権発足いつ?“停滞”懸念も

自民党 高市早苗総裁

(Q.公明党と連立をもう一回組むとなると政策協定も必要になってきます。時間が迫ってきています。高市さんが総理大臣になれば、今月の末にはASEANから始まって、トランプ大統領の来日、APECもある。外交デビューが待っています。これを考えれば、あと3週間弱の間に、総理大臣指名選挙をやって、所信表明あるいは代表質問、もう早く召集日を決めなければいけない状況になっています。気持ちの面で焦りはありますか)

自民党 高市早苗新総裁
「ありますね。経済対策を急がなきゃいけないので。そして仮に総理になったら外交日程が続きます。それらの準備も今、単なる総裁で、総理大臣ではありませんから、役所に何の指示も出せませんし、対応は遅れております。だから連立協議は政策合意が基本ですから、10日にどういうお話かは伺って。10日はとにかく、9日に聞いた地方の方々の声を私たちにお伝えいただくということでしたので、それをしっかりと伺って、できるだけ早く合意できるようにしてまいります」
自民党 高市早苗総裁

(Q.焦りがあるという臨時国会の召集が決まらないなかでも、やりたい政策がいっぱいある。特に当面の経済政策について、的を絞って短くお答えいただけますか)

自民党 高市早苗新総裁
「やっぱり物価高対策でございます。1つはガソリンと軽油両方下げなきゃいけないと。それから賃上げ税制の恩恵を被れない、赤字の企業だけど一生懸命頑張っている、技術は持っている。そういった所たくさんありますので、できたら地方自治体に対する交付金をもって、地方自治体のほうから補助金で出していただいている。群馬県・大分県でこれ成功してますので、そういった形も作らなければいけない。農林水産業も今、物価高で大変ですから、ここも支援しなければいけない。やっぱり医療機関がもう大赤字で、福祉施設の倒産が過去最大ということですから、ここも手当てをしなければいけない。やる事がいっぱいあります」
自民党 高市早苗総裁

(Q.やる事がいっぱいあるなかで、もう1回日程を見て見ると、補正予算も作んなきゃいけない、関連の法案も通さなきゃいけないとなると、外交日程が終わるとすぐに11月がやってきて、そこから実質的な与野党協議のような場があり、そこで国会審議がとまるとすぐ年末に入ってしまいますよね。逆算して、この政権の発足というのが少し遅れてるのが非常に気になります。公明党との政策協定ももう10日にもという気持ちですか)

自民党 高市早苗新総裁
「相手のあることですから、何とも私からは申し上げられません。でも、できるだけ早くですね。仮に総理大臣になれたら、すぐに経済対策は指示を出しますし、党の政調会の陣容もものすごく急いで整えていってます。だから、すごい勢いで人事が決まってます。経済対策に備えて必要なところも全部決めておこうということで、小林政調会長もすごい頑張ってくれているので、党内でできる準備は万全を期しておきます」
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“高市カラー”の人事は

自民党 高市早苗総裁

(Q.初の女性総裁ということで“高市カラー”を知りたいです。ところが、党の執行部の人事を見ると、やっぱり麻生さんが大きい。後見人として麻生さんが副総裁にいるのかなという印象を持ちます。高市さんは麻生さんを頼りにしていることは間違いないですか)

自民党 高市早苗新総裁
「麻生元総理に副総裁お願いしたのは、皇室典範です。党にいて皇室典範を仕切って頂かなければいけないので、お願いをいたしました。ご本人は最初拒否しておられて『俺はもう最高顧問でいいんだよ』って言うけれども、働いて頂かないといけないので。副総裁であれば役員会もきちっと出て、色んなところで仕事をしていただけるので、どうしても皇室典範やってくださいということで、こちらからお願いをしました」
自民党 高市早苗総裁

(Q.皇室典範改正担当重役みたいなものですね)

自民党 高市早苗新総裁
「そう言ったら怒られちゃうかもしれませんけど。ただ、皆様が誤解されているのは、麻生元総理は派閥の中で高い地位に投票しろとは1回も仰ってないです。1回目の投票は別の2候補の名前を挙げて仰ったそうです。2回目の投票については、党員票の1番多かった人に投票しろと。だから高市に投票しろという言葉1度も」
自民党 高市早苗総裁

(Q.高市さんを想定していたんでしょうね)

自民党 高市早苗新総裁
「いや、でもそれは私も何も想定できなかったですもの。そういった指示を出されたので、総裁選挙で誰が誰を応援したっていうのも、私にとって、はっきり言ってどうだっていいことで。党全体でどう動かしていくかということです。有村治子さんもたまたま麻生派ですけれども、彼女の場合は色んな所でご一緒しています。どれだけの力があるか、まとめる力があるかをよく見ていましたから。私が大臣である時に、会長として務められておられた。その場でも立派にまとめておられました。ですから、彼女はどちらかといえば一本釣りです。鈴木貴子さんも私の陣営ではなかったですけど、彼女の発信力に非常に期待をしたということです」
自民党 高市早苗総裁

(Q.総理大臣に指名されれば組閣があります。高市さんは女性を増やしたいと仰っていました。もうすでに色々お考えだと思いますが、何人ぐらい閣僚として女性を入れたいですか)

自民党 高市早苗新総裁
「これも機会平等ですね。能力主義。だから何人とは申し上げられません。今、執行部でも女性が2人入りまして、私を入れると3人ですよね。党の政調会や幹事長室まわりの人事も、そういったことも考えながらやって頂いてますし、やっぱり皆さんが元気が出る、明るい内閣にしたいなと思ってます。でも、やらなければいけない政策がありますから、これはもうその専門分野の方ということで、人数を特に決めてるわけではありません。
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“解党的出直し”できる?

自民党 高市早苗総裁

(Q.今回は総裁選を通じてインパクトを与えた人として、最後まで決選投票を争った小泉さん、そして、林さん人気が集めました。この2人、閣内で重要閣僚で起用する考えはありますか)

自民党 高市早苗総裁
「私が内閣総理大臣になれたら、絶対、絶対そうしたいです。というのは、総裁選挙をしてよかったなと思うのは、それぞれの考え方がありますけれども、大体、同じですよね、思いは。日本を成長させたい、ちゃんと安全な国にしたい。いまの皆様のお困りごとを早く解決したい。目指すところは一緒なんですよ。だから力を合わせてやりたいです」
自民党 高市早苗総裁

(Q.思い返せば、総裁選挙は、解党的出直しという声がありました。でも解党的って何という答えは、人それぞれだと思います。高市さんが考える自民党の解党的出直し、信頼回復というのは何を起点にしてやっていきますか)

自民党 高市早苗総裁
「私は、やっぱりいまの不安を絶対に希望に変えられる。そういう党であって、国民の皆さまから、まずは信頼していただかなきゃいけません。そのうえで、やっぱり自民党は頼りになるなと思っていただける。そういう党にしたいですね。働いて、働いて、みんなもいっしょに働いていただきます。今、少なくとも衆参自民党本部にいる国会議員全員で一生懸命働く。一生懸命、国民の皆さまの声を集める。何をやりたい党か分からないとか、国民の皆さまの声をわかってないとか、いろんなこと言われました。やっぱり夢がないって言われたのが、一番、ショックでした。自民党の政策に夢がないって。それじゃダメだと思っています」
自民党 高市早苗総裁

(Q.働き過ぎて体を壊さないようにしてください)

自民党 高市早苗総裁
「それは大丈夫です」

自民党総裁、高市早苗さんにお話を聞きました。ありがとうございました。

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