自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出され、党の新たなかじ取りが始まる。今後は、野党との対立と協調のバランスをいかに描くのかが焦点となる。
ジャーナリストの青山和弘氏は「臨時国会を召集し、総理大臣指名選挙は10月15日と言われている。だから週が明けて1週間ぐらいしかない。その間に連立交渉しなきゃいけない。だから週明けには幹事長と、あと多分官房長官までは決める、党の三役は決めると思う。その人たちが向き合っていく」と説明。
しかし野党との連携の準備ができていないとして「はっきり言うと1週間で連立がまとまるとは思えない」と語り、「そうはいっても野党がバラバラだと総理に選ばれるのは間違いないので、高市総理になって連立はしないで、そのまま国会に突っ込むという可能性が高いと思う」と予想した。
その後の所信表明演説や代表質問については、「国会での答弁とかは野党側はもちろん高市氏に対して、特に立憲とかが厳しく言ってくると思うので、対決姿勢がどんどん強まってくる。そんな中でガソリン税とか給付付き税額控除とかをどれくらい野党とやっていけるのか、ここも高市さんの手腕が問われるし執行部の力が問われる」と説明。
外交については「ASEAN、APECの間に、さらにトランプ大統領も来日する(10月27日〜29日で調整)ので、高市氏は早速日米首脳会談に臨む。高市氏はアメリカでの経験もあり、うまくやれるとは思うが、準備期間は非常に短いので、(総理に)なった瞬間から課題は山積みと言っていい状況」と語った。
女性初の総理大臣誕生について、青山氏は「悪く受け止める人はいないし、一定程度支持率は高くなると思う。あとは野党と連携する中でガソリン税の暫定税率の廃止とか、補正予算案を本当に通せるとか、そういったところが残せるかどうか」とコメント。
「あとは外交。なんといっても中国、韓国。今回APECは韓国であるから、いきなり李在明大統領との会談もある可能性があるし、やはり向こうは警戒している。そこをどう乗り切れるかというのも問われる」と続けた。
「そんな中で国会がうまく回って支持率が高いままだったら、解散に打って出たほうがいいんじゃないか。ここで連立もできてないし、やっぱり自公で過半数を回復しちゃうのが一番、ある意味楽。そういう誘惑に駆られたときに、高市氏がどう判断するか」と語った。
野党の不信任案提出については「これは立憲がどうするか。立憲は即解散したくないかもしれない。ただ、高市氏が非常にうまくいかない、例えば補正予算も通せない、ガソリンの暫定税率もうまくいかない、海外からも懸念が噴出しているみたいな。そういう状況になってきて、高市氏の支持率が下がってきた、ということになったときは立憲も思い切って勝負に出てくるかもしれない。立憲は逆に高市氏だと対抗軸がはっきりするので、ある意味わかりやすい選挙になる。それを狙ってくる可能性はなくはない」と解説した。
(『ABEMA的ニュースショー』より)